知り合って間もない人と話していると、自ずと「いつアメリカに来た」とか「これからもアメリカに住むのか」といった話題になることが多い。こういった場面において、結構な確率で「ご両親は何も言わないの?」といった意味のことを聞かれる。
いい歳した大人に向かって、両親もクソもないもんである。
幸い、うちの親は「帰ってこい」といった類のことは絶対に言わない。私は子どもの頃から母に「老後、あんたの世話になる気はない」と言われていた。私が「ロスに行く」と告げた時のエピソードも以下のようなものだった。
親と子は、まったく別の人格である。それぞれの人生がある。
もちろん、共同で事業をしている、どちらかの具合が悪く他方が面倒を見なければならないといった、いろいろなケースがあるだろう。しかし、私に「ご両親は何も言わないの?」と聞く人間は、決してそんなケースを想定しているわけではない。
子どもがアメリカに住みたいと思っている、親が日本に帰って来いと言った。それで子どもが日本に帰ったとして、いったい誰か幸せになるのか? 子どもはストレスが溜まり、ことあるごとに親に不満と恨みを抱く。親だって(よほど自分勝手で他人の気持ちを考えられない性格でない限り)、結局は不幸になるだろう。
同じ日本に住んでいたって、親子が必ず同居しているわけではない。親が北海道や九州にいて子どもが東京にいたら、時期によっては日米往復航空券代以上の帰省費用がかかる。アメリカに住むのが特別なことだとは、みじんも思っていない。
この「愚問」を私にする相手は、前述のようにほとんどが知り合って間もない人で、私の性格を理解もしていないことは、よくわかる。もちろん、相手にしてみれば「私に向かっては、初めてこの質問をした」のである。しかし、こっちは似たようなことを何度も聞かれ、いい加減、嫌になっている。悪いな、とは思いつつも、だんだん返事が邪険になってくる。
お願いだから、私にそういう愚問を投げかけないでくれ!!!
「アメリカで女1人で・・・」といった類のセリフも、比較的よく言われる。
#何、寝ぼけてんだよ!
#女1人で生きていくなら、日本よりアメリカの方がずぅ〜っと楽だっつぅ〜の!
ついでに、言われると「うるせぇ!」と返したくなるネタをもう1つ。時々、「化粧した方がいいよ」と言うヤツがいる。こういう輩、ご親切にも他人の日焼けの心配をしてくださっている。
私は普段はまったく化粧をしない。朝なんて、化粧する時間があったらその分、寝てる。食事の後、トイレで化粧を直し、汗をかいたら、また直し・・・なんてのも、考えただけでクソ面倒だ。化粧直しセットを持ち歩くなんてのも、うざったい。
誰かの結婚式やフォーマルなパーティーなどに出る際は、さすがに服装に合わせて化粧もするが、そんな機会はそうそうない。考えてみれば、この3年で化粧をしたのは1回だけだな・・・。
大体、私は異物を塗りたくるのが気持ち悪くて嫌いなんである。昔は、海で日焼け用ローションなどを塗るのも、気持ち悪くて嫌だった。一度、焼けすぎて病院に行く羽目に陥って以来、さすがに海に行った時は日焼け用ローションを塗るようになったけど・・・。
私は別に毎日、海に通勤しているわけじゃない。万が一、海に通勤してるんだったら、それはそれでとっても幸せだと思うけど、幸か不幸か、町中のオフィスに出勤している。ついでに、私はなかなか日に焼けない。だけど、「日焼けしたい」タイプの人間だ。夏など、真っ黒になるために相当な努力をしてしまう。普通に生活してるだけじゃ、焼けたくても焼けない。
紫外線で皮膚ガンになる可能性がある。だから何だ?! 気にする人は気にすればいい。私は、「大好きな夏は真っ黒に日焼けしたい」んである。(今年の夏は無理だけど・・・)
「化粧した方がいい」なんて言うヤツは、ほとんどがある年齢以上の男である。じゃ、あんたは毎日、日焼け止め塗って通勤してるのか?! もしそうなら、ついでに防塵マスクでも着用して通勤すれば? 専門家しか知らないような情報や、つい最近発表になった情報ならともかく、「紫外線で皮膚ガンになる可能性アリ」なんて超有名な情報を私が知らないとでも思うのか?! 日焼けの害と、有毒化学物質である化粧品を肌に塗りたくる害と、どっちがマシとか、あんた証明できるのか?!
余計なお世話とは、まさにこのこと。他人の心配してる間に、自分の腹の脂肪の心配でもしてろ!