2005.5.21の独り言

 私はアクセサリーをあまり身につけない。せいぜいピアスぐらい。その日の服装やTPOに合ったものを選ぶのが面倒くさいというのが一番の理由だが、他にもいくつか理由がある。指輪に関しては、これはもうまったく似合わない。この太い指に華奢な指輪なんかした日にゃぁ、ボンレスハムである。ネックレスは首がかゆくなるような気がする。アンクレットなんて論外、あり得ない。そもそも足に注目なんか集めたくない。

 それに、アクセサリーの種類を問わず、よく失くす。片方失くしたピアスが山ほどあるし、両方失くしたものも多々。実は過去に一度だけ、指輪を買ったことがある。生まれて初めて見てもらった占い師にアメジストを身につけていると良いと言われ、それでは、と素直にアメジストの指輪を買ったのである。できるだけ幅が広いデザインのものを選び、1年ちょっとの間、ほぼ毎日はめていた。しかし、ある日気付いたら失くなっていた・・・。いつどこで失くしたのか、まったくわからなかった。もういいや、そういう運命だったのだ、と比較的あっさりと諦め、私の指輪人生(?)は1年余で終了した。

 そんな私が、10年以上片時も離さず身につけているアクセサリーがある。私にとっては、アクセサリーというよりお守りである。93年に渡米して間もない頃、ある人からもらった金のチェーンで、本来はネックレスなのだが、私は左手首に3重巻きにしている。いつかアメリカ生活をやめて、日本へ永住帰国するような日が万が一やってきたら、その時はこのチェーンを外そうと思っている。そんな日は絶対に来ないだろうけど。

 もちろん他のアクセサリー同様、何度も失くし「そう」にはなっている。右手やものにひっかけて外れたことは何度もある。ひき輪(留め具)がダメになって外れてしまったことも度々だ。しかし不思議なことに、その都度、必ず外れたことに気付くのである。普通は気付くのが当たり前だろうと言われそうだが、他のアクセサリーがまったく知らない間に次々と紛失していることを考えると、これは決して当たり前なことではない。そしてその都度、プライヤーで直したり、ひき輪を交換し、左手首につけ直してきた。

 ところが! である・・・。水曜日の午後、スポーツクラブのサウナに寝そべりながら、突然、左手首にあるはずのものがないことに気付いたのだ。一瞬、頭が真っ白になる。意味もなく周囲を見回してみる。いつ失くしたのか、いや、いつまで失くしていなかったのか、一生懸命思い出そうと努力してみる。よくよく考えてみると、日曜日の夜にはすでになかったような気もする。でも、そんなに長い間気付かないことは考えにくいので、失くしてから1週間は経っていないだろう。

 プールで泳いでいる時だろうか? ベッドの中? シャワーを浴びている時に外れて下水に流れてしまった? 部屋のどこか片隅に落ちてるかな? 車のシートの下だったりする? 洋服を脱ぐ時に一緒に外れて、洗濯かごの中か? うーん、超能力がほしい! 今だけでいいから透視能力をくれー!

 家に帰ってから一通り捜索してみるが、あんな小さいもん、みつかるわけがない。きっと忘れた頃に出てくるさ、週末にシーツ換える時にみつかるかも。・・・いやいや、そういう巡り合わせだったのかもしれない、あれだけ大切なものが失くなったのだから、今は気付いていないけど、きっと私の人生になにかもっと素晴らしい代わりのものが現れたに違いない(ほとんど、こじつけ)・・・。どう思おうと、なんと考えようと、失くしたものは仕方がない。みつからないんだから、どうしようもない。それでも時折思い出しては右手で左手首を触りながら、そこにあるべきもの、10年以上も変わらずにあったものがないことに、改めて悲しい気持ちになったりしていた。

 数日後の金曜日深夜、日付はとっくに土曜に変わった1時過ぎ。私はBeverly Hills Hotel(いわゆる、ホテル・カリフォルニア)のバーで飲んでいた。テーブルはほぼ埋まっていたが、カウンターには私と連れのみ。左の空席にバッグと上着を置き、今までに見た映画の中でどれが好きか、なんて話をしながら飲んでいた。

 そのうち、カウンターの客も増えてきた。それでは我々の荷物はまとめて右側の空席に置こうかと、連れが私の荷物を受け取るために手を伸ばした。私は連れに渡そうと、左側の空席に手を伸ばし、まずは上着を持ち上げた・・・

 !!!

 その持ち上げた上着の下に、背の高いカウンター椅子のシートの上に、無造作に置いたバッグの傍らに、あったのである! 見慣れたあのチェーンが、くたっと丸まっていたのだ。まるで降って湧いたかのように、それはそこにあったのだ・・・!

 まるで魔法か手品である。奇跡としか言いようがない。一体どこから出てきたのか、まったくもって謎である。

 その上着を最後に着たのは、いつだっただろう? しばらく前、少なくても2週間以上は前のような気がする。万が一、上着の袖やポケットにひっかかっていたのだとしても、そのタイミングで落ちるなんて奇跡である。金曜日だけ考えたって、何度も着たり脱いだり、車の助手席やレストランの隣席などいろいろな場所に置いたりしているのだから。ショルダーバッグにいたっては、毎日毎日ほとんど常に持ち歩き、あらゆる場所で置いたりかけたりしている。バッグのどこかにひっかかっていたものがあのタイミングで落ちたのだとしたら、もっと奇跡である。

 とにかく、本当に本当にほんっとーーーに奇跡と感動の再会だ。日本で生き別れた家族とブラジルでばったり出会ったようなものである(???)。いやだって本当に奇跡としか言いようがないんだから。どこから出てきたのか、まったくもって謎、まさに魔法である。

 とにもかくにも、再び会えたのである。また私の手元に戻ってきてくれたのである。学生時代から愛用しているVictorinoxのチャンプをすかさずバッグから取り出し、その場でひき輪を直してさっそく左手首に巻く私。こいつはこんなものを常に持ち歩いているのか?!と、目を点にして見つめる連れ。

 そして、まるで何事もなかったかのように、再び私の左手首に収まった金のチェーン。それにしても、不思議なことがあるものである。奇跡って、本当に起こるんだねぇ。


 最近の私の髪型は、伸び放題に伸びた髪をシンプルにポニーテール・・・である。アクセサリーを考えるのも面倒な私のことだ。もちろん、髪型を考えるのも面倒くさい。半端に短いと跳ねたりして大変だ。少し伸びた髪を結んでしまうのが一番手がかからない。それに、ほぼ毎日プールで泳ぐし、ということで、いつもポニーテール。

 しかし、あまり長くなってくるとやはり面倒くさい。長過ぎるとなかなかきれいに結べないし、寝ている時に自分の背中で自分の髪の毛を踏んで(ひいて?)しまい、頭を自由に動かせなかったりする。超間抜け。

 で、結局また自分で切ってしまった。ははは・・・。実に適当に、10センチぐらい。片側ずつ束にして肩から手前に持ってきて、ざっくりと。我ながら、まったく何も考えてない。もちろん(?)左右の長さが違うし、後ろから見るとぎざぎざ。まったく揃っていない。

 ま、別にいいや。ポニーテールにしてたら、わかんないもんね。髪を結ばずに外出できなくなってしまったケド。


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