監督:STEPHEN DALDRY
出演:KATE WINSLET
DAVID KROSS
RALPH FIENNES
なんとも切なくて、もどかしくて、苦しい。愛と憎しみの間で揺れ迷う心、正義感、自分の中での葛藤。あくまで「お約束の展開」にはならない。安っぽいメロドラマになっていないところがいい。
KATE WINSLETは、オスカー受賞も納得の名演技。彼女なくして、この作品はあり得ない。学が無く、決して性格もいいとは言えない、かたくなな、しかし少年を惹き付ける程度の魅力は持っているという難しい女性を見事に演じている。いかにも教養がなさそうにキレてみせる様子や、知能指数が低そうな鈍重な歩き方など、どうしたらあんなに役になりきれるのか不思議になるほど。
マイケル役は、少年時代がいい。揺れる心の葛藤を、青臭く好演している。
これは役者とは関係のない話だけど、劇中の女性は無学なのをそれほど恥じて知られたくないと思っているのなら、もっと早くに学ぶ機会はいくらでもあっただろうにと思ってしまった。
鑑賞日:2010年5月20日
製作:2008年・アメリカ/ドイツ