98.12.27の独り言

 いわゆる観光地や商業都市はどこもそうなのかもしれないが、マンハッタンも12月に入った途端、街中がクリスマス一色になった。公園の芝生は立入禁止になりオブジェが置かれ、道ばたの街灯や植え込みまでクリスマス用装飾が施されている。商店街の上空にはライトがつり下げられている。税金を使ってここまでやるか?!という感じだ。しかも、大して綺麗でないところが笑える。

 有名なロックフェラーセンターのクリスマスツリーも、初めて見た時は「どうしてこれがそんなに有名なの?」と驚いたほどちゃちだ。それでも周辺には観光客がひしめいている。ロックフェラーセンター周辺は、車の通行規制のみならず歩行者の横断歩道まで一部が閉鎖され、道は大渋滞。12月になると、周辺の街からも動員されるのか、無能な交通整理の警官が交差点毎に無意味に立っている。一体この街はクリスマスのためだけに存在するのか?と呆れる。この時期に訪れる観光客が落とす金は膨大なんだろうけど。

 日本風に言うところの「救世軍の慈善鍋」に相当する募金集めも、12月になると街中のそこここに立っている。バスは12月になると「スリ・置き引きに注意」の車内放送を始める。先日、出張の帰りにニューヨークに立ち寄った先輩は、旅慣れた人なのだが人混みでスリに遭ったと言っていた。国が変わっても、日本の師走と全く状況が同じなのが、何だか可笑しい。

 このロックフェラーのツリー、どうやら年を越えた頃から次の木の捜索に入るらしい。今年は98年初めに東海岸を襲った吹雪のために候補の木がのきなみ被害を受けてしまい、木選びは難航したらしい。なんと、ヘリコプターを使って周辺の州を上空から探してまわったそうだ。ツリー用の木はアメリカに原生していないので、郊外の私有地を探すという。で、98年は木をみつけるのに4月半ばまでかかったんだそうだ・・・。

 なんともコメントしにくいお話なんだが、私にしてみりゃ一言「あほくさ」。毎年、ロックフェラーのツリーのために何100万ドルかかるのか、誰が払うのか知らないが、その金それこそ「救世軍の慈善鍋」に寄付したら全観光客が寄付する金より多いんじゃないのか?!(そういう問題じゃない、という声も聞こえてきそうだが、現実的ですいません・・・)

 そんなこんなで世間が(恐らく)浮かれているクリスマスイブの24日、私は寝覚めが非常に悪かった。

 この冬一番の冷え込みとなった23日は日中も氷点下。ダウンジャケットのフードを被って耳がちぎれないようにしながら(?)アパートの部屋に帰ってきた。げげ・・・部屋が冷え切っている。以前も書いたかもしれないが、ニューヨークのアパートの暖房は集中管理で自分でオン/オフできない。よって、誰もいない昼間も暖房が入っていて、普段は帰って来ると部屋の中が暑いほどなのだ。一度脱いだダウンを再び来て震えながら暖房が入るのを待つが、一向に入る気配がない。せめて熱いシャワーでもと思ったらナント! お湯も出ない!!!

 てめぇ〜! ふざけるな!!! 殺す気か?!

 すかさず、10数年前真冬の北海道での川下り用に買って以来、オーロラを見に冬のアラスカに行った時も活用したポリプロピレンのスパッツとシャツを着た。さらに上からズボンはいて、靴下の中にホカロン入れて、Tシャツ着て、カシミヤのセーター着て、ダウンベストの上からダウンジャケット着て、椅子の上に体育座りして足にもジャケットが被るようにして・・・(_ _;;;...。

 大家に電話するも留守。おそらく全部屋の住人が大家に電話していたことだろう・・・。

 表を見れば、雪まで降り出している。仕方なくヤカンで湯を沸かし、蒸しタオルで洗顔(?)。ついでに、湯タンポ代わりにヤカンを抱いたりして・・・。一体この状況はなんなんだ?!

 シンシンと降りしきる雪の中、まるで雪山でキャンプしているみたいにだるまのような格好で、布団の上からダウンジャケットもかけて寝た。当然、寝心地悪いし、何度も目が覚めるし・・・寝覚めも悪いわい!!!

 朝になっても状況は変わらず。また蒸しタオルで洗顔。普段なら水で顔洗うくらい構わないのだが、はっきり言って私は顔を洗うのが下手だ。袖口やシャツの胸まで濡れてしまう(^^ゞ...。当然、ダウンジャケット着たまま洗顔できないし、氷点下の中で袖口やシャツの胸、濡らしたくない・・・。「今日の午前中で会社は終わりなのに、帰って来ても暖房ついてなかったらどうしよう?」と不安に陥りながら家を出ようとした朝9時前。おもむろに暖房が入った。お湯も出る・・・。

 要するに故障などではなく、人為的なミスなのだ。先日「台所や風呂場の修理をするから調子が悪いとこがあれば言ってくれ」という大家からのメッセージが留守電に入っていたっけ。工事だか点検だかに来た業者がシステムのメインスイッチを切ったまま帰ってしまい、朝になってようやく業者と連絡がついたとか、機械室の鍵を持って誰かが来たとか、そんなところだろう。暖房もスチームなので、暖房と給湯が一緒に止まってしまったと思われる。

 アメリカではよくあることだが、よりによってゲキ寒の日に・・・あぁ!ムカつく!!! あやうく「マッチ売りの少女」になるとこだったじゃないか・・・。


 私はある電子メールに掲載されていた広告を読んで、固まった。

===以下・転載===
あなたの町のコンビニで、世界に通用するオピニオン紙が手に入ります!
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 今年の9月、【産経新聞】は北京に中国総局を開設しました。なぜ産経には中国に総局が無かったのか、ご存じですか?。
 それは1968年に始まった文化大革命がきっかけになりました。当時、産経は中国の意に沿うような報道をせず、その結果総局長は国外追放されました。その後も総局の開設は許可されず、今年まで至りました。
 今でこそ文化大革命の誤りは一般に認識されていますが、当時日本のマスコミは文革を礼讃する報道で溢れていました。ひとり産経のみが、一貫して反文革報道を行い、その結果総局の開設は今年まで認められなかったのです。

公平中立な報道は現在でも引き継がれており、バランス感覚を欠いた報道が多い日本のマスコミの中で産経は世界から高い評価を得ています。

 今日のグローバルな環境の中、産経のお届けする情報は必ず皆様のお役に立つでしょう。ワールドスタンダードな新聞は町のコンビニにあります。
===転載・以上===(強調、筆者。他、全文ママ)

 呆れてモノが言えないとは、まさにこのこと。いくら広告だからって、ここまで大ボラをつくことが許されるのか? 「小林よりのり」の漫画といい、それまでに予備知識がなかった人がこれを読んでそう信じ込んでしまったとしたら、もう犯罪以外のナニモノでもない。

 中央公論社は読売に買われちゃうし、クリントンは軍需産業潤すことしか考えてないし、本当に嫌な世の中だ。いつ「天皇のための軍隊」や「日の丸特攻隊」が復活しても、全然おかしくない。

 ホーガンが大統領選に当選したら(しないだろうけど)、猪木さんみたいにイラク行って直談判して・・・くれないか、やっぱ・・・。


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