「アメリカの無駄・その2」

 とにかくここは使い捨て社会だ。年間に出すゴミの量はアメリカ人一人当たり日本人の約2倍、堂々の世界ワーストNo.1だ(94年資料)。日本にいた頃は「日本って何て無駄が多いぼだろう」「きっとアメリカ人はずっと合理的に違いない」と思っていた私の幻想は、無惨にも打ち砕かれた。

 使い捨ての皿やフォーク、スプーンが、日本よりよっぽど広く使われている。下手をすると、安いレストランではテイクアウトでも屋外でもないのにプラスチックの食器で食事をさせられる。食器洗いの人間を雇うより使い捨てにした方が安いのだろうが、何とも無駄な話だ。

 それに、アメリカ人は日本人のようにハンカチを持ち歩かないから、いたるところでハンカチ代わりに紙が消費され捨てられてゆく。どんなに汚い公衆便所でも、盗難防止用のロックをした上でペーパーはしっかり供給されている。オフィスでも裏の白い紙がどんどん捨てられ、日本風に裏コピーやメモに使っているところは見たことがない。

 おまけに収集されたゴミのなんと8割以上が、焼却もせずにただ埋め立てられている。いくら国土が広いからって、そりゃぁあんまりじゃぁないか。全米で一体どれだけの量になるのか、考えただけでゾッとする。

 こういうことって、先進国の義務だと思うのだが。

(原文:95/11 加筆訂正:98/9)