2005.11.12の独り言

(前回からの続き)引っ越してからわずか1カ月半の間に、シロアリの大量発生2回にゴキブリ登場3回。さすがの私も、これには黙っていられなくなった。

 シロアリなんて、壁の内部に住み着いているものである。それを駆除する方法があるのかどうか、私は知らなかった。しかし、現に私は滅茶苦茶不便で不愉快な生活を強いられている。年がら年中、床やカーペットを気にして、いつでもシロアリの死体を片づけられるように掃除機は常に出しっぱなし。気分が悪いので掃除機のゴミパックは頻繁に交換、この費用だって馬鹿にならない。出る場所が寝室と台所なので、時には布団の上をシロアリが歩いていることもある。気が狂いそうに不快である。ジンマシンが酷くなりそうだ。例えどうにもならないにしても、一言言わずにはいられない。

 さて、現在の大家さんは、時にうざったいほどにいい人である。エジプト人だが、日本人が大好きだそうで実に親切。引っ越した直後など、数日おきに「何か問題はないか?」などと電話してきて、これがずっと続いたらどうしようかと心配してしまったほどである。というわけで、10月頭、大家さんから家賃の受け渡しについて電話がかかってきた際、例によって「何か問題ない?」と聞かれた私は、「シロアリ!」と答えたのであった。大家さんはシロアリが出ることを全く知らなかったようで、「へ?」という感じで、すぐには理解しない。私は思わず「シロアリ!」「シ・ロ・ア・リ!」と3回ぐらい繰り返してしまった・・・

 以前のアパートの管理人は、ショーン・コネリーみたいなおじいちゃんで、いい人はいい人だった。しっかし、なぁーーーんもやってくれなかった。歳だということもあっただろうけれども、建物が自分の持ち物じゃないことが大きかったと思う。管理会社所有の大規模なアパートの雇われ管理人(同じ敷地内に2棟と、近隣にもう1軒、合計3棟のアパートの管理人を、このおじいちゃんが兼ねていた)にとって、建物がシロアリに食われようと所詮は人ごと。なんらかの対応はまったく期待できないので言うだけ労力の無駄だと思い、前のアパートでシロアリが出た際は管理人に何も言わなかった。

 しかし現在のアパートは個人所有の小さな物件。さすがに個人オーナーは自分の財産が大事だと見えて(当たり前)、その後の対応は早かった。私が大家さんに知らせた2日後には、駆除業者が調査にやってきた。

 私は一応念のため、羽の生えた状態のシロアリの死体が台所の床に散乱している様子を写真に撮り、大家さんに見せてあった。階下には大家さんの妹が住んでいるのだから、シロアリが出ることを知らないわけがないと思っていたのだが、その写真を見た大家さんの妹は、確かにこれはよく見かけるがシロアリだとは知らなかったと言っていた。

 私の部屋の台所や寝室の窓枠などガタガタボロボロで、強く押したら崩れそうに食い荒らされている。シロアリによって空いた穴の奥で連中がうごめいているのが、外からも見えるほどである(穴の上からテープを貼って、できるだけ見ないようにはしてたけどね。ぅげげ・・・)。当然、敵は昨日今日に住み着いたわけじゃないだろうに、「知らなかった」なんて、実に暢気である。

 実際、大家さんにも、妹にも、何度も「教えてくれて、ありがとう」と感謝された。私って、このアパートの救世主じゃん。

 というわけで、10月下旬のとある日、シロアリ駆除が遂行されたのである。方法は、建物全体をビニールで覆い、毒ガスを注入するというもの。なので、室内にある食べ物や薬など、口に入るものは専用の袋で二重にパックしておかねばならない。もちろん毒ガス注入から数日間は建物に立ち入り禁止、ちょっとだけホームレスである。わずか数日間とはいえ、忘れ物をしても決して取りに帰れないと思うと、持ち出す物の荷造りにはちょっと緊張した。

 しかしこれでシロアリがいなくなるのなら、我慢するしかない。もちろん家全体に人間でも死ぬような毒ガスを充満させるのだから、ダニもゴキブリも建物内にいたあらゆる生き物が死に絶えるはずだ。実のところ、私としてはシロアリ以上にゴキブリが死に絶えるに違いないことが嬉しかったりした。

 駆除後、初めて自分の部屋のドアを開けるときは、ちょっと緊張した。部屋中にムシの死骸が散乱していたら、どうしよう・・・などと考えてしまったけれど、実際にはそんなことはなくてひと安心。他人が自分の部屋に勝手に「土足で」入り込んであれこれ作業をしたかと思うと、滅茶苦茶気分は悪かったけど、仕方がない。

 というか、んなこと、私が入居する前にやっといてほしかった! 今度引っ越す時は、忘れずにシロアリチェックもしなきゃ・・・

 それにしても、引っ越して2カ月以上も落ち着けないなんて、非常に「もったいない」気分である。何がどうもったいないのかと問われると答えに困るが、とにかくもったいない! この先、何年も住むつもりなら、数カ月ぐらいどってことないのかもしれない。だけど多分1年でまた引っ越すから、たった1年の居住期間のうちで2〜3カ月間落ち着けないって、やっぱりとにかく滅茶苦茶もったいない・・・


 一難去って、また一難・・・

 まあとにかく、アメリカ、特に私が住んでいるウェスト・ロサンゼルスというエリアのアパートは、平均して非常に古いんである。よって、トラブルは次々と発生する。

 引っ越してきた当初から、玄関ドアのノブが内側から回らないことが、時々あった。部屋に閉じこめられた状態で一瞬あせるのだが、これまでのところ、ノブを必死でがたがたやっていると、どうにか開いた。それに最悪、台所にある裏口から外に出られる。外から鍵を使った際に開かないということは一度もなかったので、そのうち潤滑油でも差しておこうと思いつつ、油断して放置していた。

 ・・・とある金曜日の午後4時前。山のような買い物荷物を抱えて帰ってきたところ・・・ドアが開かない・・・。完全にノブが壊れた・・・。鍵は回るがノブが動かない・・・。マジかよーーー!!!(というところで、またまた続きは次回に)


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