☆ スワロウテイル

監督:岩井俊二
出演:三上博史
   CHARA
   伊藤歩
   江口洋介

 どこぞで論評を読んで以来、見たいと思っていた。運良くロスの友人宅にあったので、これ幸いと借りてきたモノ、やっと見られた。

 無国籍な感じ、どこまで本当でどこから大嘘なのかわからない感じ、個性の強い俳優陣。すっごく格好いい。途中ちょっとだらだらする部分もあるし、話を詰め込みすぎという気がしないでもないが、見ているうちにそれぞれの登場人物が妙に愛おしくなってきて、いつまでも終わらないで欲しいと感じてくる。冗長さもまた、心地よくなってくる。

 CHARAという人、名前は聞いたことあったけど初めて見た。きっと映画の方がこの人に合わせて作られたんだろうなぁ〜と思った。無茶苦茶ぴったりで、すごい迫力というか凄みというか、本当に日本人じゃないのかと思った。伊藤もやっぱり、度胸がすわった感じとか、ふっきれた感じとか、見事に「無国籍」だ。

 個人的には、三上がすっごくいい。と言っても、最後に流れるテロップを見るまで、あれが三上だって気づかなかったんだけど・・・。名前わかんないけど、ラン役の人もいい。

 荒唐無稽なお伽話でもあり、本当にありそうな話でもある。舞台が東京というのがミソで、あれが香港だったりロサンゼルスだったりすると、きっとリアリティがありすぎる・・・。日本語しかしゃべれない白人が三上に「気取って英語なんかしゃべってんじゃねぇ〜よ」と詰め寄るシーンなど、秀逸。さらに、東京にいる中国人と、アメリカにいる日本人である自分と、何かダブるものもあったりして、多少切ない。仕事もなく、留学でもなく、ただ「アメリカで一旗揚げよう」って何の計画もなくやってきた私は、映画の中の「円盗」とたいして変わらないから・・・。ラストのCHARAの歌が、胸にしみる。

鑑賞日:1998年12月13日
製作:1996年・日本


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