なんでこんな目に・・・
(ペンシルベニア州の山ん中にて)


State Collegeというペンシルベニア州の山ん中の田舎町。
どのくらい田舎かというと、少なく見積もっても5000人は入ってるイベント会場に、
見事なまでに有色人種がまったくいない。
ある意味、感動的というか、それほどド田舎というか・・・

そんな場所で仕事を終えた翌日。
朝、ホテルの部屋のカーテンを開けた瞬間、外の光が妙に鈍くていやーな感じ。
ガラスの曇りをふいてよーく見れば、案の定、しんしんと降りしきる雪景色。

まずはホテルの駐車場で
雪に埋もれたレンタカーを発掘(?)

これがまた車に近づくためだけに何度も滑って転んで雪まみれ
しかもあろうことか! このレンタカー
雪かき(氷かき?)用のへら類を積んでいなかったのだ!
サイテー!

仕方なく革手袋はめた手とダウンコート着た腕を使って
一生懸命雪をはらおうとするけれど
濡れるし寒いし冷たいし手は届かないし・・・
というわけで、ガラス上の雪をどけるのが精一杯。

フロントガラスから払った雪を
地上に落とすことすらできず(手が届かねーよ!)
↓そして、こんな状態で発進する羽目に・・・
(うーうー、前が見えない・・・)



そもそも道順も不確かな田舎道。
晴れてたって高速道路に出るまでは不安いっぱいなのに
ましてやこの天気・・・
実は前日、レンタカーを借りて
高速道路を2時間ほど走ったところで
インパネに「タイヤの空気圧が低い」という警告が点灯。
今日は高速に乗る前に空気入れといたほうがいいかな
なーんて思ってたんだけどさ・・・

こうなっちまったら空気圧なんて知ったことか!
低いほうが少しはグリップいいかもしらんし。
(ってゆーか、こんな日に雪まみれんなって凍えながら
 タイヤに空気入れるヤツなんかいねーよ!)



ガソリンスタンドで道を再確認し
四駆のじもやん(地元の人)が後ろ走ってたらたぶん怒っちゃうぐらい
ちんたらちんたらちんたら
高速へ導く標識を見逃すまいと身を乗り出すようにして運転・・・

この道を行けば・・・
(知ってる人にしかわからないネタですんません)
高速道路に乗れるハズ・・・

前を走るトラックさん、あなただけが頼りです
と思ってたら途中でどっか消えちゃって
えれー心細かった。


ようやく目出度く高速道路にたどり着き
さすがに道路上の雪もかなりどけられていて
走りやすくなった♪と思った瞬間
いきなり先が詰まってぴたっとストップ。
この時、時刻は11時30分。

←と約2時間経過後の下の写真を比べてくださいマセ。
すっかり雪が積もっちゃってます・・・


12時00分 腹が減ってきた。

朝ホテルの部屋に配られてた新聞、持ってきといて良かった。
(ジャネット・ジャクソン事件の記事など、読んで暇つぶし)

今日が飛行機に乗る日じゃなくて良かった。
普通にホテル出てたら間違いなく乗り遅れてるよ。

12時10分 フロントがぐっちゃりつぶれたトレーラーが対向車線を牽引されていく。
どうぞあれがこの通行止めの原因でありますように。
そして一刻も早く開通しますように・・・

12時30分 1時間経過。エンジンをオフにしてみる。

雪は狂ったように降り続いてる。
音を立てて降りしきる雪に、フロントは一瞬にして何も見えなくなる。
外側に雪が積もるのはともかく、ガラスの内側が曇ってしまうのは困る。
やっぱエンジンはかけとかなきゃダメだ。
ガソリン入れといて、良かった。

13時00分 いー加減、勘弁してくれよ!
車の前後にもすっかり雪が降り積もってる。
好きで事故起こすヤツはいないとわかっていても、かなりムカつく。

13時07分 除雪車が路側をやってきた。
ってことはそろそろ開通か?!(かなり期待♪)と思ったら
除雪車の運ちゃん、降りて歩いて行ったっきり、戻って来ない。

2時間経過。除雪車は相変わらず右斜め前に停まったまま。
運ちゃん戻って来ないし、状況に変化なし。


パトカー登場。除雪車の後ろに停まった。なんとかしてー!

私の車が一番近くにいたせいか、それとも私がよっぽど疲れきって
救いを求めるような目でパトカーを見つめていたせいか、
パトカーから降りた警官、おもむろに立ち止まってこちらを振り返り
がんばるんだぞ!といった調子で「もうちょっとだからね!」と
私に向かって怒鳴ってから、歩いて行った・・・
なんかちょっとウケて、気が紛れる。

13時29分 よーやっと除雪車が動き出した!

13時32分 パトカーは車列の合間を使ってUターンし
来た方向へ帰って行った。
いよいよか?!と期待してしまうが、こっからがまた長い・・・

13時50分 左側のトレーラーが少し動いたので
かなりときめく(?)も、後が続かない・・・

トレーラーが動いた後→


げっ、もう2時だよ。少しだけ動いたトレーラーも、左前方のまだ見える場所に停まってる。
ぼーっといろいろなこと考えながら何時間も運転するのは好きだけど、
こーゆー状況で強制的にぼーっとさせられてるとロクなこと考えない。
不愉快なことばかり次々と思い出されてくる。


14時09分 2台目の除雪車登場。今日は大忙しやね。
っつーか、除雪車の運ちゃんって普段はなにやってるの?
救急隊員? 道路管理会社の社員?

14時13分 よーやっと動き出して喜んだのもつかの間。
すぐに1車線になり、そしてまたぴたりと動かなくなる。
うーうーうー・・・

14時30分 結局3時間かよ!
天気が良かったら、もう目的地のホテルに着いて
仕事前にのんびり一休みしてる頃じゃん。
オクラホマと違って、ここじゃこんな雪なんか珍しくもないだろ?!
頼むよ、ったく!!


14時47分 ついに、ついに、ついに!
よーやっと本当に走り出す!!!
道路が雪まみれで走りにくかろうが
とにかく動ける、少しずつでも目的地に近づける
という事実がえらい嬉しい!

結局、普通なら4時間の道のりに8時間もかかってしまった。

後で聞いたところによると
トレーラー3台を巻き込む大事故だったそうな。


当然、事故後すぐに高速道路は閉鎖されたらしい。
この大雪の中、右も左もわからん土地の山の中、
ようやくたどり着いた高速に乗れなかったりしたら(実に地図も持っていなかったし)、
間違いなく遭難(?)してたよな。
事故が起きた時にすでに高速道路上にいて、まだラッキーだったかも。

(2004.2.3撮影)



<おまけ>

実に寒々とした雪景色のムービーを見たい方(いるのか?!)は以下をどうぞ♪

その1その2
(ムービーのサイズは6〜8MBほどありますのでご注意を)



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