2002.6.3の独り言

 先週、約20年ぶりにカナダに行った。残念ながら観光ではなく仕事である。すぐ近くにある国立公園に足を延ばす時間もなかった(どころか、2晩目は寝る暇すらなかった)が、農地の光景は嫌というほど目にした。見渡す限り手つかずの大自然、という光景なら比較的見慣れているが、どちらを向いても地平線まで農地、という光景にはちょっと感動した。360度、地面の起伏も高い建物も高い木もなく、ただただ真っ平らであったことも感動を大きくした。「何もないこと」に圧倒される、という、非常に不思議な体験であった。

 あんなに北(あまりいい説明ではないが、北方4島の北端よりもっと北)なのに、非常に暖かいのにも驚いた。もちろん日によって温度の上下はあるだろうが、私が滞在した2日間はロサンゼルスより暖かいくらいだった。しかし、夜の短さから、やっぱりここは北の大地なのだと実感。深夜でも完全に暗くはならず、白夜に近いものがあった。

 ところで、アメリカからカナダへ入る際の入国審査は厳しいと聞いていたが、本当にうるさかった。仕事に来たというと余計にうるさいと思い、国立公園を見に来たと言ったのだが、こちらに知り合いはいるのか、どうして2泊しかいないのか、どこに泊まるのか、など、ねちねちねちねち聞いてくる。

 さらには、荷物まで開けてチェック。入国時に荷物を開けられたことなど、日本でもアメリカでも他の国でも(ゼロではないと思うけれど)ここ最近では記憶にない。たまたま鞄のポケットに入っていたクリアフォルダをまるで鬼の首を取ったかのように嬉しそうに(?)取り出し、中の書類を1枚1枚、本当にまさに「ねちねちと」といった感じで見ている。「国立公園に行く」と言ったくせに、それらの書類は仕事で行く場所の地図だったり、国立公園とは違う方向にあるホテルの予約確認書類だったりして、内心「マジかよ?!」と思いつつ、適当にごまかす・・・

 カナダの入国審査官が、一体全体、何を知りたいのか、何を探しているのか、何をそんなに疑うのか、本当に不思議である。カナダからアメリカに入る際にうるさいのならわかるが、なんでアメリカからカナダに入るのにそんなに厳重にチェックするのか、まったくもって理解に苦しむ。

 誰がわざわざアメリカからカナダに不法就労に来たり、カナダに違法に居座ったりするものか!!!

 一方のアメリカ。入国審査以前に、アメリカ行きやアメリカ国内線の飛行機に乗るまでが大変である。前にも話題にしたが、911以来、搭乗チェックは厳しくなるばかり。ホントに迷惑。

 アメリカから出る際は、搭乗前のX線検査も実におおらか。鞄を開ける必要もなかった。持っている荷物は同じなのに、アメリカに戻る便の搭乗前チェックのうるさいこと。エドモントンなんて田舎の空港で職員が暇だったのかもしれないが、2つの鞄それぞれに別の係員がつき、ランダムスクリーニング(参照)かと思うほど実に細かく荷物チェック。わざわざすべてのカメラにレンズを装着してスイッチを入れ、係員にファンダーを覗かせてやらねばならなかった。

 当然、ノートパソコンも立ち上げるように言われる。しかし、さすが私の持ち物だけあって(???)、困ったことに私のパソコン、搭乗前の検査が嫌いらしいのである・・・。搭乗前検査の時に限って、なっかなか立ち上がらないのである。持ち主の私でさえ、「あれ?」と不安に思ってしまうほど時間がかかる。もう何回もそんなことを経験しているから、係員に「時間がかかるんだよ」と言ったのだが、今回は「それにしてもかかり過ぎだろ。壊れたのか?!」と私でさえ思ってしまうほど、液晶がなかなか明るくならない。担当係員が別の係員に「これ立ち上がらないんだけど、どうしよう?」と、私のパソコンをもちろん無造作に荒っぽく渡す。声をかけられた係員が私のパソコンを、これまたもちろん実に無造作に荒っぽく受け取った瞬間に、ようやく液晶が明るくなった。

