引っ越しにまつわるネタの3回目。今回は、住所変更や移転手続きがあまりうまくいかなかった系のお話。
ガスの閉鎖&開通。ガス会社は、数年前からウェブサイトで支払いができるシステムになっている。なので、ガス会社のウェブシステムは比較的信用していた。引っ越し日までかなり余裕のあるうちに、ウェブサイトから「旧住所の閉鎖15日、新住所の開通16日」と、オーダーした。ブラウザのポップアップウィンドウで「受理しました」というような内容が表示されたので、当然オーダーは通っているものと思っていた。
しかし16日の昼頃になり、フト不安になってガス会社に電話してみた。・・・ところ、そんなオーダー受けていないと言われる・・・。嫌な予感、的中。ガス会社の人「確認のメールは届いた?」、私「いんや・・・」。だって普通、ポップアップで確認ウィンドウが表示されたら、当然オーダーは通ってると思うじゃん?!
仕方ないので、その電話で「できるだけ早く」開通&閉鎖をオーダー。でも、一番早くて開通が19日、旧住所の閉鎖にいたっては25日になると言われる。たかがガスの閉鎖や開通に、なんでそんなに待たされるんだ?! しっかも、前のアパートはボイラー室からアパート全体のお湯が供給されていたけど、新居は各部屋にガスを使った個別の給湯システムがあるタイプ。というわけで、引っ越してから4日間お湯が使えず、スポーツクラブに行く際にシャンプーを持参する羽目に。
電話の停止と開通。ロサンゼルスには何故か昔から2つの地域(近距離)電話会社がある。しかしどちらかを自由に選べるというわけではなく、どちらの電話会社になるかは住所によって決まってしまう。管轄は複雑に入り組んでいて、住所を見ただけではどちらなのかわからない。アパートの管理人や大家に聞いて、初めてどちらの電話会社の管轄なのかがわかる。さらにおかしなことに、2つの電話会社の料金体系は結構違う。住人が自分で選択できない公共サービスなのに値段まで違うというのは、未だになじめない、謎のシステムである。
私がLAに来た当初(1993年)の電話会社は、Pacific Bell(PacBell)とGTEだったのだが、今はそれぞれSBC、Verizonとなっている(AT&Tを買収したSBCの社名は、近い将来、今度はAT&Tに変わるらしい。さらにVerizonもMCIを買収、サービスの低下が心配)。PacBellとGTEの時代は、料金体系もサービスも圧倒的にPacBellのほうが良かった覚えがあるのだが、PacBellがSBCになってから(馬鹿デカい会社になってから)サービスの質が大幅に低下。ここでは過去のトラブルについて触れないが、とにかくSBCに対しては不満たらたらである。
今回の引っ越しに伴い、電話会社がSBCからVerizonに変わった。SBCと別れられるのはうれしいけど、歩けるぐらい近所の引っ越しなのに、なんで会社が変わると電話番号まで変わっちゃうんだよ?! 違う会社の携帯間はもちろん、家の電話番号を携帯の番号に持ち込むことさえ可能な時代に、なんで?!などと、一応、Verizonへの開通依頼の電話でゴネてはみたけど、まあそんなこと、電話に出た人に訴えたって無駄だわな。向こうもきっと、んなこと言われて困ったことでしょう・・・。まあ心機一転ということで、Verizonによる新しい番号の開通は、引っ越した当日に問題なく完了。
問題はSBCである。このタコ会社に電話をかけると、実際の人間と話すまでにさんざん選択肢を選ばされた挙げ句、さらに延々と待たされる。その間に聞かされる保留音の合間に「ほとんどの依頼はインターネットで可能」というメッセージとSBCのURLがアナウンスされる。だったら旧番号の閉鎖をインターネットから依頼してやろうじゃないの、と思ったのが大きな間違いだった。閉鎖されるハズの18日になっても、電話がかかってしまう。仕方ないので(当該番号からかけたほうがいいかと思い)旧番号から(古いアパートから)SBCに電話をかけるのだが、5分ほど保留音を聞かされた後でいきなり回線がぶちっと切れてしまう。そんなことを3回ほど繰り返し、私もぶちっとキレてしまいそうになって、その日はギブアップ。
翌19日になっても相変わらず電話がかかる。今度は新居(Verizonの番号)からSBCに電話をかけたところ、前のアパート(SBCの番号)からかけた場合とは明らかに繋がるシステムが異なる。人と話すところにたどり着くまでの選択肢は少なく、待ち時間も短い。見込み客を優先してるってこと? とにかくまあようやく通じたので、旧番号の即日閉鎖を依頼した。
インターネットからの依頼が通っていなかった理由については、DSLの契約があったからとかなんとか、わけのわからないことをぬかしやがる。SBCのDSLなんて半年以上も前に解約してるし、そもそもそうならそうで、依頼を受理できないことを説明するメールでも電話でもよこしやがれ!(友人によると、SBCで電話とDSLを契約していた場合、一度に両方を解約することはできないらしい。DSLと電話、それぞれを別個の手続きで解約しないといけないらしい。そもそも電話契約がなかったらDSL契約もできないんだから、電話を解約したらDSLも自動的に解約されるのが当たり前だろう?! そのふざけたシステムは一体なんなんだ?!)
こうしてようやく旧番号は通じなくなったものの、SBCに対する精算は未だに完了していない。いったん次回分丸々の請求書が届いてから、後に日割り計算で返金を精算した書類が届く謎の非効率的システム。しかも、基本サービスと追加サービスの請求の締め日が違うため、追加サービスの精算書がまだ届かない。ったく、一体いつになったらSBCと完全に縁が切れるんだ?!
