99.6.7の独り言

 5月最後の週末、まさに音を立てて夏になったニューヨーク。前回書いたように、その週末に小川、村上両選手に会って以来、私の気分も夏真っ盛り(?)で超ハイ。高揚したまま、次の週末を迎えた。この週末はニュージャージー州で、両選手の全米ツアーの最後を飾る2連戦があった。

 1日め、私の「熱意に負けた」、プロレスの「プ」の字も知らない友人とともに、フィラデルフィアの南にある会場に向かう。ちなみにフィラデルフィアは、ニューヨークの南西に位置している。

 試合開始より1時間も早く、まだほとんど客のいない会場に到着。入り口を入った瞬間に両選手とばったり。「あ、こんにちわ(^^...♪」と軽くあいさつ。実はこの瞬間、私の後ろで友人は硬直していた。

 両選手が控え室に消えた後、友人「か・・・かっこいぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜!!!」。それまで「一体、私をどこに連れて行く気よ?!」といった雰囲気だった友人の目が、すっかり輝いている。忙しい彼女を無理矢理連れてきてしまった私は、「『つまんなかった』なんて言われたらどうしよう」と、内心不安に思っていた。良かった良かった(^^ゞ...。

 試合内容はプロレスページに譲り、すっかり楽しんだ帰り道。気分がどっか行っちゃってるせいか、道に迷ってなかなか高速に乗れない。ようやく高速を発見し、確かに「北行き」に乗ったんである。ああだこうだとしゃべりながらすいた道を走り、そろそろマンハッタンが見えるかな、と思われる頃。助手席の友人がいきなり叫んだ。「あの町並み、フィラデルフィアじゃなぁ〜い!!!」

 出発地点は、かなりフィラデルフィアに近かった。間違って南に行ってしまったのなら、とっくの昔にフィラデルフィアに到着しているハズ。しかし、我々はさんざん走った挙げ句、紛れもなくフィラデルフィアに着いてしまったのだ。「狐につままれたよう」とは、まさにこのことである・・・。

 仕方なくフィラデルフィア空港の近くで高速を下りてUターン。両選手の宿はフィラデルフィア空港の近くだ。「呼ばれてるのかな(^^ゞ...」なんて冗談を言っている場合ではない。

 ごちゃごちゃと走った後、どうにか無事に確かにニューヨークに通じる北行きの高速に乗り直した。友人が地図を見て、最初に乗った高速は一度北に向かってから大きく迂回して南へ戻る道であったことを発見。高速が転回する辺りで看板の1つも出してくれよ(_ _;;;...。(単に我々が見落としただけかもしれないけど・・・)

 既に時刻は12時を回っている。おのずとアクセルも踏み込みがちになる。友人に「東海岸って取り締まりとかやってるのかなぁ。全然、捕まる気がしないんだよね。西海岸だったら、絶対にこんな運転しないもん」などと話していた矢先、ルームミラーの中で赤燈が回っていた(_ _;;;...。

 車を停められ、違反キップをもらうまでにかなり待たされる。(すごろくで)「ふり出しに戻る」の次に、「3回休み」の目に止まってしまった気分(_ _;;;...。

 その先はさすがに制限速度+5マイル以内で走る。ようやくマンハッタンの灯りも見えてきた。

 ところで、マンハッタン島に帰るには、トンネルを通るか橋を渡らねばならない。マンハッタン島の西側がニュージャージー、東側がクイーンズ。我々はニュージャージー側(西側)の南からマンハッタンを目指していた。

 2人とも、マンハッタンの中心部に出るミッドタウン・トンネルを通って帰るつもりであった。しかし、気が付いたらマンハッタンの北端に通じるワシントン橋の看板が現れた・・・。「えええ??? 一体いつ、トンネルへの分岐を過ぎたの?!」「トンネルへの看板なんて、あったぁ?!」

 「今日はあまりにもいい男、見ちゃったから、2人とも他のモンが見えてないんだよ」「今の私たちの目は節穴なんだね」「それにしても、節穴にも程があるよね」「まぁ、トンネルより橋の方が景色もいいし、夜景でも見ながら帰ろう」

 マンハッタンの西側にあるアパートまで友人を送り、私はそのまま東に走り出した。ふと気づいたら、私は東側の橋を渡り、クイーンズに着いていた(_ _;;;...。せっかくなので(?)クイーンズで給油してからマンハッタン東側の自宅に戻った。

 「節穴にも、程がある」


 2日めの試合も無事に終わり、名残を惜しみながら(私が勝手に惜しんでただけです)両選手と別れ、同行者を家まで送った。車を返そうと自宅近くのレンタカー屋に行ったところ、既にオフィスが閉まっていた。うちの近所は飲食店が多く、夜など車を停める場所を探すのに非常に苦労する。さんざん近所をぐるぐる回り、ようやくスペースを見つけて車を停め、家に帰った。

 翌朝、車を停めた道・・・がナント! 歩行者天国になっている! お祭りのような感じで、車道には出店がいっぱい。当然、夕べ停めた車はどこかに消えている。

 血の気が引く・・・。「スピードの次は駐禁かい?!」「でも、だって、今日がお祭りだなんて知らなかったんだもん!!!」「そんなこと、夕べからどっかに書いてあったかぁ〜〜〜?!」「レッカー先が遠かったらどうしよう。車返さなきゃいけないのにぃ(; ;...」。いろんなことが頭の中をぐるぐる回る・・・。

 道路閉鎖をしていた警官を捕まえて訪ねる。私はよほど不安そうな顔をしていたのだろう。警官はまず、「車は単に移動しただけで、違反じゃないから」と教えてくれた。言われた異動先(近くの他の道に路上駐車)に行き、無事に車を返却。ああ・・・あせった。

 それにしてもまぁ、盛りだくさんな2日間だった。私は張り切りすぎて夜もおちおち寝られなかった。なにやら疲れたし、何故か体の変なところが痛い。おまけに1日めの試合中、写真撮影に夢中になって、リングに上がるための階段に思いっきり右足をぶつけてコケた。膝からスネにかけて巨大な青アザができた。

 何で私が疲れてるんだ(_ _;;;...
 何で私が筋肉痛なんだ(_ _;;;...
 何で私が負傷してるんだ(_ _;;;...


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