2007.1.3の独り言

 相変わらずたまにしか更新しないこのコーナー。で、いきなりですが、1月末でアパートの契約が切れるため、更新せずに引っ越します。このアパートは引っ越してきた直後から契約が切れたら出て行くつもりだったし、最初の契約は2006年8月までだったから、本当ならもっと早くに引っ越しているはずだった。諸事情により2006年2月から契約条件が変わり、そこからまた1年契約になってしまって、今まで引っ越せなかったのだ。

 前に中途半端に書いたけれど、このアパートはちょっとはずれだった気がする。これまで私はアパート運は結構いいほうだった。おそらく前にも同じようなことを書いたけれど、日本で3年ぐらい住んでいたアパートは古い木造だったけどかなり気に入っていた。ロサンゼルスにやって来て住んだアパート2軒も、なかなか良かった。ニューヨークに移って住んだアパートも、最初のは場所が悪かったけど相当広かったし、マンハッタンのアパートはゲキ狭かったけどそれでもマンハッタンにしてはなかなか条件が良かった。再びロサンゼルスに戻ってきて5年以上住んだアパートも、40〜50部屋ある中で私の部屋は(少なくとも最初の4年は)一番条件が良かったと思う。今思い出しても殺意が湧く階下のクソ野郎がいなければ、もしかすると未だに住んでいたかもしれない。

 大抵は、アパート自体の条件が良かった、もしくはまぁまぁだったことに加え、そのアパートの中で他より条件がいい部屋にタイミング良く入れていた。

 今のアパートはかなり広いし、寝室と台所の日当りがいいし(というか、この2つだけがいいところなんだけどさ)、決して「ひどい条件」というわけではない。しかし、なんといっても駐車場がないのが痛い。大抵はアパート周辺に路上駐車できるけれど、かならずしも家の真ん前が空いているわけじゃない。ごくまれにだけど相当遠くに停めなければならないこともある。週に一度の道路清掃日(ある曜日のある時間帯だけ駐禁になる)を気にしなければならないのも面倒くさい。もちろん駐車場がない分、家賃は安いんだけど、もう疲れた。必ず安心して停められる場所がほしい。

 ちなみに階下には大家の妹が住んでいるが、彼女も路上駐車である。どんどん入れ替わる店子と違い、半永久的に路上駐車なんて、よく耐えられるなぁと感心する。

 2005年11月に行ったシロアリ駆除の「全ムシ駆除効果」はすぐに消え、暖かい時期には小さなゴキブリが頻繁に出没。シロアリに相当やられているせいか、時折意味もなく屋根や壁がばきばき鳴る。最初はかなり驚いた。

 壁のペンキが厚塗り過ぎて、ドアや台所の戸棚の扉がちゃんと閉まらない、なんてことには文句は言わない。アメリカのアパートはみんな、そうだから。こいつらは清掃ということをせず、入居者が変わるとただただペンキを上から塗りたくる。だから、どんどん壁が厚くなってドアはまともに閉まらなくなるし、コンセントがペンキで塗り込められてしまって掘り出さないと使えないなんてことも普通だ。コンセントががたがたで、テープでも貼っておかないとコードが自然に抜けてきてしまう、なんてのも当たり前だから、いちいち文句は言わない。

 しかしカーペットが赤というか、えんじ色なのは気に入らない。アパートのカーペットの色といえば、普通はグレーかベージュである。これにも最初は驚いた。濃い色は汚れが目立たないかもと思い直したものの、カーペットに落ちる汚れなんて糸くずやらほこりやら大抵は白っぽい。逆に汚れが目立ち、以前より頻繁に掃除機をかける羽目に陥っている。

 家の前は大通りなので、うるさい。道路の音はある程度慣れられる&耐えられるが、絶対に許せないのが近所のメキシカンに食料品を売りにくるトラックが鳴らす音。使っている音自体は日本の暴走族の「パラララパラララ」と一緒だと思うが、メロディ(?)がまったく違う。族の音のほうが百万倍マシである。どうしたらあそこまで人の神経を逆撫でする不愉快な音を鳴らせるのか、感動的ですらある。

 隣の部屋のおばちゃんが、いつも大きな音でテレビを見ながら大声で下品にゲタゲタ笑っているのもイラつく。同じく隣の部屋のおっさんは年がら年中タバコを吸いに外に出てくる。閉め切っている冬はいいが、夏など部屋に煙が入ってきてムカつく。

 建物はもちろんぼろっちくて古い。ある程度は仕方ないのだが、水道の不具合はかなりムカつく。台所の蛇口は、一度は水がしっかり止まらなくなった。修理したら今度は使用に困るほど水圧が高くなり、続いて今度は使用に困るほど水圧が低くなった。浴室にある手洗い用の水道は、お湯の蛇口が緩く、ふと気づくとちょろちょろ漏れている。水ならまだしも、お湯を無駄にするとガス代がかかる。頻繁に気をつける必要があるし、完全に止めるためにはかなり力を込めて蛇口を回さなければならない。シャワーのお湯も、たまに出が悪くなる上、水温の調整が異様にやりにくい。ちょうどいい温度および水圧のお湯を出すのが、著しく困難なのである。こんなシャワーは初めてだ。

 ついでに(?)、大家さんは愛想も良くて親切なんだけど、胴体が限りなく球形に近い。要するに非常に太っている。いつも「なにか問題があったら遠慮せずに言って」と言われるが、そんな体型のおっさんが寒い時でも汗ばみながらゼイゼイと息を切らせて修理などの作業をする姿を見ていると、なんだか妙に気が滅入る。あまり家に来て作業をしてほしくないので、ちょっとした不具合はついつい我慢してしまう。

 とまぁ、こんな感じで、文句を書き出すときりがない。恋愛と同じで(???)いったん気に入らないと思ってしまうと、次から次へと気に入らない部分が見えてきて、どんどん許せなくなっていく。この数ヶ月はことあるごとに「とっとと出て行きたい」と思ってきた。ようやく年も変わり、泣いても笑っても今月末には出て行かなければならない。少しはマシなアパートにタイミング良く巡り会えることを祈るのみである。


 ・・・実のところ今は不安でいっぱいである。引っ越し自体、大嫌いだ。荷造りやら整理やら家具類の分解組み立てやら運搬やら、考えただけで面倒くさくてぞっとする。当分は引っ越さなくてもいいように、気に入るアパートを見つけなくてはならない。

 しっかし、ロサンゼルスには日本では存在し得ないような古い木造アパートがごろごろしている。そもそも私がロサンゼルスに来た14年前には既に存在していたアパートのほとんどが、今もそのまま普通に使われている。そりゃ、アパートの平均築年数もどんどん古くなるわ。そのくせ、近年は完全な売り手市場なのでボロくても家賃は高い。今より家賃が高いのに今より狭く(もちろん駐車場付は絶対条件だけど)、同じぐらいボロいアパートになりかねない。

 考えれば考えるほど、どんどん不安に陥っていく。でもまぁこれは本当にタイミングだから、良い出会いがあるようにお祈りするしかないわな、やっぱ・・・


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