ウェブや電子メールを使ったカスタマーサポートとか、ナレッジマネジメントとか、オンラインサインナップとか、ウェブサイトからの買い物とか、まあいろいろある「インターネットを使った企業対消費者のやりとり」。これからはなくてはならないもの、企業と消費者の双方にとって便利、などと喧伝されるわりに、実はちっとも使えないどころか、逆に手間が増えたりする。
2月某日、長距離電話とISPを組み合わせた割引サービスの原稿を書いていて、私が使っている長距離電話会社SPRINTと、かつて使っていたISPであるEARTHLINKが共同で提供する割引プランをみつけてしまったのが運の尽きだった。少し前に受け取った電話代の請求書を見て、「たった2回、日本にファックスを送っただけで10ドル以上かかる」という事実に改めて愕然としたことも、伏線になっていた。
大手長距離電話会社を使い、アメリカから普通に国際電話をかけると、はっきり言って高い。安くかけるには、月々3〜5ドル程度の基本料金を払い、割引プランに加入しなければならない。私は日本に電話することは滅多にないので、国際通話の割引プランには加入していない。ただし、携帯電話もSPRINTなので、米国内長距離通話の割引プランは基本料金なしで利用できる。米国内長距離電話もそれほど頻繁にかけるわけではないが、こちらは基本料金が無料なので加入していた。
話戻って、偶然みつけた割引サービスは「SPRINT ANYTIME INTERNATIONAL & EARTHLINK」。内容は、EARTHLINKに申し込めば、SPRINTの米国内長距離および国際通話の割引プランを基本料金なしで利用できる、というもの。申し込みの方法は、オンラインサインナップ、もしくは電話。カスタマーサービス系に電話をかけたら、何分も(時には何10分も)保留音を聞かされることが約束されている。それなりの覚悟が必要だ。そりゃもちろん、オンラインサインナップを選ぶでしょ?
実際は、オンラインサインナップのサーバが滅茶苦茶重く、保留音並(?)に待たされた。まあ、電話と違い、待たされている間に他のことを普通にできるから、まだマシである。
ここで整理・・・。私がやりたかったのは次の2つである。
長距離電話会社を変えたわけではない。オンラインサインナップ時も「既存のSPRINT顧客向け」フォームを使った。それなのに翌日、「長距離電話会社を解約したでしょ? うちと契約しない?」というセールス電話がかかってきた。
普段は家の電話には出ないのだが、この時はなんとなく予感がして(?)出てしまった。しかも相手は因縁のMCIだったもんで、ニューヨークから引っ越してきた後の嫌な経験をざっと語って「そもそもSPRINTを解約してないし、だいたい私はMCIが大嫌いなの! 絶対にMCIは使わないの!」とまくしたててしまった。気の毒なMCIのセールス担当の兄ちゃんは、非常に小さな声で「お・・・おーけー・・・」と言って電話を切った。
「SPRINT ANYTIME INTERNATIONAL & EARTHLINK」では、EARTHLINKのメールボックスは1つのハズなのに、自分で設定したユーザーネームを使ったメールボックスの他に、「あんたのメールボックスが用意できたよ」というメールが5通も届いたことも気になった。メールボックス6つというのは、別のプランのような気がする。
まずは、EARTHLINKに電子メールで問い合わせた。EARTHLINKに限らないが、電子メールでの問い合わせに対して、役立つ返事が返ってくる確率は1/3以下。返信メールに「ここに電話して」って書いてあることもよくある。今回も、「メールを受け取ったよ」という機械による自動返信は届いたが、人間からの返事は来なかった
不安なので、結局、カスタマーサービスに電話をかけた。もちろん延々と待たされ、SPRINTとEARTHLINK、双方の担当者間でさんざん電話を回された。要するに、オンラインサインナップ時のトラブルで(確かにサーバの重さは尋常じゃなかった)、SPRINTとの提携アカウントではなく、普通のEARTHLINKのアカウントが作成されていたことが判明。言われる通り、ユーザーネームとパスワードを新たに設定し、アカウントを作り直した。
