監督:岸善幸
出演:有村架純
森田剛
磯村勇斗
若葉竜也
初めのほうでは、報酬もないのに多大なリスクを背負って元受刑者の面倒を見るなんて、しかも経済的に余裕のある人が老後に社会還元としてやるならともかく、主人公のような若い人がクズのために自分の人生を犠牲にするなんて、1ミリも共感できなかった。さらに最初の方に出てきた元受刑者が見事にクズばっかりで不愉快過ぎて、このままお人好しの主人公がクズどもに翻弄される場面が続くのかと思って見るのを止めようかまでと思ってしまった。しかしギリギリのタイミングで森田剛が出てきて、なんとか踏みとどまって見続けられた。途中からサスペンス要素も加わり、さすがにちゃんと盛り上がる場面は用意されているのだなぁ〜と、一安心。
というか、若葉竜也が出てきたあたりから緊張感がビンビンに伝わってきて、かなりのめりこめた。森田剛も存在感があっていいんだけど(ってか、芸幅狭っ。ヒメノアールと印象一緒だし、出演作品少ないし)、若葉竜也が滅茶苦茶良くて泣かせてくれる。
主人公が保護司をやることになった理由も明かされて、冒頭で抱いた疑念もかなり解消。それにしても、あの若さであそこまで達観してあそこまで人間ができてるなんて、かなり現実離れしてはいる。(映画より前の部分が描かれているというドラマも見てみようかな)
世の中って、まったくもって理不尽だよな。人間って本当に、生まれた時から不公平だよな。この先、いろんな意味で不幸な人間の割合がどんどん増えていきそうで、そら恐ろしい。
鑑賞日:2022年8月4日
製作:2021年・日本