今回は、やっぱり私はオハイオ(州)が大嫌いだ!というお話。
オハイオは、高速道路上のパトカー密度が、おそらく全米一高い州だと思う。96年にロサンゼルスからニューヨークに向かって大陸横断していた途中でも、オハイオ州に入った瞬間に捕まった。それもたかが4マイルオーバーで・・・。約1年前に今回同様出張でオハイオに来た時も、中央分離帯の雪の山の陰に隠れていたパトカーの横を通り過ぎた瞬間にいきなりサイレンを鳴らされ、心臓が止まるかと思った。この時は幸い、停められたのは私の後ろの車だったが。
オハイオ留学経験のある友達によると、オハイオは貧しい州なので交通違反の罰金収入が貴重な財源で、だから取り締まりが厳しいのだとか(ホントか?!)。いずれにしても、高速道路上には大体5マイルごとにパトカーがいると思っていれば間違いない。
2月の頭にオハイオ州クリーブランドとペンシルベニア州のド田舎山ん中にあるステート・カレッジという町で仕事があった。ロサンゼルスからまずデトロイトに飛び、バスより小さい(?)プロペラに見慣れたGEのマークがついてる(家電かよ?!)プロペラ機に乗り換えてクリーブランドへ(上空からの写真その1・その2)。
実はペンシルベニアの山ん中で大雪に遭遇し、えらい目に遭ったんだけど、このお話は「町の風景」でご覧になってくださいマセ。ここではオハイオの悪口に焦点を絞ります(わはは・・・)。
ロサンゼルスから夜行便で来たものの、飛行機の中でまったく眠れず。クリーブランド到着時は徹夜明けの早朝、何をする気も起こらないほど疲れ果てた状態。とにかく早くホテルに着いて昼寝することしか考えていなかった。空港からレンタカーを借りる場所まで、シャトルバスで随分と遠くまで走っていくなあ、とは思ったものの、それ以上深く考える思考能力がなかった。
さて、すべての仕事が終わり、やっと帰れる〜♪とクリーブランド空港に向かった・・・けど、レンタカーを返す場所がクソ不便。遠いことはわかっていたけど、滅茶苦茶わかりにくい。なんだってわざわざ1回空港の中を抜けて、さらに再び高速道路に乗って行くような場所に作るかね?! いやまあ空港の中を通らなくても行けるんだろうけど、道路標識もレンタカー屋がくれた地図に載ってる説明も不親切なんで、知らない人はとりあえず空港に行っちゃうよ。
なによりムカついたのが、空港の手荷物検査。
私は米国内出張の際は、基本的に荷物を預けない。肩から提げるカメラバッグと、車輪がついてて引っ張って運ぶタイプのそれほど大きくない旅行鞄を機内に持ち込む。今回も当然そのつもりで手荷物検査の列に並んだ。
搭乗券と身分証明をチェックした係員、私に4番か5番のX線検査台に行けと指示。深く考えずに5番の台へ行ったところ、X線検査で旅行鞄のほうが引っかかった。中にはカメラ用の一脚(三脚は足が3本あるが、これは文字通り1本のもの)が入っている。確かに棒状のものではあるが、縮めた状態で長さ50センチ程度、アルミなのでごく軽量。過去に他の空港で荷物を開けてチェックされたことこそ何度かあるが、持ち込むなと言われたことなど一度もない。ところが私の鞄を開けていた気の弱そうな白人のおっさん、判断に困って別の職員を呼びやがった。
呼ばれて登場したパシフィックアイランダー系有色人種と見受けられる若造(※)、空港のカウンターまで戻って旅行鞄を預けて来いと言いやがった! 「今まで何度もこれを持って飛行機に乗ってる。預けろと言われたことなんか一度もない」「911の直後だって平気だった」などと抗議してみるが、若造はえっらそーに嬉々として「これを持っている限り、ここを通すわけにはいかない」と言いやがる。ここぞとばかりに胸を張ってえばりくさりやがって! 普段抑圧されている人間が権力(というのも大げさだけど)を持った際に共通に見られる、嬉しそうで得意気で必要以上に偉そうな、独特のあの態度。下っ端の警官や警備員などによく(もちろん全員じゃないよ)見られる。めっちゃくちゃ、ムカつく、あれ。
※エッセーの中では、基本的に人種や性別がわかる表現は避けているつもりだが、この場合は彼が取った態度の理由として人種が重要な意味を持つと思われるため、あえて表記
先の気の弱そうなおっさんが、「I'm so sorry」などと言いながら私の鞄を持って空港カウンターのほうまで私を誘導(要するに確実に搭乗エリア外に追い出した)。他にどうしようもないので航空会社のカウンターに戻って事情を話したら、カウンターにいたおじさんとおねえさんも「そんなこと言われたの?! 信じられない」「普通そんなもん、チェックされないんだけどねぇ」などと同情してくれた。同情に乗じて(?)、本来ならいったん預けた荷物は最終目的地のロサンゼルスまで行ってしまうところ、乗り換え地のデトロイトでピックアップできるようにして、とお願い。
(旅行鞄を預けるにしても、入れていたノートパソコンごと預ける勇気はさすがにない。よって旅行鞄を預けると、カメラバッグには入らないノートパソコンを、むき出しで抱えて持ち歩くことになる。そういう間抜けかつ不便かつ落としやすくて危険な状況は最小限に止めたい。デトロイトでは無事に旅行鞄を取り戻し、もちろん何事もなくX線検査を抜けて、ロサンゼルス行きの機内に持ち込んだ)
そして再びX線検査へ。搭乗券と身分証明をチェックした係員、またしても私に4番か5番に行けとか指示しやがる。「どこの台に行こうと人の勝手じゃねーかよ! そもそもてめーがさっき4番か5番なんて言ったのがミソのつき始めなんだよ!」などと心の中で悪態をつきつつ、さすがに同じ台に行くのは嫌だったので4番へ。ところが今度は、さっきはノーチェックだったカメラバッグまで開けさせられる羽目に 凸(- -〆...
さすがにこれも預けろとは言われなかったが、中身をいろいろ出して再びX線にかけたりと、えらい疑いようだった。近年まれに見る不愉快さ。
911の直後は確かにいろんな空港でいろんな不愉快な目に遭ったけど、ここしばらくは搭乗口でのランダムスクリーニングも見かけないし、パソコンを立ち上げてみろとも滅多に言われないし、空港利用は随分と気楽になっていた。今回だって、ロサンゼルスでもデトロイトでも、旅行鞄もカメラバッグもノーチェックでパス。開ける必要すらなかった。それなのに、こんな貧乏なド田舎の鼻くそみたいな空港ごときが馬鹿みたいに張り切って狂ったようにセキュリティ厳しくして、なんの意味があんだよ! クリーブランド空港なんか、死ぬまで2度と使うか! 将来万が一、クリーブランドに用事ができても、絶対に使わん! デトロイトかどっかから運転して来てやるぅ!
#本当にオハイオってヤなとこだな!
そういえばその昔、X線検査で発見された機内に持ち込めない荷物については、「機長預かり」ってシステムがあったよね。15年以上前だけど、アーミーナイフを預かられたことがある。ああいうシステムって、今はもうないのか、そもそも国際線だけだったのか、あるいはアメリカには前からなかったのか・・・
クリーブランドでも、一脚だけ抜いて「機長預かり」にして、デトロイトかロサンゼルスで返すことにしてくれてたら、あれほど不愉快じゃなかったんだけどねぇ。