タバコのお話

 最近、何かと諸悪の根元扱いされることの多いタバコの話。

 西海岸では猫も杓子もやれダイエットだ、フィットネスだ、ヘルシーだ、と大騒ぎ。タバコなんて有害物質の最たる物、とばかりに95年からカリフォルニアのレストランは全面禁煙。バー以外でタバコを吸っている人はあまり見かけなかった。バーにいてさえ、白人に「喫煙は日本の国家的習慣だ」などと嫌味を言われる。さらに、カリフォルニアでは98年からバーやカジノも全面禁煙。屋外でも公共の場における喫煙は違法になったとか、ならないとか。

 レストランで喫煙可能だった頃は、日本人というだけで「どうせタバコを吸うだろう」と奥の方の悪い席に案内されることがしばしば。これは、日本人は文句を言えない、と思われていることも一因だろう。

 ニューヨークでは、マンハッタンでも郊外でも、老若男女問わず、やたらと歩きながらタバコを吸っている。最初はかなり新鮮だった。

 西では、我慢できずにレストランの表に出てタバコを吸っているのは、オリエンタルくらいしか見かけなかった。東も主なレストランやオフィスは禁煙だが、外に出て一服しているのも老若男女人種問わず。なぁ〜んだ、みんなタバコ吸うんじゃないか。聖人君子さまを気取って、白人は誰もタバコなんか吸わないのかと思った。

 決してタバコを奨励するつもりはない。しかし、たいした頭もないくせに杓子定規に「健康」と言われる物を信じ、フローズン・ヨーグルトを山ほど食べている西のデブよりマシか・・・。

 個人的には、歩きながらの葉巻だけは勘弁して欲しい。

(原文:96/1 加筆訂正:98/10)