アメリカでは、サンプル商品のようなものが自宅にダイレクト・メールとしてよく送られてくる。郵便物などにはる差出人シールとでも呼べばいいのか、名前と住所がきれいな台紙に印刷されたシールが多い。これは、カタログ販売誌でもよく売られている。銀行からの自動引き落としが普及しておらず、公共料金やクレジットカードの支払いなどで郵便を出す機会が多いアメリカ人は、いちいち差出人を手で書くのが面倒なのだろう。 最近はどうなのか知らないが、私が日本にいた頃はこんなものが送られてきた記憶はない。
私の場合、ワープロでラベル用紙に自分で印刷したものを使っているので、買おうと思ったことはないが、送られてきたものは自作のものより見栄えがするので、これも有り難く使わせてもらう。たまに勝手に「Mr.」と頭につけられていて、使えないこともある。
ある時、ビタミン剤のサンプルが届いた。「気に入ったらお金を払って続けてくれ、気に入らなかったらお金はいらない」という、雑誌の定期講読依頼などにもよくあるパターンで、1ヶ月分が入っていた。どの途、ビタミン剤はよくお世話になるしと思い、半年分だったか、代金を送った。
ちょうど支払った最後の分を受け取った直後に、私は今の場所に引っ越した。随分と早くから郵便局に転送届けを出していたにもかかわらず、最初の1〜2週間は全く郵便物が転送されず、郵便局に3回も転送届けを出し直した。
まさか支払ってもいない7ヶ月目のビタミン剤が送られてくるとも思っていなかったし、いずれにしても転送されてこなかったから受け取ってもいない。しかし、しばらく経ってから、ビタミン剤の会社から1ヶ月分が未払いになっているから払え、と手紙が来た。「注文もしてないし、受け取ってもいないもん、なんで金を払わにゃいけないんだ」と書いて返事を出した。
そうしたら、つい先日、Collection Agency(借金の取り立て専門の会社)から手紙が来た。ビタミン剤1ヶ月分を払え、払わなかったらどうなるかわかってんだろ〜な、という意味のことが非常に慇懃に書かれている。たかが8.90ドルのためにここまでする会社には、呆れる。また、これっぽっちの額、「えぇ〜い、面倒だ」と払ってしまった方がよっぽど楽なんである。敵もそこがねらい目だ。(申し込んでもいないし、使ってもいないのに、しつこく毎月チャージしてくるMSNみたいだな。これは、文句を言うと「ごめんね」と返金するくせに、翌月にはまたしっかりとチャージしてくる。たかが5ドル、面倒だと思って放っておいている人が何万人、いや何十万人いることか。MSって、こういうところで姑息にも不労所得を上げているんである)
なんで払わにゃあかんのだ? 納得できないしムカつくから絶対に払わない! そんなことを友人と電話で話していたら、彼もMSNには怒っていた。さらに、彼は申し込んでもいない会員制カタログの会費をチャージされて文句を言ったところ、敵に「本人とは話してないが、家の誰かと話してOKをもらった」としゃーしゃーと抜かされたそうだ。「Collection Agencyまで話がいっちゃうと、面倒みたいだよ」と、嬉しいことも言ってくれたが・・・。
そういえば、1年以上前に駐禁の罰金が未払いだという通知が始めて来た。最初は「払ったじゃん」と思って、払戻し済小切手のコピーを送ったりしたが、それでもしつこく督促状が来る。最初の半年くらい、全く理解できなかったが、どうやら同じ時に同じ場所で2枚の切符が切られていた、ということのようだ。ワイパーには1枚しかはさまってなかったんだから、んなこと、知るか! これももかなり苦労したが、「納得できないのに、意地でも払うものか!」と戦い、最後はちょっとした偶然だったがうまく記録が消えたようだ。ここ4ヶ月ほど督促状が来ていない。油断はできないが・・・。
常に戦うエネルギーがないとアメリカでは生きていけない。
もうちょっと時間たっぷりに、久々に好きなこともいろいろできるかと思っていた三連休だったが、なんだか何もできぬままに終わってしまった。(しかし、OSのアップデートだけは無事、終了したから、まぁいいか(^^...)
最近、どうも面倒なことや迷うことが多くて、今ひとつ心の余裕がない。