監督:赤堀雅秋
出演:堺雅人
山田孝之
綾野剛
新井浩文
借りてから見るまでに何ヶ月も経っているので、どういうタイプの映画なのか、どうして借りる気になったのか、すっかり忘れている。時代劇かと思って見てみたら全然違ったし、ところどころ、特に終わり方はちょっと難解だった。
おそらくキーワードは、「他愛のない」と「平凡」。他愛のない平凡な人生とは、全力で勝ち取らなければならないものだ、とでも言いたいのか。
時間を贅沢に使って、ていねいにじっくり描くというのは否定しないが、時に長過ぎて苦痛に感じるシーンもちらほら。ホテトル嬢のシーンなんて、(曲を聴かせる意図があったにしても)あの半分でも長過ぎるぐらい。安藤サクラの世にも醜い顔を延々と見せられて辟易。確かに「ブスな」役だけど、別に実際に不細工な役者を使う必要ないだろーが。美人が憎たらしい演技をするところが、いーんじゃん。
最大の謎は、酷い目に遭ったはずの同僚や警備員が、どうして「鬼畜チンピラ」になびくのか。おそらく、人間とは孤独より悪と共にある方を選ぶ生き物だ、ということなのだろうが、それにしてもこいつらにはプライドとか怒りという感情はないのか? 被害者の兄といい、山田孝之演じるチンピラ以外の登場人物はどうしてこうも皆、お人好しなのか。このチンピラ、「ムカつくのに何故か憎めない」ようなヤツには描かれていないがなぁ・・・
ちなみに、役者は揃っている。芸達者同士の堺雅人と山田孝之の対決シーンなど、期待でゾクゾクしていたのに肩すかしをくらってしまった。どうして「侍」なのかも理解不能だ。最後の最後も、なんとなく分かるような、分からないような。生前の妻とのシーンも、もうちょっと多く描いてくれないと、感情移入しにくい。
鑑賞日:2014年8月25日
製作:2012年・日本