2003.8.7の独り言

 前回の独り言の続き。

 全体として天候には恵まれず、調子も予定も狂いまくりの日本滞在だったものの、要所要所ではちゃんと晴れた。運がいいのか悪いのか、よくわからなかった今回の日本滞在。

 そして迎えた帰国の日。雨・・・。成田のNWのカウンターでは、またしても手荷物までX線検査されて、まずムカつく。(5.31の独り言参照)

 次、X線検査の機械から私の荷物が出てきたところで、客のスーツケースを開けて検査している台の方角から、職員の「真ん中の台、空きました」という声が聞こえる。滅茶苦茶嫌な予感・・・。そして、絶妙なタイミングで機械から出てきた私のスーツケースを職員が拉致・・・。またしてもスーツケースのランダム検査に引っかかったのである!

 今回は多少は心の準備ができていたので、「X線で何か検出されたんですか?!」と不満そうな口調で聞いてみる。職員は「我感せず」という顔で私の言葉を無視し、両手に私のスーツケースを提げて勝手にずんずん運んでいく。さらにムカつく・・・

 挙げ句の果て! ようやくたどり着いたチェックインカウンターで渡された搭乗券が少しおかしい。座席番号が書いていない。職員は「搭乗口のカウンターで座席をもらってください」などと言う。

 もちろん私は、航空券を予約した時点で座席も予約している。「すでに37Aの席、もらってるんですけど」と私。目の前の端末をあれこれいじっていた職員、「37Aは乗り継ぎの客に割り振られている。ここの端末ではいかなる理由でそうなったのかわからないし、座席を動かすこともできない」といった内容のことを、泣き出しそうな顔で私に伝える。実に申し訳なさそうな声で、「すいません」と何度も言う。

 さすがにこの人には怒れなかったが、にっこり笑って「構いませんよ♪」と言う気にもなれず、無言無表情で「変な搭乗券」を受け取る。もちろん内心、怒りの極致。これで窓側の席に座れなかったら、いくら安くても2度とNWなんか乗るものか!と、頭から湯気を出さんばかりの勢いで怒りながら一直線に搭乗口のカウンターに向かう。

 搭乗口のカウンターの職員は、私の「変な搭乗券」を一目見るなり、実に冷静に「ああ、お待ちしてました」といった様子で話し出した。曰く、「家族連れの客を隣り合わせて座らせるために、どうしても私の席を使わざるを得なかった。その代わり、私にはビジネスクラスの席を用意した」

「窓際の座席はもうない」と言われたらどうしてくれようか、と、怒る準備(?)をして構えていた私はズリコケた。振り上げた拳のやり場に困って、髪を直しているようなものである。この時の私は、きっとなんとも言えない実に複雑な顔をしていたと思う。

 それにしてもなんでそんなこと、チェックインカウンターの端末ではわからないのか不思議である。外でわかっていれば、あの職員もあんなに何度も謝らずに済んだし、私だって搭乗口まであんなに急いで行かずに済んだ。ホントに不思議。

 そしてほどなく搭乗・・・なのだが、今度はなんと! 搭乗直前のランダム検査にまでひっかかる・・・。911テロの直後、米国内便の搭乗口で必ずやっていた、ひっかかると財布の中身まで見られる場合がある、アレ・・・

 職員の私を呼び止める声に、聞こえないふりをして通り過ぎようとしたのだが、ダメだった・・・(当たり前か)。搭乗口のランダム検査には米国内便に乗る際に何回か引っかかったことがあるが、今回のは比較的しつこい部類。パソコンはもちろん、日米両方の携帯電話の電源を入れてみろと言われたし、スニーカーの内部まで念入りに調べていた。

