監督:JOAN CHEN
出演:LU LU
LOPSANG
あどけなさの残る無垢な少女、恋する表情、優しい笑顔、疲れ、絶望した顔。異なる顔を次々と実に見事に演じてみせるLU LUが魅力的。ちょっとだけ、「家なき子」の頃の安達祐実を思い出した。
LOPSANGは、対照的な「静」の演技で魅せる。孤独な中年男の哀しさ、優しさ、照れ、怒りといった感情を、目だけで表現できる人。
不幸な男と不幸な少女を包み込むのどかで雄大なチベットの自然は、美しくも悲しく、そして残酷。
最初にちょっとだけ登場する、主人公に思いを寄せていた少年が映画の語り手になっていて、最後にとってつけたように再登場するのに少し違和感を覚えた。彼は最初に登場するだけで十分。彼の独白は、ないほうがいい。
鑑賞日:2002年3月5日
製作:1998年・アメリカ