監督:エドワード・ヤン
出演:ウー・ニエンジェン
エレン・ジン
イッセー尾形
タイトルから想像されるような、子どもの夏休み絵日記風映画ではない。台北に住む両親、祖母、姉、弟の5人家族と、その親戚や友人、父の仕事関係の人などを巡る物語。
ヤンヤンは、末っ子の名前。どちらかというと大人の話が中心だが、タイトルになっているだけのことはあり、この弟の存在感もなかなか侮れない。8歳にして実にシュールで哲学的。大人には見えないものを見、大人が答えられない質問をする。
時間の短縮などまったく考えていないかのようにじっくりと、3時間近くかけて物語がつづられていく。カメラが必要以上に対象に近づくことはなく、あくまでも「引き」が中心、客観的で淡々とした映像が続く。
子どもから祖母の世代まで、それぞれの世代の迷いや悩みを描きつつ、結局人生っていうのはなるようになるもんで、なるようにしかならない、という「現実」が浮かび上がる。でも、だけど、人生だって捨てたもんじゃない、というような、さり気ないエールを贈られているような気分になった。
鑑賞日:2004年6月13日
製作:2000年・台湾/日本