99.12.9の独り言

 今回は、オランダ話の続き・・・

 土曜日は、朝のうちは相変わらずの「どぉ〜んより」天気。9時頃には、激しい雨まで降っていたのだが、やんだと思ったらオランダに来て初めての青空が顔を覗かせる。この日はアムステルダムまで行くが、晴れたら晴れたで太陽がやたらと低いのでまぶしくて非常に運転しにくい。サンバイザーを降ろしても、太陽が低すぎてちっとも助けにならない。常に片手で太陽を遮りながらの運転となる。緯度の高さを感じる。

 日曜日はちょっとしたイベントがあり、終日ホテルの近辺で過ごす。前日ほど晴れてはいないが、そこそこ暖かくて穏やかな一日。ようやく時間ができた夜中の1時頃、食事できる店を探して車を走らせる。しかし、アメリカや日本じゃあるまいし、日曜の夜中に開いてるレストランなんて、あるわけない・・・

 「もうえぇ〜わい!」と、ガソリンスタンドに付属の小さなスーパーで買い物。しかし、さすがに欧州(?)である。本当に小さな店なのに、各種のチーズ、ワイン、ソーセージ、ハムなどが売られていて、酒と肴に全く困らない。体に悪そうなアメリカンなジャンクフードの種類は非常に少ない。オランダ在住の友人曰く、「オランダ人って、パンとチーズで生きてる。子どものおやつは果物で、昼食はパンだけ」。確かにほとんどデブを見かけなかった

 ホテルの部屋に戻って乾杯。チーズも美味しいし、ワインも超安物のわりに悪くない。昼間かじったパンやベルギーで買ったチョコレートの残りも合わせて、十分に美味しく満足できる小宴会となった。確かにオランダ、何もない田舎なんだけど、何でもあるように見えて何もないアメリカと、どっちが豊かなんだかわからん・・・と思った。

 オランダは本当にパンや乳製品が美味しかった。普段は朝食など食べない私も、朝の7時に起きてホテルのプールで泳いだ後、がしがしと朝食を食べた。ぱりっとしたクロワッサンは絶品だし、他のパンも美味しい。バイキングスタイルのホテルの朝食のラインナップも、チーズやハム、生肉のソーセージ、レバーペーストなど、欧州ならではの品揃え。オランダ在住の友人曰く、「日本のパンでも、不味く感じる」。そんなこと言ったら、アメリカなんて・・・。美味しいのはベーグルくらい・・・?

 初日の話でも少しふれたが、この季節のオランダは日の出が非常に遅い。朝は8時くらいまで真っ暗である。小宴会がお開きになりかけたところで時計を見てびっくり仰天。外が真っ暗だから気づかなかったが、なんとすでに7時半であった・・・

 とりあえず風呂に入って(大きな湯船に浸かれる機会は滅多にないので、こんな状況でもシャワーじゃなくて風呂に入りたかった (^^ゞ...)「少しでも」と寝ていたら、右足をいつになく激しくつってしまった。半分眠ったまま、あまりの痛みにしばらくのたうちまわる・・・ (_ _;;;...(この右足のふくらはぎ、その後数日間、痛かった・・・)

 1〜2時間ほど寝た後、ほとんど眠ったまま荷物をまとめて、どうにかこうにかチェックアウト。昼過ぎに空港で日本行きの飛行機を見送り、私はアムステルダム近郊在住の友人宅へ。

 友人宅では、「まずはインターネット」と挨拶もそこそこにパソコンを取り出す。しかし! 繋がらない・・・ (_ _;;;...。ホテルでの状況と大して変わらない。自分のパソコンを友人のアカウントの設定にしてみるが、やっぱり同じ・・・。電話が通じた瞬間に切られてしまう(ちなみにホテルの請求書には、こういう状態で無駄に使った電話代の請求が延々と並んでいた (_ _;;;...)。かくなる上は、友人のアカウントから送るしかない・・・!

 どうしても早急に送らねばならないメールがあったのだが、本文はかなり長い。友人のパソコンにフロッピーで渡そうとしたが、友人宅にはフロッピーディスクがなかった (_ _;;;...。友人が会社に電話し、同僚にフロッピーを1枚、帰宅する途中で届けてくれるよう頼む。

 ようやくフロッピーが届いたものの、ナント! 友人のパソコンのフロッピードライブが壊れているようで、なんとしてもフロッピーを読まない・・・ (_ _;;;...

 万策尽き果てた。ダメもとで再度、自分のパソコンから接続を試みたところ・・・繋がるじゃないか!!! まったくもって、頭が痛い・・・

 友人曰く、「ああ、そういうことって、よくあるよ」。要するに、オランダの電話の回線品質が極端に悪いとか、プロバイダ側の受けが極端に弱いとか、そういう問題のようである。もしかするとホテルからも、100回に1回くらいは繋がったのかもしれない・・・

 何にしても、ようやくメールを送信できてほっとしたところで、夜のアムステルダム観光に出かける。夜のアムステルダムで見るところといったら・・・そう、かの有名な「飾り窓」地帯くらいである (^^ゞ...。いや、なかなか面白かった。

 翌朝は、あわただしく友人に別れを告げ、すでにお馴染みの(?)スキポール空港へ。あまりに簡単に入国できてしまったオランダなのだが、出国審査もパスポートをざっと見ただけで終わり。「本当にこれでいぃ〜んかい?!」と思ったのだが・・・

 ご存じのように航空券には、通常は搭乗口と搭乗時刻が書かれている。搭乗時刻は、出発時刻の30分前であることが多い。ところが、この時もらった搭乗券、搭乗時刻が出発の1時間半も前になっていた。えらい早いな、と思いながら、搭乗口に向かう。

