「ロスの車事情」

 アメリカでは、マンハッタンやサンフランシスコ中心部といった一部の街を除き、車無しで生活することは大変困難だ。ロスももちろん、車社会である。年取っていようが運転が嫌いだろうが、車無しでは買い物一つするにも苦労する。誰もが運転せざるを得ない。そのため、平均的アメリカ人は運転が非常に下手だ。

 とにかくとろい。信号が青に変わっても全然先頭が出発しない。誰もクラクションを鳴らさぬまま、再び信号が赤になったりする。来た当初は、「下手にクラクションを鳴らすと撃たれるに違いない」と思っていた。しかし、実際は単にみんなのんびりしているだけなのだ。2車線の道の両車線でトロトロと走られ、抜くこともできずにストレスが溜まるとこもよくある。

 タイミングを知らない。先がつまっているのだから、少し車間を空けて停車すれば横の車が出られるのに、平気でつめてブロックする。かと思うと、譲っているのにモタモタしていて全然出られない。

 周りを見ずに割り込み飛び出しをする車も異常に多い。日本のような狭い車庫入れやすり抜けは、彼らには絶対に不可能だ。

 東京で平日都内をガンガン走っていた私は、当初はロスでの運転が非常にストレスであった。日本にいた頃は車の運転がストレス解消だったのに・・・。今では諦めてのんびり走っている。

(原文:95/11 加筆訂正:98/9)