数年前、出張先のドラッグストアのDPEコーナーで、前に並んでいた客がプリントの一部を返品したのには、実に呆れて驚いた。この客、現像済みネガとプリントを受け取ると、いきなりその場で封を開けてプリントを見始めた。間違って他人のプリントを渡されることは少なくないので、その場でプリントを確認するのは確かに原則だ。だけどこの客、私の前に立ちはだかったまま、言い換えると店員を独占したまま、プリントを見ている。
確認なんて列から離れてもできるし、第一、1〜2枚見れば他人のものかどうかわかるはず。どうやらこの客、自分のものかどうかを確認しているのではないらしい。
そのうちこの客、いらないプリントをカウンターに投げ出し始めた。人物の背中しか写っていないなど、撮影時に失敗した写真を、1本のフィルムから5〜6枚も抜き出しただろうか。するとナント! 驚いたことに、店員がその分の値段を合計額から引いたのである!
同時プリントをやらせておいて、てめえで勝手に撮影に失敗したくせに、いらないからその分の金返せという感覚も理解に苦しむが、店側に返金するシステムが存在するのはもっと理解できない。
さすがに同時プリントの一部を返品している場面は、後にも先にもこの1回しか見かけたことはないので、その店だけの珍しいシステムだったのかもしれない。しかし、皆がフルに「活用」しているパソコン量販店(に限らないのだろうけれど)の返品システムも、私にはまったく理解できない。
自分で勝手に間違えて購入したものを、開封して、さらに使用(試用?)した後でも、返品できるのである。パッケージに間違いやすい説明が書かれていたとか、そういう正当な(?)理由はいらないらしい。間違えた、自分のシステムでは動作しなかった、うまく接続できなかったとか、そんな理由でいいらしい。いったんパソコンに接続してシステムをインストールした後のハードディスクでも、返品できるんだそうだ。
贈り物としてもらったものを返品する感覚というのは、さらに激しくとてつもなく著しく理解を超え過ぎている・・・。当然だがレシートもなく、値札や商品タグも外されてており、もっと言えばその店で買ったという確証すらないのに、どの面下げて引き取ってくれなどと言えるのか?! 私には死んでもできない芸当である。
さすがにこれには店側も苦慮しているらしい。先日、近くの日用品店で棚を買ったところ、普通のレシートの他に、右のような「ギフト用レシート」を渡された。今買ったものをプレゼントとして渡すなら、このレシートも一緒に相手に渡せというのである。
ギフト用レシートには、値段は書いていないが返品できる期限が書いてある。購入から90日以内に商品とこのギフト用レシートを持ってくれば、返品に応じてくれるらしい。
なんだかなあ・・・(皆、最初っから商品券でもプレゼントしてろよ・・・)
(2002.2.2)