 今まで利用したことのある空港は、憶えている限り、複数の搭乗口がある搭乗エリアに入る段階で手荷物検査などがあり、内部での移動は自由であった。スキポール空港の場合、個々の搭乗口の手前に検査場があった。そうだよね、いくら何でも手荷物検査もなしに飛行機に乗れないよね。

 ところでこの検査、並じゃなかった・・・。職員が10人くらい待機している20畳ほどのエリアに、譜面台のようなものが複数立っている。乗客は、この台のところに1人ずつ呼ばれ、職員と1対1で、延々と「尋問」される。それはもう、根ほり葉ほり・・・

 何しに来たのか、いつ来たのか、どこに泊まったのか、何をしていたのか・・・。オランダで行ったレストランの領収書や、博物館に行ったなら入場券の半券などあるか・・・。「オランダに友人がいる」と言ったら、「それは女か、男か?」に始まり、友人の住所や電話番号、勤務先まで聞かれた。仕方ないので、馬鹿みたいに「ベルギーにも行ったんだよ。ムール貝を食べに」とか、「海にも行った。(どこの海か聞かれて)ハーグの・・・」などという内容まで話し、まるで親しい友人に旅の報告をしている気分。

 これ以上、何も報告することはないよ!というくらいしゃべった。私の応対をした職員は、私のパスポート関連の書類から友人宅の電話番号が書かれた手帳まで持って他の職員(責任者?)のところに何か聞きに行き、ようやく解放してくれた。

 それから手荷物検査があり、やっと搭乗待合室に入れたのであった。

 あれは一体、何なんだ?! 何の目的で、あんなにネチネチ、いろいろと聞いてくるのか? 「尋問の意図」がまったく理解できない。逃亡中の犯罪者でもいて、厳戒態勢だったのか?(んなわけない (_ _;;;...)

 あんな経験は、他のどこの空港でもない。時間と人件費が、えらい無駄だと思う。

 帰りの飛行機はめでたく窓側の席が取れたが、隣の無神経な男の腕や足がこっち側に進出してくるのにムカつく (_ _;;;...。寝不足続きだったので、機内ではほとんど寝ていたのだが、起きていたほんの1時間の間だけでも、かなりいらついた・・・

 私は、自分のスペースの分の金を払ってんだよ! 私が買ったスペースにはみ出してくるな! そんなに広いスペースが欲しければ、もっと金払ってビジネスクラスにでも行きやがれ!


 ところで、飛行機は帰りもデトロイト乗り換え。往きの乗り換えもかなりギリギリだった。帰りの乗り換え時間は1時間半しかない。入国審査もある。チェックインした荷物も、1度ピックアップしなければならない。国際線のターミナルから国内線のターミナルまで、バスで移動しなければならない。当初から、ニューヨーク行きの便に乗り遅れるのではないかと心配だった。

 10月11月と、随分たくさんの飛行機に乗った。それらのすべてが、出発時刻が遅れたものまで含めて、予定より早く目的地に到着していた。ところが、オランダからデトロイトまでの飛行機に限って、到着が遅れやがった (_ _;;;...。風向きが悪かったのか、まさに「天に見放された」・・・? さらに、「病人が出た」とか何とかで、着陸してからも延々と機内で待たされた・・・

 ようやく機外に出れば、入国審査は長蛇の列。さらに私は、「仮釈放証明書」という特別許可による再入国なので、別室に行って特別なスタンプを押してもらわねばならない。えらく混んだ別室で、ダメもとで「私の飛行機は3時なんだよぉ〜! 早くしてくれぇ〜!」と叫んでみたが、やはり無駄だった。あっさり、「乗り遅れたら、次の飛行機に乗れば?」と言われた。

 もちろん、国際線から国内線のターミナルに向かうバス乗り場も大混雑。時間は刻々と過ぎていく。バスから降りたら、私の時計で3時3分。搭乗口まで走ったが・・・既に閉まっていた・・・。次のニューヨーク行きの飛行機は5時10分。そちらの搭乗口まで、長い距離をとぼとぼと歩く・・・

 当然、乗り遅れたのは私だけではなかったようで、ターミナル移動のバス乗り場で後ろに並んでいたおっさんたちも「俺の飛行機は、えっと、2分前に出発しちゃったよ、はっはっは」なんて会話をしていた。乗り遅れても、まったく意に介していないところが本当にスゴイ・・・アメリカ人。アメリカ人にとって国内線の飛行機なんて、バスや電車と同じ感覚なんだろうなぁ。

 次のニューヨーク行きの搭乗口で手続きをした後、「ところで私の荷物、どうなったか知ってる?」と聞いてみた。チェックインする荷物は、入国審査で1度ピックアップした後、バスに乗る前に再度チェックインする仕組みになっている。「大丈夫、同じ飛行機で行くから」とのこと・・・。バスから降りていくら走ったところで、私だけ間に合っても仕方なかったのね・・・

 夜の7時過ぎにニューヨークに着いてみれば、寒い寒い・・・。出発時のニューヨークは妙に暖かかったので、オランダが寒く感じたのだが、これはオランダどころじゃない・・・。外にいるだけで、かき氷を食べた時のように頭が痛くなってくる。カーディガンのフードとダウンジャケットのフードと、2枚重ねで頭と耳を防寒しながら、バスを待った・・・


エッセーのメニューに戻る
  • 次回の独り言に行く
    過去の独り言メニューに戻る
  • 前回の独り言に戻る
    トップに戻る