99.1.3の独り言

 光陰矢のごとし、と言うが、ついに1999年になってしまった。今までだって、新しい年が巡り来る度に「月日の流れはかくも速いものか」と思ってきた。しかし、ついに1999年になってしまったというのは格別の感慨(?)がある。

 別に今さらノストラダムスがどうのと言う気もないが、小学生か中学生か、とにかく相当昔から私は勝手に「99年で今の形での地球は終わりだ」と思ってきたし口にも出してきた。さすがに99年が近づくにつれ、そんなことうかつに口にできなくなってきた。遠い未来のことだと思っていた99年に、ついになってしまったのか・・・。

 年が変わったところで、私のニューヨーク嫌いに変わりはない。家で起きている時間の大部分、うちの電話回線はインターネットに占拠されている。だから親しい人間には携帯の電話番号を教えてあるのに、またしても携帯に電話が通じない。買った直後と同じ症状。携帯から電話はかけられる。しかし、特定の電話から私の携帯に電話をかけると2回コールしたところで回線が切れる。電波が届かないのなら留守録になるはずだ。留守録にメッセージも残せないのだから最悪だ。何のために携帯、持ってるんだ?! これがまた、どうせ電話会社や特定の友人宅など、かかるとこからはかかるんである。本当にムカつく、ニューヨークの電話回線。

 うちの会社のファックスも、1年に3回くらいは使えなくなる。回線が繋がらなくなるのだ。先進国の主要都市で他にこんな信じられない状況に陥る都市があるのなら、知りたいものだ。

 壊れたままベッドの脇に置いてあった17インチモニタ。新しいモニタを安く手に入れたし、いつまでも置いておいても仕方ないので年末に諦めて捨てることにした。モニタを持ち上げた後の床にゴキブリの死骸(_ _;;;...。ニューヨークには、一体何でこんなにゴキブリばっかりいやがるんだよ? 下手するとすべてのパソコンやモニタの内部に入り込んでるんじゃないか? 次にパソコンを開けるのが恐ろしい。

 北海道出身の人の話によると、北海道では室内も電車も店も、暑いほどに暖房が入っているのだそうだ。翻ってニューヨーク。夜11時過ぎのバスにも、明け方4時の地下鉄にも乗ったが、暖房なんて全く入っていない。外はといえば、居酒屋にいる間に降った雨だかみぞれだかが道路に落ちた瞬間に凍り付き、歩道も車道もアイススケートリンク状態。車も人も滑りまくって怖い怖い。

 これだけなら「見上げた省エネ都市」と感動してやる。しかし、ニューヨークでは気温が10度を超えるとどこもかしこも冷房を入れ始める。ニューヨークの人間は冷房だけは気違いみたいに入れるくせに、暖房なんてこの世になくてもいいと思っているようだ。大体、冷房と暖房とどっちがエネルギーを使うと思ってるんだ?!(この論理も少々乱暴だが、元々エネルギーは「熱」だ。それを無理矢理冷却に使うのだ。5度温度を上げるのと下げるのでは、下げる方が格段にエネルギーが必要だろう)

 うちの会社は、この冬はずっと冷房を入れ続けることに決めたようだ。もちろん氷点下の風が出る訳じゃないから外よりは暖かいが、あれは紛れもなく冷房だ。99年の夏までに永住権が取れないとわかった98年12月、私はすかさず足下暖房機を買いに行った。実際、もっと早く買えばよかった。仕事はそんなに嫌じゃないが、私にとってあのオフィスに行くことは耐え難い苦痛だ。今までは夏だけ我慢すればよかったのに、何で一年中冷房に苦しめられなくちゃならんのだ?!

 99年・・・余程のことがない限り、今年中には永住権が取れる。こんな大嫌いな街にいる間に地球に終わって欲しくない。今年も7月後半から8月に日本に帰国するだろう。万が一終わってしまうのなら、せめて日本にいる間に、願わくば夏休みの終わり頃にして欲しい。間違ってもこんなとこで死にたくない。ニューヨークなんかじゃ、死んでも死にきれん!!!(と言って、独りで生き残ったりして・・・ははは)


 96年初夏に私が来て以来、比較的冷夏暖冬が続いていたニューヨーク。去年の夏が珍しく暑かったからなんとなく予感はしたが、この冬はどうやら本格的に寒いらしい。非日常である旅先が寒くても、自分でそんな場所に行ってる訳だし文句もない。寒いと言っても、0度を超えてさえいれば歩いて通勤もする。しかし自分が生活する日常空間が一日中氷点下というのはかなりつらい。他のアメリカの寒い都市と違って、ニューヨークは車で移動できないから生身の体を寒風にさらさねばならない。地下鉄やバスを使うにしても、外を歩かねばならない時間は長い。ついでに、この街には暖かい場所がどこにもない。

 日本にいた頃も、すきま風吹きすさぶ日吉のアパートでベッドの中にこたつを入れてひたすら春を待ったものだったが、今ほど春が待ち遠しいことも過去の人生でなかったかもしれない。春になったらなったでアパートの暖房が消え、本格的夏になるまでこれまた寒いことはわかっているのだが。あああ〜〜〜、もうとにかく私は1秒でも早くこんなとっから脱出したいのだ! ナンカの間違いで来週あたり、永住権がおりないだろうか(_ _;;;...。

 予想通り冬休みは一瞬で終わり、明日からまた会社に行くかと思うとお腹痛くなるほど憂鬱で、文全体がなんか暗くなってしまった・・・。


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