2003.8.23の独り言

 アメリカには、本当にろくなインターネットサービスプロバイダー(ISP)がない。個人がドメインを取得することが珍しかった頃は、手頃な価格の個人向けのウェブホスティングサービスを提供しているISPはアメリカにしかなかった。ホスティングの質が悪くても、顧客サービスが皆無でも、時には両方のサービスが悪くても、他に選択肢がなかった。

 しかしここ数年、日本にも個人向けウェブホスティングサービスを提供するISPが山ほど登場してきた。もちろん全部を試したわけではないが、私が知る限り、顧客サービスに関しては間違いなく日本のIPSのほうが圧倒的にいい。アメリカのISPの顧客サービスなんてゴミである。なきに等しいというか、苦情をいっさい無視したり見当違いの返事をすることによって、さらに顧客を怒らせるために存在しているとしか思えない。ないよりひどい。

 自分用他人用合わせていくつかのドメインを管理しているが、そんなわけで未だにアメリカのISPで運用しているのは1つだけ。今では他はすべて、日本のISPで運用している。

 この残る1つのドメインも、日本のISPに移転したいのは山々なのだが、簡単に移せない事情がある。それはレジストラである。このドメイン、ホスティングを行うISPに取得まで一括して依頼してしまった。大して深く考えずにそんな安易な行為に及んでしまったことを、今では心の底から後悔している。ホスティングを行っているISPとレジストラが一体化しているので、簡単にISPだけ変更できないのである。

 他のドメインはすべて、Network Solutions(VeriSign)という業界最大手のレジストラに登録してある。ウェブサイトのフォームと電子メールを使った簡単な手続きを経てISPだけ移転できるし、現に何度も移転している。しかし問題のレジストラのウェブサイトのどこを見ても、ISP移転の方法はおろか、ドメイン所有者(私)の連絡先を変更するためのフォームすら見あたらない。よって、WHOISなどで調べると、このドメイン所有者の電子メールアドレスとして、大量のSPAMに辟易としてとおの昔に使用を停止したアドレスが出てくるようになっていた(ことに、今回初めて気が付いた。ISPにアドレスの変更を通知した時、当然、ドメイン所有者のアドレスも一緒に訂正されているものと思っていた私が馬鹿だった。片方だけ解約できないくせに、こういうところは連携していない。最悪)。

 まあレジストラがどこであろうと普段は実害はないのだが、このレジストラとくっついているISPが最悪なのである。これまでも、大規模なサーバダウンこそなかったものの、実に小刻みに年がら年中、メールサーバがダウンしているのだ。こっちだって24時間356日5分ごとにメールを確認しているわけではない。メールの確認なんて、多くて1日5回だ。それでも、かなりの確率でダウンしている場面に遭遇する。実のところ、それはもう1日1回か、あるいは毎日数回ずつダウンしているのではないかと思ってしまうほどだ。

 言うまでもないが、顧客サービスは最悪。もっともここに限らず、これまでアメリカののISPによるトラブルに数限りなく遭遇してるが、向こうから謝罪メールが届いたことなんて一度もないけどね。苦情に対して適切な返信が来ることすら稀である。

 8月上旬、このメールサーバがいつになく長時間、ダウンしやがった。エラーが出るわけでもなく、メールの確認はできるのだが1通も届いていないような状態。試しに、このドメイン宛に自分でメールを送ってみたところ、送信側に対してもエラーは出ない。それなのに届かない。メールはどこかへ消滅。エラーが出ればまだしも、何のエラーも出なかったら送信者は当然、私のところにメールが届いているものと思う。最悪。

 そのわずか数日前、ニュースで読んだっけ。とある市場調査会社が調べたところによると、現代人にとってメールが使えなくなることは離婚よりストレスなんだそうだ。本当にすごいストレス、えらいムカつく。メールサーバダウンで損害賠償訴訟の例がまだないのが不思議なぐらい。いい加減、堪忍袋の緒が切れかける。

 試しにISP宛に苦情メールを送ってみた。こちらは数時間経ってからエラーが戻ってきた。ざけんなよ、ったくよお・・・

 今度という今度は、ISPはもちろん、レジストラごと移転してやる!!!と怒りつつも、レジストラの移転は経験がない。どうしたものかとNetwork Solutionsにメールで問い合わせてみたら、瞬間的に返事が来た。かなり感動した。商売に対する熱意を感じた。絶対にNetwork Solutionsに移転してやろうと、この時は固く誓った。