 ホテルから空港まで遠い上に飛行機が早朝発だったせいで、前夜は仕事が終わった瞬間にホテルをチェックアウト、3時間以上運転して空港に到着した。一睡もしていない状態で、まず航空会社のカウンターで約30分、次に(早朝だったせいで)搭乗エリアのゲートが開くまで約20分、と、小刻みに待たされた。同じ場所で長時間待たされたのなら寝ることもできたが、居眠りもできなかった。挙げ句のX線検査である。そらもう、もともとめっちゃくっちゃ不機嫌だった。そこへもってきて、良かった機嫌も悪くするような不愉快な検査・・・

 「だから、(立ち上がるのに)時間がかかるって言っただろ〜っ!」と、係員をにらみつける。私はよほど不愉快そうな顔をしていたのだろう。係員はしつこいほどに「Thank you」と繰り返していた。

 あと、いつも思うんだけど、液晶が明るくなった瞬間に「はい、もういいよ」と、早く電源切れよ、ラップトップ閉じろよ、という顔で言われたって、起動途中で止められないっての! 私が知る限り、係員の態度は8年前から何も変わらない。誰でもパソコンくらい使ったことがありそうなご時世になったのに、なんであの荷物検査のとこで働いてる人たちってのは、未だにそのくらいのことがわからんのだ?! 研修でもやって教えておけよ! ついでに、パソコンってのは高価で、なおかつ衝撃に弱いってことも教えておけよ!

 空港に着いた時にはあんなに眠かったのに、ようやく待合室でまとまった時間ができた時には腹が立って目が冴えてしまっていた。そこで、一度は終了したパソコンに電源を再度入れてみた。・・・・・。どう考えてもさっきよりずっと早く液晶が明るくなった・・・

 家に帰ってから、時計を見ながら電源を入れてみた。液晶は15秒で明るくなった・・・。X線検査の後では、いつも60秒くらいかかってる気がする。エドモントンでは、多分90秒以上かかった。

 何なんだろうなあ、私のパソコンって・・・


 今回の仕事は、取材した内容(写真&レポート)をその日のうちに会社に送るタイプ。デジカメのお陰で作業自体はかなり楽にはなったが、モデムでの画像送信に相当時間がかかるので、仕事が劇的に早く終わるようになったというわけでもない。

 と思ったら、2件目に利用したホテルには高速インターネット接続サービスが用意されていた。これは仕事にかかる時間を劇的に短縮してくれた。

 私にとって最も重要な作業は電子メール送信なのだが、部屋のパンフのどこにもSMTPサーバのアドレスが書いていない。接続サービスを提供している会社に電話をかけ、この会社のSMTPサーバを利用できることを確認し、アドレスを聞いてから、フロントに利用を申し込んだ。

 私が普段使っているプロバイダは、自社以外のAPから接続してもSMTPを使わせてくれない。ジャンクメールの踏み台にされないためにもそういうシステムにしているプロバイダは少なくないだろう。最初からパンフにSMTPサーバのアドレスを書いておいてくれれば早いのに。接続会社に直接聞く前にまずフロントに問い合わせたら、「こいつは一体、何が知りたいんだ・・・???」という顔をされたけど、他の人はどうしているのだろう?

 それはともかく、初めて利用したホテルの高速インターネット接続は実に快適。試しに前夜2時間かけて送信した画像を自分宛に送ってみたら、ほんの数秒で送信完了してしまった。すごい!

 あまりに高速に送れるもんで、ついつい調子に乗って取材した画像を厳選せずにたくさん送ってしまい、「そんなにいらん」「受信すんのが大変なんだよ」と会社から迷惑がられた・・・(アホ・・・<自分)

 ところで、試しに自分宛に送った合計10MBを超える画像、もう5日も経つのに未だに戻っても来なければ届きもしない。あのファイルはどこへ消えたのだろうか・・・??? 送信時には、何のエラー表示もなかったんだけどな・・・


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