監督:JOSEPH KOSINSKI
出演:JEFF BRIDGES
GARRETT HEDLUND
OLIVIA WILDE
まず一言、映像はとても綺麗だけれど、それだけ。
最初に飛行機の中で見た時にはドン引き。82年のオリジナル作品を見た後でもう一度、改めて自宅の大画面テレビで見てみれば、オリジナル作品に対する愛情がひしひしと感じられて、確かにそういった点ではそれなりに楽しめた。しかしやっぱり、私の中では「あり得ない!!!」という言葉が頭の中をぐるぐる回りっぱなしで、まったく乗れなかった。これが異次元とか未来、宇宙の彼方などに迷い込んでしまった、というお話だったら、おなじ「現実にはあり得ない」でも純粋に楽しめたと思うのだが、この作品の「あり得ない」は私にとっては許せない「あり得ない」だった・・・
まだオリジナルのほうは、「夢かマコトか」みたいなほんわかしたノリで、最後の夢から覚めたら夢が叶っていた!みたいなお気楽な雰囲気が微笑ましかったし、映像的にもデジタルワールドの人間のリアルさが希薄なところが許せた。
しかしこの作品は下手に映像がよくでき過ぎているもので、電子の世界で、んなことあるわけねーだろ!!!という思いばかりが、次々と沸いてきてしまった。大体なんで個別のプログラムに感情があったり、バーに行ったりするんだよ?! プログラムが飲食するか?! 電子の世界に家があってベッドがあって、棚には書籍が並んでいる。・・・アホくさ。そもそのあのディスクは何なのさ?! 武士の刀かよ!!! 大切なデータなのか武器なのか、両方兼ねるな! 人間が電子の世界に入り込むまではともかく、たかがプログラムが現実の世界にリアルな肉体を持って出て来られるわけねーだろ! デジタルデータで生物を創造できるのかよ!
・・・と、書いているうちに納得できない点が止めどなく出てきそうなので、この辺にしておく。要するに、私は受け付けなかったということ。映像はきれいだし、所詮は映画なんだから、と、もっと素直に入り込める人だったらそこそこ楽しいと思う。「☆☆−」にしようかとも思ったけど、映像美とオリジナルに敬意を表して「☆☆」。
鑑賞日:2011年6月4日
製作:2010年・アメリカ