99.7.2の独り言

 自慢じゃないが、はっきり言って私はまったく社交的ではない。それでよくまぁ、こんな仕事をしているもんだと自分でも思うけど、取材に行って初対面の相手にインタビューをするのも、実はとっても苦手である。(相手がプロレスラーとか、個人的趣味に関わる場合はちょっと別だけど)

 プレス向けパーティーなどでも、出展企業の人にはもちろん質問もするのだけれど、他のプレスからは「話しかけられないといいな」と思っている。こういったパーティーでは、取材の合間に飲み食いしている時が一番危ない。私は1人で資料を見たり今聞いた話をメモしながら、飲み食いしたいんである。

 先週のPC EXPOのパーティーでは、いつになく話しかけられてしまった。「どこのメディア?」なんて程度の話なら普通にお相手もするのだが、延々と語られるとだんだん面倒くさくなってくる。特にPC EXPOの2日めの夜のパーティーでは、出だしから長話をする羽目に陥って、(会話の内容は非常にまともだったけれど)結構疲れていた。

 この夜は、最後に話しかけてきて2人が、特に最悪であった。

 最後から2人め。デザートを皿に取ろうとしていたら、そばにいた若い白人男が話しかけてきた。まずはお決まりの「日本人?」という質問。続けて「日本でも技術はこのくらい進んでるの?」ときたもんだ。しかも、思いっきり馬鹿にした調子で。こんな質問する時点で見識を疑うというか、無知もいいところだ。PC EXPOの展示面積に占める日本企業の割合がどれだけ高いと思ってるんだよ! 数はそれほど多くないかもしれないが大企業が多いので、日本メーカーが占める展示面積はかなりのモンである。それともこいつは馬鹿だから、ソニーとかパナソニックとか、アメリカのメーカーだと思ってるんだろうか?

 「先端技術は似たようなもんでしょ」と答えたら、「へぇ〜、そんなに進んでるんだ」と、さらに馬鹿にした言い方。ムカつくから「でも、アメリカの消費者は新しい製品を全然、買わないからね。日本の消費者は皆、新しい製品をどんどん買うから、消費者レベルだったら日本の方がずっと進んでるよ」と言ってやった。もちろん、真実だけど。

 こいつ、最後の最後まで人を馬鹿にした調子で「へぇ〜、そうなんだ。有用な情報を教えてくれて、どうもありがとう」と、嫌みったらしくぬかして去って行った。よほど、後ろから蹴りを入れてやろうかと思った。

 大体、アメリカで開発した技術とかいったって、ハイテクエンジニアはインド人と中国人ばっかじゃん! ハイテクエンジニアが足りなくて、そのためにビザ枠の拡大までしてるじゃねぇ〜かよ! 白人のくせに、偉そうにすんじゃねぇ〜! このドアホ! 久々に「ムカつくアメリカン」を見た。ニューヨークには少ないタイプだから。

 で、極めつけが最後に話しかけてきた、怪しいインド人(念のため、インド人が怪しいんじゃなくて、こいつが怪しかったんである)のおっさん。いきなり「日本人はキリスト教徒なのか、仏教徒なのか?」ときたもんだ。「日本人はクリスマスも正月も祝うし、寺にも神社にも行くし、ほとんどが無信教なの」

 このおっさん、「オウム真理教について、どう思う?」。「教祖(麻原)は正しい」だの「彼はシヴァの教えを広めようとしていた」だの・・・。シヴァとか言われたって、私は猪木信者なんだから(?)、んなもの知るか!

 大体ねぇ、「宗教と政治の話はタブー」というアメリカの常識を知らんのか?!

 このおやじ、さらに続けて「何歳?」だの「独身?」だのと聞き始め、極めつけに「彼女にならない?」などと言いやがった。悪いけど、はからずも鼻で笑っちゃったよ。

 このパーティーは珍しくデザートが充実していたのだが、そんなわけで早々に引き上げて帰ってきた。ああ、疲れた(_ _;;;...。


 私はキヤノンの製品が全般に嫌いである。好きな人には申し訳ないが、どの分野の製品も、使い勝手やコンセプトが、どうも私には受け入れがたい。(関係ないけど、ニューヨークのキヤノンの広報担当のF氏は、死ぬほど嫌いである。こちらの依頼を安請け合いしておいて、いつまでも返事が来ないから連絡してみりゃ、「バケーションで留守」ときた。どうせバケーション後に返事をもらっても間に合わない用件ではあったけれど、その後もいっさい連絡は来なかった。今でもこいつがニューヨークにいるのかどうか、知らないけど)

 私は普段、もう15年以上使っているマニュアルの一眼を持ち歩く。しかし、ここのところ、会社のかなり新しいキヤノンEOS A2Eを何回か使った。驚いたのが電池の減りの速さである。いくらストロボ撮影が多かったといっても、私が持っている単体のストロボだって、こんなに電池はなくならない。そもそも「オフにならない」液晶文字盤は一体何なんだ?! カメラをオフにしたら「オフ」と表示しやがる(要するに、液晶は常にオン)。呆れてウケてしまった。

 私がデジカメを嫌いな理由はいろいろある。消費者向けモデルの画質では印刷に使えないということもある。最新の超200万画素デジカメを試したわけじゃないが、レビューを見る限り、やはり条件の悪い撮影には弱そうだ。記録媒体だって、フィルムの方がはるかに扱いが簡単だ。どこでも買えるので、ほぼ無限に補充できる。

 一番大きな理由は、信じられないくらい電池の消耗が激しいことである。充電式ならまだしも乾電池しか使えないモデルなど、大量の乾電池を浪費することに罪悪感を覚えてしまう。特に仕事では、ストロボ撮影の割合が非常に高い。とてもじゃないけど私には使えない。

 しかし最近のオートの一眼、あんなに電池を食うんじゃデジカメと大して変わらない。一眼用のリチウム電池はやたらには手に入らないから、デジカメより不便かもしれない。ストロボだけじゃなく、測光だのフォーカスだのに電池を使うんだろう。ちなみにやはり会社の、古いミノルタのオートの一眼は、フォーカスは異様に遅いものの、同じように使ってもそれほど電池を消費しない。

 やっぱマニュアルが一番。オリンパスさん、お願いだからマニュアルの一眼を作るの、止めないでね。(あれ、ニコンも作ってたっけ?)


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