2003.3.11の独り言

 飛行機の話の続きでも書こうかと思っていたのだが、やっぱり忘れないうちに「DSL顛末記」を完成させておこう。(前編はこちら

 実のところ、人間って本当に忘れっぽいというか、のど元過ぎれば熱さ忘れるというか、ゲンキンな生き物だなあと思う。特に私がそうなのかもしれないけど、今はすっかり快適な環境に慣れてしまい、実に豊かで幸せな気分である。中途半端な状態でさんざん待たされてあんなにイライラしたことも、課金だけはサービスが利用できるようになるかなり前から始まっていたことも、すっかり記憶の彼方である。我ながら呆れている。

 2月10日月曜日に開通する予定だったDSL。結局この週は14日の金曜日にUPS(私のDSL機器を失くしやがった配達業者)の苦情処理係みたな人から電話がかかってきて、「うちのアパートでは、あんたのとこの配達人は個別の部屋には配達しないよ。管理人の電話番号教えるから、彼に電話して聞いてみなよ」といったやりとりがあったところで終わり。

 翌週は水曜日まで出張で留守にしていた。念のため、普段は気にもしない留守電の応答メッセージに「水曜に戻ります」と入れておいたけど、なんの伝言もなし。木曜、金曜はなにか連絡があった場合に備え、日中はできるだけ電話回線を開けておく努力をする。結局、低速インターネットすら思うように利用できず、以前よりよっぽど不便な生活を強いられる。

 2月24日月曜日、すでに使ってもいないサービス料金を半月分も取られている計算である。業を煮やして、こちらからSBCに電話。いや、本来はこっちからもっとしつこくかけまくらなきゃいけないんだろうけど、私、電話かけるのってかなり嫌いなもんで・・・。(日本でピザ屋に出前を頼む電話ですら、できるものなら誰かにお願いしたいぐらいのレベル)

SBCの代表番号にかけ、機械のアナウンスに従って番号を何回か押して、こうした場合にかけるべきであると思われる担当部署を呼び出したら、出たヤツに「そういう話なら、この同じ番号にかけた後、オプションを○番、○番、○番と選んで」と言われる。素直にその通りかけ直してみたら新規申し込みの部署に繋がり、時間を無駄にする・・・。実は10日の週にSBCに電話した時も、「そういう話なら、こっちに」と違うオプションを教えられ、時間を無駄にしたことがあったっけ。SBCのスタッフは応対は概して丁寧なんだけど、「ったく、頼むよ〜!」って感じである・・・

 この日何本目かの電話でようやくまともに調べてくれる人にぶつかった。曰く「残念ながら、UPSはあなたの荷物を発見できなかった」。・・・あのねぇ・・・、んなこと改めて言われなくったってわかりきってるっての!!! 問題は「これからどうするのか」なんだっての! なんでこっちから電話するまで放っておくわけ?! あれ以来、日中はインターネットも思うように使えない不便な生活に耐えてきたのに、この態度は一体なんなんだよ!(いやまあ、だから、こっちから何度もしつこく電話してせっつくべきだったんでしょうけどねっ・・・)

 この担当者、うちのアパート以外にどこか荷物を届けられる場所があるか、と聞いてきたので、近所の友人宅の情報を伝える。はらはらしながら待つこと3日余。27日の木曜日にブツが友人宅に到着。ようやくようやく、ようやく!!! 待ちに待ったDSLが使える♪♪♪

 最初こそ、勝手にインストールされるツールやら勝手に変更されるブラウザのスタートページやらにイライラし、気持ち悪くて死にそうになり、(SBC Yahoo!のDSLサービスなので)My Yahoo!のログイン情報まで変えてくれちゃった時には気が狂いそうになったり、どーやってハブ経由で接続するんだよ(安くあげるためにルータはオーダーしなかった)と試行錯誤したり、まあそれはいろいろと悪態ついたり迷ったり悩んだりもしたけど、関係ありそうなツールやcookieを片っ端から削除したりして、ほどなく元通りの設定でインターネットできるようになり、めでたしめでたし♪ 自分のメーラーを使ってSBCのサーバを経由した電子メールの送受信ができないとか、サービス内容に関してはいろいろと問題点疑問点はあるものの、そもそも新しい電子メールアドレスなんていらないし、ダイヤルアップ接続用のSo-net(日本でも使えるので)も解約してないからSMTPはそっちのを使えばいいし、とりあえずは満足している。

