遠い昔に登録して、かなり長い間使っていなかったインターネット関連のサービス。ふと思い出して利用しようとして、SPAMの多さに閉口して使うのをやめた古い電子メールアドレスが登録されていることに気付く。こういうことって、たまにある。 SPAM:勝手に送りつけられてくる価値のない不愉快なだけの電子メール。返信用アドレスはもちろん、文中に書かれたURLまで無効な場合もあり、文句の言いようがないばかりか、宣伝にすらなっていないことも多々ある。文句言うために「返信」すると、そのアドレスが生きていることがバレてしまい、逆にSPAMが増えるという話もある。
大抵の場合、登録アドレスを変更するためには元のアドレスで確認のメールを受信しなければならない。ユーザー名とパスワードがわかっていれば登録情報を変更できる場合もあるが、長い間使っていなかったサービスゆえ、まず間違いなくパスワードなんぞ覚えていない。どっかに残したはずのメモや記録も発見できない。パスワードをメールで教えてもらうために、やっぱり元のアドレス宛のメールを受信する必要がある。
本人の知らないところで勝手に変更されるのを防ぐためなので仕方ないが、元のアドレスをすでに使っていない場合、かなり困る。そのアドレスを提供していたサービスをすでに解約してしまっている時など、もう諦めるしかないのだが、自分ドメインのアドレスの場合は一時的に古いユーザー名(@の前の部分)を復活させたりする。あるいは、自分ドメインに届いたメールは@の前の文字列にかかわらず受信する設定に、一時的に変更する。
先日、こうした事情で一時的に古いアドレス宛のメールを受信した。いや〜、驚いた。 わずか数時間、復活させたただけなのに、そのわずかの間に10通ものSPAMが届いたのだ。
たぶんこのアドレスは2年ぐらい使っていなかったと思う。普段は「そんなアドレスねーよ!」という警告が返信される設定になっているのだが、SPAM業者の名簿に載ったままだったのか・・・。しかも、当時よりSPAMの数が増えてる・・・
かなり気持ち悪かった。いったんSPAM業者の名簿に載ってしまったら、永久にSPAMが送りつけられ続けるということである。まあほとんどの場合、SPAMに使われている返信用アドレスは存在しないアドレスだから、「そんなアドレスねーよ!」という警告をいくら返したところでどこにも届かず、無限のインターネット網の迷路をパケットのくずとなって永遠に彷徨っているのだろう・・・
日本では携帯宛の迷惑メールがかなり問題になっているらしい。それに比べたらインターネット迷惑メールの被害なんて可愛いものというか、ユーザー側での実害はほとんどないも同然かもしれない。それにしたって、実に不愉快である。そもそも、SPAMなんぞの内容をじっくり読んだり、商品やサービスに興味を持つアホがこの世に存在するのか?! 死ぬほど暇だったり、受信メールの数がよほど少なかったりすれば読むのかもしれないが、そんなヤツのアドレスが何年も前に作られたっきりの名簿に載ってるわけない。いくらメールの送信に金がかからないからって、無駄なことするなよ! せめて名簿の更新ぐらいしろよ。
意味もなく発信されるSPAMメール、どこにも届かない「そんなアドレスねーよ!」という警告メール。無数のこうしたメールがインターネット網の中をぐるぐる回っているなんて、とてつもないリソースの無駄である。ちなみに先月の米国マイクロソフトの発表によると、MSNのサーバには1日で24億通のSPAMメールが届くんだと・・・。ユーザーに与える実害が少なくても、サーバ側にとっちゃ被害甚大である。
ユーザーができることと言ったら、せめて今使っているアドレスが業者の名簿に載らないようにすることだけ。と言っても、ウェブサイトにアドレスを載せない以外の防衛策も思いつかない。ホントに無駄で無意味で気持ち悪くて不愉快。
ある月、使っている長距離電話会社からの請求書が届かなかった。1本も長距離電話をかけなかったとしても、基本料金は毎月かかるはずである。今月は届かないなあ、郵送途中で紛失しちゃったのかな・・・なんて思ってるうちに忘れてしまった。
しばらく経ってからふと思い出して、調べてみた。この月は、請求書が届かなかっただけでなく、引き落としもされていなかった。
アメリカに住んでいて、余分な金を取られることは多いけど(そして苦情を言ったり問題を解決するために余分なエネルギーと膨大な時間まで取られる)、こういうこともあるんだねぇ・・・。これはこれでなんかすごいというか、ある意味、余分に請求される以上にすごいかもしれない。