アメリカにはホームレスが、それは沢山いる。ただひたすら「小銭をくれい」と言って手を出している不届き者もいるが、かなりの者がスーパーのショッピングカートに空き缶や空き瓶などを山と詰め込んで押して歩いている。彼らはゴミ箱をあさっては、リサイクルで金になりそうな物を拾い集めて生活している。
無神経に捨てる人間が多い中、共存共栄というのだろうか。彼らの存在も貴重なのではないかと思う。ある時、日本人の癖で古紙を集めたはいいが持って行く場所がみつからず、仕方なく屋外のゴミ集積所に持って行った。タイミングよろしく、ゴミの中から紙を拾い集めていた人に遭遇。ニコニコと古紙の束を差し出す私に、彼は多少驚いていた。
そのうち私もものぐさになってしまった。まだ使えるが不要な物などは、ゴミ箱の横に置いておけばよい。ものの30分で誰かが拾って行き、勝手にリサイクルしてくれるのだ。
私の説明に、「バクテリアのような人たちですねえ」と言った後輩の言葉が印象的だ。
(原文:95/11 加筆訂正:98/9)