2002.2.20の独り言

 最近、名前を英字で書く際に、すべて小文字で書くのが流行っているらしい。英字で書かれた日本人の名前を目にする媒体といえば、圧倒的に電子メールだ。いつの頃からか、受信した電子メールの差出人欄に、全部小文字で書かれた名前を頻繁に目にするようになった。

 最初は英字に馴染みのない(?)日本人が無知から全部小文字で書いているのかと思っていたが、そうでもないらしい。アメリカ人でも、自分の名前を全部小文字で書いている人は少なくない。意識してみれば、映画のクレジット、CDのジャケットなど、そこら中に全部小文字の名前が氾濫している。

 世界中の事情を知っているわけではないし、そもそも英語圏以外の文法的常識も知らないのだが、少なくとも日米では名前を全部小文字で書くのが流行っている。

 ハンドル(匿名)の場合、全部小文字だろうとなんだろうと本人の勝手である。だけど、仕事で電子メールをやり取りする相手の中にも、名前を全部小文字で書くヤツが多いのだ。かなり首を傾げてしまう。

 百万歩譲って、自分の名前をどう書くかは本人の勝手だとしよう。しかし、頼むから私の名前まで全部小文字で書くのはやめてくれ。

 しばらく前に仕事関係で受け取った電子メール、差出人の名前も、私の名前も、さらには文中に登場する第三者の名前まで、全部小文字で書かれていた。はっきり言って、わかりにくいんだよ! 聞いたことも会ったこともないヤツの名前、文中でいきなり全部小文字で書かれたって、とっさに人の名前だと認識できないっての!

 一度など、文章の頭も小文字、自分を意味する「I」まで小文字という電子メールを仕事で受け取ったことがある。非常に読みにくく、わかりにくい文章を仕事の相手に送っている。私と仕事したくないのか?! 嫌がらせか?!(こいつの場合、単にどうすると大文字を入力できるのか知らなかったのかもしれないけど)

 英語は26文字しかない表音文字の組み合わせだから、ただでさえぱっと見て意味が取りにくく、ひらがな漢字カタカナ混じりの日本語より斜め読みがしにくい。少しでも読みやすく、わかりやすくするために、文頭や自分を意味する「I」、固有名詞(の頭)を大文字にするということになっている。頼むから、あんたの趣味で勝手に文法を変えないでくれ!

 自分の名前を全部小文字で書く友達に理由を尋ねたことがある。彼曰く、「なんか普通っぽくなくて格好いいじゃん」。これだけ氾濫してると逆に普通っぽいし、ちっとも格好良くない。悪いが、私には馬鹿っぽくしか見えない・・・

 (当たり前だけど)これは日本だけの話だが、自分の名字をひらがなで書くのも流行っていると思う。こちらは差出人欄ではあまり見かけない。電子メールの本文の最後に署名として、自分の名字をひらがなで書く人が多い。もちろん、仕事のメールでも。

 固有名詞のひらがな化は、日本全体で官民あげて流行っていると思う。ひらがなの名前の自治体が増えてるもん。なんとなく、小文字の流行と通じるものがあるような気がする。

 私、ひねくれてるからさあ、流行ってくると大嫌いになるんだよね。文章の最後のひらがなによる署名、以前は特に気にしていなかった。最近、やたらと目につくから、これもやっぱり、悪いけど私から見れば馬鹿っぽい。仕事の電子メールでは、やめたほうがいいと思う。

(大文字の固有名詞、漢字の名前、それこそみんなと同じじゃないか、と言うなかれ。それはそれが正式なのである。正式と流行は、全然違う)

 これまた百万歩譲って、頼むから、ひらがなは自分の署名だけにしてくれ! 勝手に人のこと、ひらがなで呼ぶな! こちらの名前の漢字がわからない場合は仕方がないが、先に送った電子メールに私が自分の名前を漢字で書いているのに、どうしてわざわざ人の名前を勝手にひらがなとかカタカナとか、時にはわざわざ英字に変えて書いたりするのか、まったく理解できない。

 余談だけど、メーラーの差出人欄に本名を全角英字で設定するのだけは、絶対にやめてね(ハンドルの場合は「ねらってる」こともあるだろうから、一概に言えないけれど)。これは「馬鹿っぽい」じゃなくて「単なる馬鹿」にしか見えない。一体、誰に読ませたいわけ? 英語環境しかないパソコンで全角文字を表示できるとでも思っているのか?! 全角使うなら、日本語で入力しろっての!


 今年の2月の前半は実に暖かかった。ほとんど暖房をつけずに済んでいたくらいだ。今年は雨もほとんど降らない。去年の2月、まるで日本の梅雨のように毎日毎日毎日毎日、雨ばかり降っていたのがウソのようだ。

 2月の後半に入り、最低最高気温とも多少低くなったものの、それでも例年よりは寒くないと思う。空気はてきめんによどんで、寒かった1月末には非常によく見えた遠くの山は霞んでしまった。それでも私としては、暖かいほうが嬉しい。

 これ以上寒くならずに冬が終わるように、ひたすら祈っている。


エッセーのメニューに戻る
  • 次回の独り言に行く
    過去の独り言メニューに戻る
  • 前回の独り言に戻る
    トップに戻る