監督:沖田修一
出演:高良健吾
吉高由里子
池松壮亮
綾野剛
原作のエピソードをこれでもか!と無理矢理詰め込んだもんで、160分もの長編になっちゃった上に、意味不明なカット多々。いきなり時代が飛んだりして、あれ、原作読んでない人に分かるのか??? これは映画だと割り切って、取捨選択をきっちりやってほしいもんだ。倉持の娘とガソリンスタンドの兄ちゃんの話なんて、あれだけじゃ全くもって意味不明、描かないほうがずっと良かった。そのくせ、説明不足も見受けられて、成長後の与謝野祥子がどんな仕事をしているのか、原作を読んでいない人に分かるのかはなはだ疑問。
製作発表時から、キャストについてそれはないでしょう!と感じていたせいか、少し斜に構えて見てしまったかもしれない。それなりに面白い場面もあり、見ているうちに親近感もわいてはきたものの、やはりミスキャスト感は最後までぬぐえず。何よりも致命的なのは、長崎の同級生たちを含めて、誰一人としてピチピチの大学一年生に見えないこと。あれじゃ同世代の観客はさぞや白けるでしょうに・・・
そもそも世之介が高良健吾って、どうかと思う。あんなにイケメンだったら、(綾野剛の)加藤なんかより世之介のほうがモテモテでしょうが。映画では一生懸命間抜けを演じていたけど、全然合ってないし。
吉高由里子も、実際に18の時に演じていたら適役だったのかもしれないけど・・・という感じ。
綾野剛なんて、おっさんな上に(イケメンの役なのに)まったく格好良くないし、なんでこんな不細工というか、白人が考える典型的な黄色人種顔の細目男が昨今日本の芸能界で大人気なのか、謎過ぎる(欧米でなら、ルーシー・ルー的のりで、「おー、これぞアジア顔!」ってウケるのも分かるが)。
伊藤歩のキャスティングも理解不能。特に派手な顔でもないし、作品中でもパッと人目を引くような美人にはまったく見えず、片瀬千春というキャラの説得力ゼロ。どうせなら極端なまでにケバい化粧でもしてみたら、まだマシだったかも。
柄本佑とか黒田大輔にいたっては、はっきり言って醜すぎ。顔見たくない。
心底いいなと思って画面に釘付けになったのは、2時間を過ぎてから、特に終盤20分というところかな。最後だけうまくまとめられて、映画全体の印象がちょっとだけ良くなったけれど、やっぱり原作のほうが圧倒的に面白い。
この作品に限らず、原作を読んで自分の中でイメージができあがっているお話の映画を後から見るというのは、あまりよろしくないのかも。本が印象に残った「共喰い」の映画も見たいと思っており、こちらはミスキャスト感はあまりないのだけれど、はてさてどんな印象になりますことやら・・・。
鑑賞日:2014年3月20日
製作:2012年・日本