☆ そこのみにて光輝く

監督:呉美保
出演:綾野剛
   池脇千鶴
   菅田将暉

 複数の映画賞を受賞している作品だし、評判も上々なので期待したのだが、私にとっては今一。心ゆさぶられるものが何もない。最近、心ゆさぶられる作品を見ると後々思い出して、日常生活をしている時に涙が出そうになって困ることが多々あるので、ある意味、ほっとした。

 基本的に暗い作品は好きなんだけど、中途半端なんだよな。なんでこの作品がこんなに評価高いのかなぁ。映画の評価で「タバコとライターと自転車の映画」と書いている人がいて、笑った。確かにタバコの映画かも、今時・・・。ってか、時代設定はいつなんだろう。地方都市の閉塞感や絶望感を描いているらしいけど、昭和30〜40年代みたいな雰囲気。

 真夏の映画なのに、画面は実に寒々としていて、どす黒い海で泳ぐシーンなど、寒中水泳みたいで鳥肌が立ってしまった。扇風機がついていても、役者の顔が汗でぬれていても、ちっとも暑そうじゃない。舞台が函館だから、本当に真夏でも涼しいのかもね。

 唯一良かったのは、なんといっても菅田将暉。素晴らしい演技だった。池脇千鶴は、どうにも受け付けなかったけれど、菅田将暉と本当の姉弟みたいに(特にゲジゲジ眉毛が)似ているのに笑った。いや、池脇千鶴も演技は凄いんだけど、あの役柄がどうにも生理的に受け付けない。綾野剛は、どうでもいいや。なんで池脇千鶴にそんなに惹かれるのかも、よく分かんないし。十人並みのヤンキー顔のくせに、最近ホントよく出てくるよね、綾野剛。

 脳梗塞で倒れると色気違いになるなんて話も初めて聞いた。マジなの? この映画見た人は、脳梗塞で倒れた人に対してものすごい偏見持つようになると思うわ・・・。ってか、寝たきりの色気違いなんか、普通ほっとくだろ?! セリフで、薬で抑えられるとも言ってたし、何でご丁寧に体張って抜いてやってんの? しかも、妻だけならまだしも、娘まで。マジで理解不能。気色悪過ぎ。いくら貧乏でも売春婦でも人生に絶望してても、普通それはないでしょう???

 片目見えなかったら車の運転できないだろう?!というのも、気になって仕方がなかった。

鑑賞日:2015年3月5日
製作:2013年・日本


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