 Network Solutionsからのメールに書いてあった手順に従い、レジストラ移転の手続きをする。ここで問題が1つ。タコレジストラがドメイン所有者(私)のメールアドレスを更新していなかったせいで、「ドメイン移転に同意する」というメールを古いアドレスで受けて承認の返事をしなければならない。仕方なく、この古いアドレスを受信可能な状態に設定する。

 最初のわずか4〜5時間で約30通のSPAM。しかし、レジストラの移転が完了するまで耐えなければならない。その後、(SPAM業者に「そんなアドレスないよ」というエラーが戻らなくなったせいか)SPAMの数はどんどん増殖していく。しかし、Network Solutionsからのメールが届くかもしれない。とんでもない不快感と闘いながらも差出人とサブジェクトぐらいは確認しなければならない。大半がアダルトモンの宣伝&あんたのペニスを大きくしてやるよ、という内容。ローマ字で「Beautiful Japanese Hentai」などと書かれたものも多々あり、サブジェクト読んでるだけで気分が悪くなってくる。こらもう拷問だね。

 タコISPのダウンは、結局丸2日近くに及んだ。復旧した後、約150通のメールがまとめて届いた。しかし自分で送ったメールは結局紛失したままだ。この間にどこぞへ消滅してしまったメールも多々あったと思われる。メールの消滅にまとめ届きにSPAM、なんかメールに翻弄されまくりの数日間。ホント、迷惑にもほどがある。

 SPAMに関しては、実に絶妙なタイミングで『「ペニスを大きくするサプリメント」のスパム広告に注文殺到』というニュースを読んだ。要するに、反応するヤツがいるからSPAMがなくならない。別のニュースによると、「米国で反スパム法案が相次いで提案されている」そうだが、「悪徳業者がおとなしく従うはずもない」に決まっている。「スパムの内容を見てみると、彼らが標的とする平均的な米国民は、年配で、頭がはげかかっていて、体形が崩れていて、インポテンツで、無教養で、好色な人間が集まる出会い系サイトの利用で多額のクレジットカード負債をこしらえている、ということになるらしい」んだそうだ。SPAM業者はもちろん憎いが、これに反応したヤツにも罰則を作るべきだと思うね。断固、そう思う。

 Brightmailという会社の調査によると、「2003年7月にやりとりされた全電子メールの50%以上がSPAMだった」のだそうだ。はぁ・・・

 ・・・いや、ISP兼レジストラに怒っていたハズが、SPAM業者への怒りにすり変わってしまった。というか、両方、ムカつく。そもそもタコISP兼レジストラのせいで、SPAMを受け取る羽目に陥っているんだよな。

 それでどうなったかって? 約1週間、SPAMに耐えながら「ドメインの移転が完了しました」という通知を待った。しかし届かない。約10日後、「ドメインの移転が現在のレジストラから拒否されました」というメールが届いた。

 ・・・・・

 明るい未来を夢見て(???)SPAMに耐えた日々は、一体なんだったんだ・・・

 さて次はどうしてくれよう・・・。今のところ、妙案は浮かばない。バックオーダーとキャンセルを同時に行うという手も考えられるが、下手打ってドメインを他人に取られたりしたらもっとムカつく。どうしたもんかいねぇ・・・


 電子メールといえばウイルス(???)。なにやらここのところ、Sobigの亜種だのMSBlast(Blaster)だのって、ウイルス関連のニュースで大騒ぎである。もっともウイルス感染なんてのは、私にとってはまったくの人ごと。最近はウイルス付メールが届くこともあまりなく平和であった。

 ところがここにきて、ウイルスそのものではなくて、ウイルス警告メールに悩まされるようになってしまった。サブジェクトに「VIRUS」という文字が入っているメールを開くと、まず間違いなくどっかの会社のメールシステムからの自動送信メールで、「あんたからうちの社員のアドレス宛に送られたメールにウイルスがくっついてたから門前払いしたよ」ってな内容が書かれている。

 ・・・んなもん、知らねーよ。あのさあ、今時のウイルス付メールってのはさあ、ほとんどが差出人を詐称してるんだよ。んなの、常識だろ?! 喧嘩売ってんのかよ?!

 ったく他人を勝手に犯人扱いというかなんというか、とにかく失礼千万! 単なるウイルスメールより、よっぽど不愉快でイライラするんですけど・・・


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