 運がいいのか悪いのかわからんけど、とにかくこの日はすべてが「当たり」だったみたい。行きがけにサマージャンボ宝くじでも買っとけば良かったよ。

 ちなみに、ビジネスクラスに乗るのは約15年ぶり。エコノミーと比べてシートの幅と前後の間隔がちょっと広い程度だった当時のビジネスクラスとは雲泥の差。さすが、各社がしのぎを削っているクラスだけある。当時のファーストクラスのシートより、今のビジネスクラスのシートのほうがいいかも。お陰様で、よく眠れたよ。

 もちろんサービスも当時よりずっと良くなっていた。離陸前のシャンペンに始まり、食前のビール、食事中のワイン。いつも通りの日本滞在中の連日連夜飲んだくれ食い倒れ生活に加えて、今回は飛行機の中でまで飲み食いまくってしまった・・・(飛行機では絶対に窓側派の私。普段は、機内がよほどすいていて隣2席が空席でもない限り、飛行中にトイレに行かない。よって、機内でビールなどを飲むことは少ない)

 そして最後の最後、LAの空港。私のスーツケース、普段は早く出てくることが多いのだが、今回は「まさか紛失?!」と不安になるほどなかなか出てこなかった。最後の最後で荷物が失くなり、「やっぱり今回の旅は運が悪かった」なんてオチがつかなくて、本当に良かった。

 結局、人生山あり谷あり。いいことがありゃ、悪いこともある。嫌なことがあった後には、ちゃんと楽しいこともやってくる。・・・と、実に当たり障りのない結論に至ってしまうのだが、それにしても普通はもうちょっと平坦というか、なだらかなような気がする。もう少し長い周期で振れるだろうに、こんな短期間に次から次へと「ラッキー♪」とか「勘弁してくれよ!」と繰り返して感じることも珍しい・・・


 前回はさらっと触れただけだった隅田川花火大会。東京湾華火大会なんか、10回以上は見てる花火好きの私なんだけど、意外にも(?)隅田川花火を見に行ったのは去年に続いて今年が2回目だった。

 去年は現地入りが遅かったせいで、浅草駅を出た瞬間に第2会場のほうに誘導されてしまった。第2会場は橋を渡りながらの見物、歩みはゆっくりではあるけれど立ち止まってじーっと見ていることはできない。

 そこで今年は、第1会場で座って見るべく、かなり早めに現地入りした。昼過ぎから隅田公園にずっといて、暇に任せて周囲のいろいろを観察しての感想。「あそこまで無秩序な花火大会は初めて」

 一応、前日までにロープなどを使って立ち入り禁止区域や通路として残す部分が仕切られている。川辺のフェンスには、「場所取り禁止/撤去します」という貼り紙もある。しかし、どう考えても前日から敷かれている、誰もいない場所取りシートが撤去される気配はまったくない。立ち入り禁止区域など、人が増えてきたら無関係。みんな、何も気にせずに立ち入り禁止区域に自分のシートを敷いて座り込む。張ってあったロープをほどく人までいたが、注意する人は誰もいない。しまいには、通路として残すために仕切られていた場所まで人がびっちり。

 いよいよ花火の開始時間が迫り、腕に「隅田川花火実行委員会(運営委員会だったかも)」という腕章をしたおっさんたちがぞろぞろとやってくる。しかし、彼らは観客にはまったくもって無関心。思い思いに酒やつまみを大量に抱え、一番川に近くて花火がよく見える場所に向かって一直線。適当に並んで「川のほうを向いて」立ち、楽しそうに飲み食い雑談をしながら花火の開始を待っている。

 そもそも、警官の姿がまったくないのがすごい。第2会場では、橋を歩く観客を警官が誘導してたんだけど、人手が足りなくて第1会場にまで回せなかったんだろうか???

 江戸川花火大会ではこんなことはあり得ないし、ずっと規模が小さい多摩川花火大会だって絶対にない。警官や警備係が、ムカつくほどにあれやこれやと注意してくる。隅田川花火ってすごく有名で規模の大きな花火大会なのに、あの無秩序さはかなり感動的であった。


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