最初に電話で待たされるのを嫌ったばかりに、後から余計に手間がかかってしまった・・・と思った。先方が「できる」とうたっているサービスを利用したのだから、こちらが悪いわけではないが、過去の経験からこうなることは少なからず予想された。アメリカ素人(?)じゃあるまいし、甘かった。
なんにしてもこの時は、これで一件落着と信じた。EARTHLINKの接続も問題ないので、A社に契約変更を依頼するメールを出した。案の定、「ここに電話して」という返信メールが届いた。単純に契約変更だけしてくれるかと思ったのに、電話をかけたら「前のアカウントをいったん解約して、新規に契約する形になる」と言われた。セットアップ料金を改めて取られた上に、サーバに置いてあった100MBを超えるファイルも消去された・・・。別にエエわい・・・ふんっ。遅かれ早かれ、どのみちA社の契約は変更しようと思ってたしねっ。
さらに、SPRINTの契約まで、いったん解約して再度契約という形になってしまったみたいである(それにしても、速攻でかかってきたMCIからの電話・・・。そういうデータって業者にいっせいに流されるのか?)。SPRINTからは何故か3枚ものコーリングカードが送られてきた上に、「電話会社変更の意志を確認するために電話しろ」という手紙が届いた。
「変更してないっちゅぅ〜ねん!」と思いながら電話する。最初に出たオペレーター、とてつもなくやる気がなさそうに、かったるそうに応対する。手紙に書かれていたリファレンスナンバーとこちらの電話番号まで聞いておいて、「今、システムがダウンしてて情報を呼び出せない。担当者に直すように言うから、しばらく経ったらかけ直して。誰かが手続きしてくれるだろうから」とか言いやがった・・・。「誰かが」って、そりゃ確かにこっちは代表番号にかけるわけだから、次回あんたに繋がる確率は非常に低いかもしれないけど、それにしてもなんだよ、その言いぐさ・・・。昼時だったし、こいつは単にとっとと昼飯に出かけたかっただけかもしれない・・・
しばしの後にかけ直す。今度はどうやらシステムから私の情報を呼び出してくれたようである。先方曰く「私はVerification Departmentの○×です。現在のキャリアからSPRINTに切り替えるためにあなたの承認が必要です」・・・。試しに「今もSPRINT使ってて、単にプランを変更しただけなんだけど・・・」と言ってみた。「OK」と答えてひと呼吸おいた後、「私はVerification Departmentの○×です。現在のキャリアから・・・」と同じセリフを繰り返す。こういう人もたまにいるねぇ、九官鳥タイプというのか、なんというのか・・・。自分の担当以外のことには一切関わりたくないのか、知らないのか、面倒なのか・・・。だから現在のキャリアもSPRINTだってば!と思いつつ、もう私も面倒なので、2回目はそれ以上突っ込まず。素直に本人確認のための質問のみに答え、「SPRINTを選んでくれて、ありがとう」と言われて電話を切る。
それにしても、ウェブにしろ電子メールにしろ、「インターネットを使った顧客サポート」ってのは、ちぃ〜〜〜〜〜っとも使えない! 結局すべては電話しないと(しても?)解決しないんだから・・・
実は、話はこれで終わらなかった。長くなったので、続きは次回・・・
最近は日本の郵便事情も着実に国際化しているようではある。先日は、ドイツの郵便事情が非常に悪いという話を読んだ。郵便事情が悪い先進国は、アメリカに限らないらしい。
アメリカも、相変わらずである・・・
1月17日に送ったのに届かず、滞納料金を払わされる羽目に陥ったクレジットカードの支払い。この小切手入り郵便、もう消えたものと諦めていたら、2月15日になって届いたようである・・・。切手代が無駄にならなかったと、一応は喜ぶべきか・・・?
郵送で定期購読している週刊誌。時々、えらく遅れて届く。完全に消えことも、今の場所に引っ越してからだけで2回ある。
先々週も、届かなかった。先週に届いたのは、その週の分。つまり1号、抜けた。念のため週末まで待ち、それでも届かなかったので今週の月曜に再送を依頼する電話をかけた。そうしたら、その日の郵便で届きやがった・・・。数時間後に「やっぱり届いたから、取り寄せキャンセルして」と電話する時、妙に間が悪くて恥ずかしかった。