99.2.10の独り言

 さすがに風邪の方は、会社にいるとたまに鼻水が出てくる程度に回復した。なんとなく、寒いニューヨークに体が慣れたというのか、今の状況に諦めがついたというのか・・・。多少、間抜けになってしまったが、テキサス出張のお話の続き。

 今回は「テキサス・走り周りの旅」とでも言うくらい、たくさん走り回った。毎日、4時間は高速を走っていた。返す返す、借りた車が小さいことが悔やまれた。近所を走り回るなら小型車でもいいのだろうが、小型車で延々と高速を走っているとひどく疲れる。ハンドルはぶれるし、タイヤなんか笑っちゃうくらい小さいし、ホイールベースも短くて、全然快適に走れない。同じ時速75マイルでも、ここ何回か借りたシボレー・マリブだったらメーターの針は真上より少し右に振れた程度だ。今回のメトロだと、針は力一杯右に振れて、目盛りの終わりに近い。

 ヒューストンからダラスに移動。到着した日のダラスは暑いくらいの天気だったが、翌日の夕方には冷たい風が吹き始める。車のラジオでは「今夜は雨か、もしかしたら雪が降るかも」なんて言ってる。ひぇ〜、ダラス、おそるべし。どうせ今夜はサンアントニオまで移動だ。逃げろ逃げろ、南へ逃げろ。

 サンアントニオも思ったほど暖かくなかったが、少し北のオースチンは最悪だった。天気が良くて日差しは強いから、てくてく歩いているとすぐに汗ばむ。しかし信号で立ち止まったり日陰に入ると、ちょぉ〜〜〜寒い。オースチンがもっと栄えた商店街などが目に付く街だったら、そこにいた1時間余のために間違いなくセーターを買っていた。州議会の建物(オースチンは一応、州都)などの写真を撮って、そそくさと車に戻る。他になぁ〜んも見るとこないし、2度と来んわい。これで絶対に風邪が悪化した。

 サンアントニオはこじんまりした、まぁ綺麗な街。寒いというほどではない。日頃あまり食べ物にこだわらない私だが、テキサスは「せっかくだからファストフードじゃなくて、安くて美味しいものを食べたい」と思わせるところだった。道路脇で目に付いた「65年の歴史の味」という看板に惹かれて、ファミレスっぽい地元の店に入る。マンハッタンじゃ、マックのセットも食べられないような値段で、非常に美味しくて量もたっぷりの食事ができた。

 余談だが、隣のテーブルの5人連れの客。小錦3人に高見山1人、1人だけ細くて小柄だった。全員、しっかりデザートまで食べていた。トイレに立った小柄な1人の顔を見たら、まだ子どもだった。「あぁ・・・この子も数年後には・・・」。

 ダラスで一泊した後、気が付くと腕を5カ所も虫に刺されていた。蚊にしては腫れが大きく、かゆいと素直に掻いてしまう人なんで傷になって膿んできた。あまりに気候がいいので窓を開けて寝たのが失敗だったか。あるいは部屋に変な虫がいたのか。

 出張の終盤は再びダラスに戻り、数日滞在した。別に今まで、とびきり変な相手を取材した経験がある訳ではない。それでも、ダラスで会う日本人のおじさんたち(駐在員や元駐在員など)は皆、改めて「本当にいい人」と言いたくなる方ばかりだった。駐在員の数が少ない分、できる人間が送られてきているのか。ダラスが重要な成長市場であるせいかもしれない。ある方が「こちらで会う日本人は、皆、本当に優秀なんですよ」と言っていた。逆説的だが、「馬鹿は、自分より若い人間や立場の弱い人間に偉そうにすることでしか、自分の存在価値を見いだせない」ということを、改めて感じた。

 ニューヨークに戻る日。朝、ダラスで人と会い、ヒューストンに戻って飛行機に乗らねばならない。外はお約束の「送り雨」(_ _;;;...。到着時のヒューストンは天気が悪かったから、帰りに寄った時に街の写真を撮り直そう、と思っていたのに。

 もしかしたらヒューストンは晴れているかも、という期待は見事に裏切られた。約4時間のドライブ中、ずぅ〜っと雨。途中で何度も、車線も見えないような土砂降りになり、仕方なくため息ついて速度を落とす。事故渋滞にも遭う。

 車がまっすぐ走らん。ハンドル取られまくり。最後まで、小型車に泣く。

 今回の出張中の総走行距離、約2400マイル。もうちょっとで大陸横断できるぞ(だから、何だ?!)。


 月曜日、FedExの不在者票が郵便受けの近くに貼られていた。「また、近所のFedExのオフィスに置いておいてもらって、取りに行けばいいや」と、FedExに電話をかける。「今は別の配送所にあるけど、指定のオフィスに荷物を移動するよう伝える」との返事で、めでたしめでたし・・・のはずだったんだが。

 翌日、FedExのサイトでトラッキングしてみたら、月曜日は2度目の配達となっていた。またかいな(_ _;;;...。UPSといい郵便局といい、実際に私が目にする不在者票は何故かいつも2回目の配達の時のものだ。どこも3回しか持って来ないから、「翌日また来る。これが最後」なんて最後通牒(?)が書かれている。なんでそうなるんだよ?! 1回目の不在者票なんか、見てないっつぅ〜の!

 それはともかく、私は会社にいるのに何故かステータスが「配達済み」になっている。署名欄には意味不明の単語が書かれている。「きっと、指定のオフィスに届けたということだろう」と、いい方に解釈することにして、帰宅途中でFedExのオフィスへ。

 珍しく混んでいる。列に並び、やっと私の番。コンピュータにトラッキング番号を打ち込む職員。「この荷物は配達済みになってる」「指定した住所に置かれているはず」「家に帰ってみた?」。

 確かに私の部屋のドアの前に荷物が置かれていた。建物自体に入るドアはロックされていて、そのドアの内側ではあるが、不特定多数の人間が通る場所に置かれていた。日本じゃないんだからさぁ〜。そりゃ、うちの近所は比較的、治安がいいし、うちのアパートの住人はオリエンタルがほとんどで変なヤツもいないけどさぁ〜。ピザの配達人だって通るんだよ。誰が受け取りに署名したんじゃ?!

 なんでこうなるのか、本当に謎だ(_ _;;;...。


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