☆ 共喰い

監督:青山真治
出演:菅田将暉
   田中裕子
   光石研
   篠原友希子

 原作に感銘を受けたことと、菅田将暉主演ということで、見ようと思った作品。

 冒頭でいきなり、「そうくる?!」というナレーションに驚いたものの、途中までは原作に忠実。でも、こんなペースで展開したら映画が1時間で終わっちゃうのでは?と心配になってくる。ところが、映画の終盤は原作にない、いわば、原作の続きになっていて、またまたびっくり。

 この、映画オリジナルの「続編」部分に違和感多々。昭和天皇の話は、言いたいことは分かるし同感するけど、でも「共喰い」にはそぐわない気がする。無理矢理入れないほうが良かったな。それにも増して、主人公のその後のエピソードは本当にどうかと思う。こんな町、出ていくんじゃなかったのかよ!!! いや、出て行ってくれないとお話にならない、というか、原作をねじ曲げ過ぎ。最後の性交シーンにいたっては、もうコメディである。原作者は、こんなんで良かったの? よく文句、言わなかったなぁ。

 田中裕子は良かったけど、光石研は期待していたより「普通」だったし、全体に原作のほうがずっといい。ナレーションも、菅田将暉の声のほうが良かった。菅田将暉が素晴らしいのと、昭和の日本の情景がどうにも愛おしいのが救い。

 要するに、男はみんな、やるしか能のない愚か者で、女はみんな、したたかでたくましいってことですか・・・

鑑賞日:2014年11月6日
製作:2013年・日本


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