「全てがデカい」

 アメリカは土地にはじまり、とにかく全てがデカい。国土が狭く住宅事情も悪い日本では小型高性能というのが現代社会の基本だが、アメリカの企業に製品小型化の努力は要求されていないようだ。

 一説によると、アメリカ人は「コスト対体積」を計算するそうだ。同じ値段なら、大きい方がお得♪ というわけだ。肉じゃないんだから(_ _;;;...。

 最初に電話機を買いに行って驚いたのが留守番電話。日本では電話機一体型のものが当たり前だが、こちらでは電話機と別に置く弁当箱のようなタイプのものが今でも主流だ。かれこれ20年程前、我が家に初めてやってきた超初期型の留守番電話からまるで何も進化していない。省スペースという概念がないようだ。

 普通に写真の現像を頼むとハガキサイズにプリントされてくる。アルバムがどんなにかさばっても構わない住宅事情のせいか、はてまたあまり写真を撮らないからか。

 さらにポストイットまでデカい。普通に使われているサイズは8x8センチくらいの物。私が知る限り一番小さいもので8x5センチくらい。こっちの連中は、たかがメモのためにいちいちポストイットを使うのだ。私は附箋やページマーカーの用途に使うため、わざわざ細長くハサミで切っていた。

(その後、細長いポストイットも発見したが、少なくとも当時、ロスの文房具屋には売っていなかった。最も、ロスの文房具屋にはクリアフォルダすらなかった)

 本だって、日本の文庫本にあたるペーパーバックスはまず縦横のサイズが文庫本よりデカイ。さらに紙質が超悪いから1ページが分厚く、よって全体にとても厚い。オフィス用紙も日本のものより厚く、質が悪い。ワープロ用紙などという名称で日本でよく売られている薄くて表面がすべすべの上質紙は、未だにアメリカの文房具屋で発見できていない。結局日系の店で日本からの輸入モンを買う羽目に陥る。

 最後に、未だにVHSフルサイズカセットの家庭用ビデオカメラを売っているのは驚愕モノだ。日本では家庭用ビデオカメラは「DV」らしいが、「一体DVって何?」

(原文:95/11 加筆訂正:98/9)