それでも、自宅のエアコンなんてのは住んでる人が自分の出費で勝手につけてる訳で、他人にケチつける気も(ま、たまに「エネルギーの無駄!」とか「健康に悪いよ」とか言いたくなる程ガンガンにつけてる人もいるが)自分で買う気もないからいいが、絶対に許せないのが公共の場やオフィスの冷房だ。ちなみに、アメリカの冷房の設定温度は通常18度だそうである。信じられない・・・。
日本の最近のオフィス事情は知らないが、98年夏の印象では、とりあえず公共の場に限っては東京の冷房が寒すぎることはなかった。こっちは記憶の中の話だが、日本では電車も地下鉄も、春秋には窓を開けてさわやかな空気を取り入れていた。また、日本のエアコンは大変高機能で、除湿や換気など、温度を変えずに快適にする選択肢がある。
ここニューヨークは・・・冷房か暖房か、どっちかをどうしても入れなくてはいけないと思っているらしい。窓を開けて換気するというセンスは、ほとんど持ち合わせていないようだ。人々がコートを着ているような晩秋の地下鉄にも冷房、ようやっと寒さもやわらいでほっとしている春の始まりとともに冷房・・・。なんという無駄で不快なサービス!!!
うちのオフィスなど、室内は北極のようだ。しかも、空調の性能が悪く、空気の循環がない。角にある私の席は足下から冷え切ってしまうのに、部屋の中央近くは確かにあまり涼しくない・・・。フロアの中で一番冷えにくい場所も冷えるように冷房を入れると、私の席はとんでもないことになる。なんだって温度がやっと10度を越えた程度なのに冷房入れなきゃいけないんだ!!! んなに暑けりゃシベリアにでも住め! なんで気温を人間に合わせなくちゃいけないんだ?! 人間が自然に合わせろ!
暑いの嫌いな人間でも「でも、自分は寒いのは平気」というのなら仕方ないとも思う。しかし、ちょっとのことでいちいち大騒ぎするヤツってのは、寒けりゃ寒いで大騒ぎするのだ。てめぇ〜ら、単にわがままなだけじゃねぇ〜か。
空気を入れ替えたいというのはわかるが、窓が開かない建物の構造が何よりも悪い。さらに、アメリカのエアコンは本当にボロくて単機能なので、単純な換気や送風ができない。人工の風というのは非常に不自然で不快感を与えるので、屋外の20度は気持ちが良くても、無理に20度にした風をずっと送られ続けると暑く不快になってくる。結局、寒めに設定するしかない。
私など、最近ではすっかり会社の冷房拒否反応が体に染みついてしまった。冷房が入った瞬間に体の節々がじくじくと痛くなり、仕事どころではなくなる。外が寒くても、こんなことにはならない。
さらに、何でこんなに不快なのか考えたら、空気が重く湿っぽくなっていることに気づいた。冷たい洞窟状態だ。除湿どころか、加湿する冷房とは、さすがアメリカ製。ついでに、うちの会社のエアコンはまるで飛行機に乗っているようにゴ〜ゴ〜うるさい。体が不快な上に神経まで逆撫でされて仕事になりゃしない! 何もしないのが一番快適でさわやかな季節に、無駄なエネルギー使って、人を不快にして体調おかしくして、なんという無駄なところだ!
家庭用の小型エアコンに関しても、日本のようなデジタルでリモコン付きなんての、あるのかもしれないが私は見たことない。オフィスと同様、レバーを指でぐいぃ〜っと動かして温度を設定する原始的なもの。もしくは、床近くにデンと置き、昔のテレビのようにスイッチをガチャガチャとひねる、もっと原始的なものが多い。日本のような部屋ごとの冷暖房も少ない。1階でスイッチ入れたら誰もいない2階にも風がビュ〜ビュ〜。あぁ、無駄無駄!
個人的には冷房なんてもの必要ないと思っている。昔の人はそれでやってた訳だし、エアコンがなくなれば廃熱がなくなって街も少しは涼しくなるだろう。さらに、緑を増やせばもっと涼しくなるぞ!
(原文:96/5 加筆訂正:98/10)