2001.5.27の独り言

 ここしばらく、悪質な風邪にやられている。風邪なのかどうかもよくわからないが、とにかく喉をやられてしまった。

 具合が悪くなった時、タイミングよろしく複数の締め切りが重なっていた。熱もあったし、喉にいたっては「過去の人生でこんなに喉が痛かったことはない!」というほど痛かった。鎮痛解熱剤を飲むと少し楽になるが、薬が切れると途端に痛くなってくる。この境目が感動的なほど見事で、薬効がどのくらい続くものなのか、かなり正確に把握できた。

 もちろん、私の具合が良かろうと悪かろうと、締め切りの日時は変わらない。とにもかくにも最初の2日ほど、苦痛に耐えて必死で原稿を書き、限界に達するとしばらく寝て休み、目覚めるとまた仕事・・・という非常につらい状況に追い込まれてしまった。

 発病から3〜4日経った夕方、鏡に映る自分の顔を見て非常に驚いた。なんと、左目の白目が真っ赤なのだ。充血ではなく、出血。充血と出血、見かけがどう違うかというと、それはもう全然違う。充血は血管が拡張しているだけなので、白い絵の具に赤い絵の具をちょっと垂らした感じの薄い鮮やかな赤。しかし私の左目は、どす黒い赤で白目がすべて覆われている。白い部分はまったくなく、最初から赤い絵の具のみ・・・という感じ。

 これにはかなりあせった。喉の痛みも咳も発熱も、過去に何度も経験しているが、風邪で目の血管が切れたことなんて初めてである。何よりも、とにかく「怖い!」。自分で見ても、恐怖映画に登場する化け物のようで、非常に怖い。夜中にトイレに行き、洗面台の上の鏡に映る自分の顔が怖くて驚くという・・・

 咳も止まらないし、喉の痛みもひかないし、何よりこの目が怖くて病院に行った。どうやら咳のし過ぎで目の血管が切れることがあるらしい。心配はいらない、と言われてほっとしたが、顔が怖いことに変わりはない。この出血、なかなかひかず、私の目は3日ほど毒々しいままであった。4日目頃からようやく、上から徐々に白い部分が見えてきた。

 医者に行った翌日、前から予約してあったマッサージに行った。当然、「その目どうしたの?」という話になる。そこの中国人の鍼灸の先生曰く、「高血圧や便秘でも目の血管が切れることある」そうである・・・。これはかなり衝撃的であった。別に便秘しただけで血管が切れるわけもないので、力み過ぎて切れるということなのだろう。

 多分あまりいないとは思うが、しかし万が一、私の目を見て「便秘(で力み過ぎたの)かな?」と思う人がいたら、すっごく嫌かもしれない・・・。鍼灸院を出ると、並びの新装開店レストランの前に入店を待つ人の長い列ができていた。私は思わず顔を伏せ、急いで通り過ぎた・・・

 医者からは大量に薬をもらった。咳止めの薬について、咳止め効果は強いが眠くなる薬と、効果は多少弱いが眠くならない薬、どちらがいいか聞かれ、迷わず「強い方」と答えた。喉が痛かったり咳き込んだり苦しかったりで、長時間寝ていられない状態が続いていたから、その薬を飲めばたっぷり眠れるかと期待した。

 結果、確かに薬が効いているうちは眠れるが、見事に5時間で薬が切れて目が覚める。なんというか、睡眠薬の効果は果たしているのだが、咳はあまり止まっていない。薬が効いている間は咳をしても目覚めなくなったというだけで、半分眠ったまま咳をしているのが自分でなんとなくわかる。

 それにしても、何故に咳というのは夜になると出てくるのだろうか。ベッドに入らなくても、夜になると咳が出る。いっそ昼間寝たら、長時間安眠できるのではないかと思ってしまう。

 これを書いている現在、最初の症状が出てから9日目。目の出血痕は白目部分の1/4ほどに縮小。熱は消えた。鼻水も、こちらは医者の薬が見事に効いて、ほとんど出なくなった。しかし、相変わらず夜は咳き込んでいる・・・。仕事が暇だったこの1週間、溜まった雑用を片づけようと思っていたのに、結局ほとんど何もできず。療養期間で終わってしまった。

 しかしまあ、麻疹じゃなくて本当に良かった。何しろ10年前に風疹、5年前にお多福風邪になっている私、前々から今年は「麻疹の年」になるのではないかと恐れていた。しかも絶妙なタイミングで「大人の麻疹が流行っている」という日本からのニュース。おまけに発病する直前5日間ほど、仕事で日本から来た10人ほどのスタッフと一緒に動いていた。麻疹になる条件は揃っていた(???)。麻疹じゃなくて、ホントに良かった。


 ニューヨークで買った掃除機、アメリカ製とは思えないほど小型で、アメリカ製にしては珍しくキャニスター型なので音もそれほどうるさくない。ただし、少々、非力である。

 ニューヨークのアパートは、まず間違いなく(カーペット敷きではなく)床なので、非力な掃除機でも問題なく使えていた。一方、うちのアパートも含め、こちらのアパートの多くはカーペット敷き。ニューヨークから持ってきた小型掃除機のパワー不足をしみじみと感じつつも、まあ使えないこともないのでそのまま使っている。

 この掃除機のゴミを溜める交換式の紙袋がなくなったので、買いに行った・・・のだが、ない・・・。日用品屋(?)から大型スーパー、電気屋など、何件も回ったのだが、私の小型掃除機に合う「ゴミ溜め袋」はどこにも売っていない。

 ロサンゼルスであんな小型掃除機使ってるヤツ、いないからかなぁ・・・

 結局、メーカーのサイトにアクセスして、通販で買うことにした。たかが1枚1.50ドル程度のものに、5.50ドルもの送料払って・・・。仕方ない(?)ので、商品の金額が送料に見合うように、10枚も注文してしまった・・・


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