クレジットカードの支払いは、アメリカではつい最近まで小切手を郵送して行うのが普通であった。最近ではウェブサイトから支払い手続きを行えるカード会社も多いが、全てのカード会社が対応しているわけではない。
住所変更については、この支払い郵送の際に同封する用紙に記入して通知するのが一般的。これまではいつも、そうやって通知してきた。
今回は、当然と言えば当然だが、ウェブサイトから支払えるカードについては、住所変更もウェブサイトから行えた。しかし私が持っているカードの中に1枚、未だにウェブからの支払いに対応していないものがある。しかも、郵送する用紙を使っての住所変更もできないときた。この用紙に、各種変更については電話をかけろ、と書いてある。なんとふざけたシステム。住所なんて、電話でいちいちスペルや数字を言うより、紙に書いたりタイプしたほうがよっぽど間違いが少ないだろうが! 仕方なく電話をかけたけど、出たヤツがいかにも馬鹿っぽかった。後日、「住所変更を依頼されました」といった確認の手紙が旧住所宛に送られ、それが郵便局によって新住所に転送されてきたけど、案の定、新住所は思いっきり間違っていた。旧住所と新住所が合成された、あり得ない住所になっており、お陰で翌月の請求書は紛失。住所変更の電話をかけ直した上、請求書の再送依頼の電話までかけなければならない羽目に陥った。・・・ったく使えない!
DSLは現在、電話会社ではなく独立系プロバイダのサービスを使用している。1年間は解約しないという契約で利用料金の割引を受けている。早期解約をすると違約金を取られるので、VerizonのDSLを使うという選択肢もあったのだが、ひとまず同じプロバイダで使用電話番号の変更を依頼。これはもういくらなんでもインターネット接続のプロバイダなんだから、すべての手続きはインターネットで完了するっしょ! というか、頼む、お願いだから完了して・・・
当初、旧番号の解約から新番号でDSLが開通するまでには3週間ほどかかり、その間はダイヤルアップ契約に切り替わると(メールで)説明された。ところが旧番号の解約が終わった直後に150ドルの早期解約違約金が課金されて、かなりあせる。これについては、解約じゃなくて移転だってば!とメールで問い合わせたところ、珍しく迅速かつ適切な返信が届いた。曰く、新番号でDSLが開通したら、50ドルの開設手数料を差し引いて、残りはクレジットになるとのこと。手数料50ドルはなんだかぼったくりのような気はするけど、とりあえずほっと一安心。
それにしても3週間もインターネット難民なんて、勘弁してほしいなーと思っていたところ、意外に早く、引っ越して10日程度でDSLが開通するという連絡が来た。最大1.5Mbpsという、日本の人からしたら「それって本当にブロードバンドなの?!」というようなクソ遅いアメリカのDSLでも、あるとないとじゃ大違いである。わくわくしながら開通の日を待った・・・が、当日になっても全然繋がらない・・・
DSL移転に関しては、せっかくここまで1本の電話もかけることなく手続きが進んできたのに、結局やっぱり電話する羽目に・・・。それから数日間、毎日のようにテクニカルサポートと電話。向こうもリモートでいろいろやってくれているのは、モデムのライトが点滅するのでわかるのだが、どうしても接続できない。結局、電話ではどうにもならないということで、技術者がうちにやって来ることになった。そんな話をいろいろな友人にすると、移転に際して届いた新しいモデムでは繋がらず、古いモデムに戻したら繋がった、とか、○×のブランドのモデムはそういうトラブルが多い、とか、壁のジャックを交換したら繋がった、とか、それぞれのトラブル話が返ってくる。皆、いろいろと苦労してるんだよね。ということで、彼らの話を参考に、私も自分でできることを試そうと、SBCのDSLを使っていた時代のDSLモデムやらスプリッターを引っ張り出してきて、あれこれ試してみた。
結果、Earthlink(現在のプロバイダ)のDSLモデム+SBCを使っていた時のスプリッターという組み合わせで繋がった・・・! なんじゃ、そら?!って感じだけど、電話線やジャックが古いとか、そんな問題だったのかな。ま、なんにしても技術者がうちに来る前に目出度く繋がり、2週間のインターネット難民生活からようやく脱出。それにしても引っ越しって本当に疲れるし、ストレスが溜まる。荷造り、運搬、片づけが大変なのは、それはもう仕方のないこととして諦めるにしても、不必要なトラブル(必要なトラブルって、あるのか?!)が多過ぎる! 本来なら使わなくていいハズのエネルギーをやたらと浪費させられて、消耗してしまう・・・
ただでさえ各種手続きで面倒くさくて忙しい引っ越し。そういう時に限って、選挙までありやがった・・・。慌てて、在外選挙の投票用紙を日本の選挙管理委員会宛に郵送で請求。その際に同封する在外選挙人登録証の住所は、当然、古い住所になっている。なので、新住所をメモ書きして同封した。
数日後、日本領事館から電話があり、在外選挙人登録の住所変更は在外公館を通じてしかできないと言われる。私の投票用紙請求を受け取った日本の選挙管理委員会から、ロサンゼルスの領事館に連絡が行ったようである。
そして領事館から、在留届(日本の在外公館に住所を届ける。住民票の海外版みたいなもん)の変更届けの書類と、在外選挙人登録住所の変更届けの書式が郵送されてきた。在留届の変更はすでに郵送してあったのに、在外選挙人登録住所の変更届けをまた郵送。とんだ2度手間である。
結局、かなーりギリギリながら、無事に日本から投票用紙が届き、私が返送した投票は(おそらく)間に合ったハズ・・・。はぁ・・・。いろいろと、本当に面倒だよね・・・