監督:石井裕也
出演:宮沢りえ
磯村勇斗
二階堂ふみ
オダギリジョー
辺見庸の「月」は読んだが、この映画とはかなり違う。原作というより「原案」といった感じか。いや、それを言ったらそもそもの「原案」は、実際に起きた「やまゆり園事件」か・・・。
まず宮沢りえの顔が昔と全然違っていて、びっくりした。主演が彼女だと知らずに見ていたら、最後にクレジットを見るまで誰だか分からなかった。もちろん今でも美しいけれど、さすがに妊娠の可能性がある年齢の人には見えない。もうちょっと若いキャストを使ったほうが良かったのではないかと・・・。逆にオダギリジョーは妙に子どもっぽく見えて、最初、息子かと思ったぐらい。まあ、もしかしたら苦労し過ぎて実年齢より老けて見える女性、という設定でのキャスティングかもしれないが。
実際、(この映画で言うところの「心のない」)障害者にも人権があるなどと「きれいごと」を言っている人は、「心のない」彼らと関係ないところで生きていて彼らに迷惑を被ったことなどないのだろう。仕事だなんて言うなよ。一体どれだけの報酬をもらえば自分で全身に糞尿を塗りたくる人間の世話に見合うのか?! しかも現実には驚くほどの薄給だ。自分で全身に糞尿を塗りたくる人間が、迷惑以外の何であり得るのか?
かなり長いし、暗いし、どんよりと重い作品だけれど、見て良かった。宮沢りえはもちろん、磯村勇斗も二階堂ふみも本当に演技が素晴らしい。
鑑賞日:2025年6月21日
製作:2023年・日本