2002.7.15の独り言

 なんだかすっかり時間が経ってしまったが、完全に忘れてしまう前に、6月半ばに初めて行ったハワイに関する雑感など・・・

 米国本土の主要都市の中では、ロサンゼルスがハワイに一番近い。オフシーズンには、往復航空券とホテルがセットになった格安ツアーの宣伝をよく目にする。だからなんとなく「ハワイ=近場のリゾート」というイメージがあったのだが、近いったって他の都市から行くより近いというだけで、(世界地図を見ればわかることなんだけど)予想外に遠かった。偏西風に逆行して飛ぶ往きなど、6時間近くもかかる。ハワイは夏時間がないので、本土が夏時間になっている間は本土との時差が1時間増える。到着するまでそのことに気付かず、飛行中の最後の1時間は時計を見ながら「なかなか着かないなぁ」と首を傾げてしまった。

 飛行機の中では、入国カードのような書類を配られた。同じアメリカなのに、まるで外国に入る際のようである。片面は「動植物や生ものなどを持っていないか」という類の質問。これは島なので、まだわかる。しかしもう片面は、ハワイへは何回目か、どの島に何日滞在するのか、仕事か観光か、などなど、思わず「人の勝手だろ!」と言いたくなるような内容まで事細かに聞いている。記入内容によって島への上陸が拒否されるということはなく、単に観光局のアンケートのようなものらしいのだが、質問項目が多くて記入が結構面倒である。

 ところが、せっかく(?)書いたこのアンケート、どこで誰に渡すのかわからぬまま空港を出てしまった・・・。飛行機を降りてから空港を出るまでの間に回収している場面に出くわさなかったんだもん。だからこの書類は記念品として(?)未だに手元にある。よーするに、わりとどーでもいい書類なんだな。

 飛行機を降りた瞬間から感じる「まさに南国リゾート」な雰囲気。こういう、完璧リゾートな南の島は、本当に久しぶり。一体どのくらいぶりなのか、すぐには思い出せないくらい。先代のブッシュが湾岸戦争やってた時に行ったバハマ以来かもしれない。(当時はまだ日本在住だった私。もちろん狙って戦争中に旅行したわけではなく、旅行している間に戦争が始まった。ペルーはナスカのホテルのロビーにあったテレビで開戦を知った)

 なんかこう、島全体を包む空気そのものがリゾートしているというか、陽気で能天気。単に季候がいいというだけでは、こういう空気にはならない。ただそこにいるだけで、意味もなくうきうきした気分になってくる、リゾート特有のこの感じ。実にいい♪(仕事じゃなければもっと良かったのだが、一方、この仕事が入っていなければ私は未だにハワイ未体験)

 これも「ハワイ=南国の島」ならではの暢気さなのか。レンタカーを借りる際も、実に適当だった。レンタカー会社の会員として予約を入れてあったので、窓口に寄らずにいきなり車に乗り込めるのは他の土地でも同じなのだが、一度も免許証とか身分証明書の類を見せることなく駐車場から外に出られてしまった・・・

#本当にこれでいいのか?!

 ホテルで記者仲間と合流。私が「ハワイはこれが初めて」と言ったら、信じられないという顔で「ウソだろー?! 大学生の時とか、遊びに来なかったの?!」と言われる。

私「だって大学生の頃は、ケニヤとかガラパゴスとか行ってたから・・・」
記者仲間「・・・・・」

 実際、日本に住んでた頃、ハワイに行きたいなんて思ったことは一度もなかったもんね。

 この記者仲間はニューヨーク在住。ニューヨーク時代に、よく一緒に飲みに行った。まだ仕事がない初日の夜、彼とワイキキを避けて地元の人しか来ないような店に飲みに行った。カウンターでたまたま近くに座っていた地元の人たちと話し始める。ハワイじゃなくても、よくあることである。しかし、彼の言うことが相手に全然通じない。馬鹿にしたように「はぁ〜〜〜っん?!」と聞き返す、わかろうという気が全然ないアメリカンと違い、相手は理解しようとしてくれているのだが、それでも通じない。彼は「あれ?」という顔をしながら何度も言い直している。

 やっぱりニューヨークって特別だよな、と、改めて思う。ニューヨーク(この場合、特にマンハッタン)って「地元の人」がいない。そこにいる人は通りすがりの旅行者だろうと駐在員だろうと移民だろうと、誰でもニューヨーカーである。アメリカ生まれじゃない人の割合がやたらと高く、アナウンサーのような英語をしゃべる人のほうが少ない。だから、変な英語でもちゃんと通じるんである。あんなにどんな英語でも通じる場所は、全米で他にない。

 最終日(といっても、わずか3日目)の午前中は何も仕事がなかったので、オアフ島の周囲を回ってみる。Uターンしようとして路側の砂地にはまって動けなくなり、近くでキャンプしてた兄ちゃんたちに車を押してもらってようやく脱出したりしながらも、めぼしいビーチを一通り見て回った。ワイキキは湘南みたいで、おそらくあそこで泳ぐことは一生ないと思うが、いつか遊びに来た時は是非ここで泳ごう!と思ったいいビーチをいくつか発見。思わず我慢できずに、ズボンのすそを濡らしながら波打ち際を歩いてみた。カリフォルニアと違い、水がとっても温かくて気持ちよかった。


 すっかりハワイが気に入り、遊びに来た時の下見までしておきながら、でもきっとなかなか遊びになんか行かないんだよな。仕事だったら仕方なく(?)どこへでも行くんだけど、何もなければ何もないで平気でいつまでもぼーっとしてしまう。予定を立てたりするのが面倒くさいんだよね。ニューヨークに住んでいた時も、西海岸へ引っ越す前にバミューダに行っておこう!と思いつつ、結局行かなかった。

 その気になれば、大抵の場所へはぱっと行けるような、(金はなくても時間は比較的容易に作れる)実に贅沢な暮らしをしているくせに、ものぐさなんである。

 日本時代、5大陸をすべて(貧乏)旅行したくらい旅好きだった。アメリカに住み始めてからは、基本的に日米の往復しかしなくなってしまった。人生は短いのに、こんなことではいけない。

 ハワイに限らず、行きたい場所はまだまだ世界中にたくさんある。ようやくグリーンカードの現物も手に入ったことだし、いっぱいいっぱいいろんな場所に行かなくちゃな。


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