 なによりも電話をかけるために落ちなくて済むようになったのが、とてつもなく嬉しい♪ もちろん電話待ちでインターネットに接続できない、なんてこともない。速度は大して速くないと思うけど、それでも56kよりははるかに速いので今のところこれで十分である。さんざん苦労したこともすっかり忘れ、すでにまるでずっと前からこの環境だったような気分になって、心地よく生活している。

 ところで今までは、自宅の電話は発信専用だった。親しい人間には携帯の番号を教えてあるし、かかってくるのはセールスか間違い電話ばかりなので、出ることはまずなかった。DSLが開通してからは友人にも「携帯の入りが悪いから自宅にかけて」と伝えているので出るようにしているのだが、もちろんセールス電話が減ったわけではない。切るタイミングを逃して延々と営業トークを聞かされる羽目に陥ったりすると、かなり苦痛である。

 そんなわけで、自宅の電話にも発信人番号表示がほしいなと思い、電気屋で安い表示装置を買ってきた。さて♪と繋いだはいいが、いくら電話をかけてもまったく反応しない。もしかしてDSLを使ってると発信人番号表示は使えないのか???などと思いながら、いろいろ調べたところ、どうやら発信人番号表示は有料サービスであるらしいことを発見する。

 ・・・・・・・・・・

 ああ、またやってしまった・・・。表示装置の在庫を求めて電気屋4軒も回った挙げ句に無駄な買い物して・・・。装置に電池が同梱されてなくて、他の用途には使いそうもない9Vの電池まで買っちゃったよ・・・。私って、つくづく「ぶぁ〜〜〜かぁ〜〜〜!!!」

 日本で発信人番号表示が有料だと聞いた時は、日本ってそんなことにまで金取るのか、と感心した(?)んだけど、実はアメリカも有料だったとは・・・。よく遊びに行く友人宅がみんな発信人番号を表示していることもあり、よもや有料サービスかもしれないなんて小指の先ほども考えてみなかった。アホ・・・>自分

 自宅でインターネットしながら電話できるようになり、そこに至るまでの半月以上の苦労のことなど一瞬ですっかり忘れて、なんだか生活レベルがワンランク上がったような浮かれた気分になっていた(我ながら、なんて単純)。さらに普通の電話も誰からかかってきたかわかるなんて、ますます生活グレードアップ♪♪♪ な〜〜〜んて勝手に夢を思い描いていたけど、とんだ間抜けなオチがついてしまった・・・


 3月はいいなぁ♪ 最高である。なにより、大嫌いな冬がようやく終わった!という感覚が最高。本当はもちろん8月が一番好きなんだけど、例えば7月になってしまうと、もうすぐにでも秋がやってきそうな気がしてすでに悲しくなってくる。だから今頃が最高である。

 ロサンゼルスの場合、気候的にも今が一番いいような気がする。雨期が(ほぼ)終わり、毎日暖かい晴天が続く。朝夕はまだまだ寒いけど、日中なんか下手すると真夏より暑いぐらいである。

 実は今年の2月で渡米丸10年なのだが、毎年この季節になると来たばかりで何もわからず何もすることがなかった日々を思い出す。2月にいきなり雨に降られまくって「こんなハズじゃなかった」と驚き、一転3月は「ロサンゼルスに日に焼けていない人がいるのが信じられない」などとバカなことを思いながら毎日のように海辺にローラーブレードしに行っていた。

 10年かぁ・・・。よくぞここまでたどり着いたもんだ。よくぞここまでやってきたもんだ。まさか10年後にここまで見事に夢に描いた生活ができるようになっていようとは、さすがにあの時は思いもしなかったよなぁ。
(・・・というか、あの頃は何も考えてなかったわ。ははは)


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