99.11.21の独り言

 1週間ほど西海岸へ出張に行ってきた。毎年11月にラスベガスで開催されるCOMDEXの取材である。私にとってラスベガスのCOMDEXは3回目、ほとんど年中行事の1つになりつつある。

 初年度はかなりきまじめに会場をいろいろと見たため、歩き回った足と重いカタログの山をかついだ肩が疲れた。しかし、この年はニューヨークに戻ってから原稿を書けばよかったので、精神的にはかなり楽だった。朝夕は、時間の余裕もあった。

 去年から雑誌の発行ペースが変わり、COMDEXの記事は現地入稿になってしまった。要するに、見たその日のうちに速攻で記事を書け、ということである。初の現地入稿という緊張感から、事前の準備はかなり周到にしていた。

 今年はといえば、自慢じゃないが事前準備はいっさいナシ。荷造りさえ、出発前夜に「やる気、起きねぇ〜」などと思いながら、たらたらやった。おまけにラスベガスでの最初の2夜は、日本から旅行に来ていた友人たちとさんざん遊んでしまった(日程が重なったのは本当に偶然)。寝不足状態のまま、日曜夜のゲイツ基調講演を迎えた。

 入稿は水曜の朝なので、こうなったら月火が勝負である。もちろん現場で写真は撮りまくらねばならないが、情報収集のほうはインターネットを活用し、疲労をできるだけ減らそうと思っていた。ウェブはもちろん、ほかのメディアや出展企業から送られてくる電子メールも貴重な情報源だ。

 ところで、Businesswireというニュース配信会社がある。かつては購読者のみに、衛星などを使って情報配信していた。最近では時代の流れか、Businesswireのウェブサイトに行けば誰でも情報を入手できる。

 このBusinesswire、COMDEXにプレスとして登録した人間宛に、ダイレクト(電子)メールを送ってきた。なんでも、登録すれば興味がある分野について、COMDEXの速報をメール配信してくれるそうな。「そいつは有り難いこった」と、早速、登録した。これが運の尽き・・・

 月曜の午後、取材の合間に一度ホテルに戻り、電子メールをチェックした・・・。「なにぃぃぃぃ〜〜〜?????」。メーラーが、受信中のメールの数は900いくつとか表示しやがる。当然、そんなに大量に受信しきれず、途中で受信が止まってしまった。夢でも見ているのかと、再度、受信を試みれば、今度は1500・・・

 既に受信したいくつかのメールを見た。Businesswireから、まったく同じ、意味のない内容のメールが大量に届いている。犯人はBusinesswireである。

 仕方なく会社に電話した。なんとメールサーバがダウンしており、社員全員、電子メールを使えなくなっていた。並のウイルスより、よほど質が悪い。ほとんどクラッキング行為である。そんなこんなでさんざん時間を浪費し、もちろん会社宛に来た電子メールはチェックできず。

 徹夜で原稿を書いた眠い頭の火曜朝。会社に電話したら、未だにBusinesswireから大量のメールが届き続けているそうな。とりあえずBusinesswireに苦情の電話をしてくれるよう同僚に頼み、朝一の取材に出かける。

 昼頃、いったんホテルに戻る。知らせておいた私の別のメールアカウント宛に、同僚のやはり会社以外のメールアカウントより連絡あり。何やらBusinesswireのシステムが暴走したとか。火曜の朝にシステムを止めたものの、それまでに送られてしまったメールは止めようがないそうである・・・

 同僚は、どうにもならないので私のメールアカウントを削除したいという。日頃、サーバの管理は私がやっている。目の前にサーバがあればともかく、こんな状態の経験もないし、遠隔地ではどうすることもできない。「はい、削除してください」と言うしかない。結論から言えば、アカウントを削除したために復旧がさらに遅れたのだが・・・

 結局、私が金曜の朝に出社して直すまで、サーバの不調は続いた。合計で何通の「クラッキング・メール」が届いたのか知らないが、約半日の間に1万通くらいのメールを送りつけられたのではないかと思う。うちみたいな小さな会社のサーバ、そんな事態に耐えられるようにできてないっつぅ〜の!

 私は4日分の受信メールを失った。特に3日間は、私のアカウント自体が存在しない状態になっていた。その間に私にメールを送った相手は、戻って来た「User Unknown」のお知らせを見て、私のアカウントは永遠に消えたと思ったかもしれない。どんなに重要なメールが来ていたか、知りようがない。誰が私にメール送信したかすらわからない。大量に購読しているメール配信ニュースだって、3日も「User Unknown」になっていたから、登録を削除されたかもしれない。どのニュースが来なくなったか確かめ、すべてを復旧するには、膨大な時間と労力がかかる。

 うちの会社は、当然、Businesswireに補償を求めるようである。私の怒りも、どうにも収まらない。個人として苦情を申し立てる文書を練って、弁護士をやってる友人に見てもらうことにする。

 ったく、ふざけんのもいい加減にしろよ!!! このクソ忙しい時に・・・


 今回の出張、航空券はロス往復にしてあった。ロスとラスベガスはレンタカーで移動し、最後の夜に1泊だけロスに泊まった。この1泊、ロスの友人のパソコン購入につき合い、初期化して日本語版Win98やらOffice2000やらを入れて各種設定して終わった。内蔵モデムをなかなか認識しなくて、すっかり遅くまでかかってしまった。

#私って、結局どこに行っても同じことしてるのね・・・

 帰り、ロスの空港に少し早めに到着。無事に航空券を受け取り、列を離れたところで座席が窓側じゃないことに気づく。予約の時から「窓側」ってリクエストしてるのに。日程表に印刷されてる座席と違うじゃないかぁ・・・。しかし、今さらカウンター前の長蛇の列に並び直す気にならないし、いつものようにその場で確認するのを怠った私が悪い、と諦める。

 搭乗口に着くと、10時出発のハズが9時出発と掲示されている。そういや、搭乗開始時刻がやけに早いなぁ、とは思ったんだ。出発が早まったのか・・・???

 よくよく見れば、便自体が予約してたのと違うじゃないかよ。40便を予約してたのに、搭乗券は2便だよ・・・

 あぁ〜、もう、面倒くさい! 深く考えるの、よそう! ちゃんとニューヨークに着くんなら、何でもえぇ〜わい!

 それにしても、予約と違う便の搭乗券渡すなら一言くらい何か言えよ。万が一、待ち合わせとかしてたら、どうすんだよ・・・


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