☆ 新聞記者

監督:藤井道人
出演:シム・ウンギョン
   松坂桃李
   田中哲司
   北村有起哉

 本当はもっと早く見たかったのだが、なんだか身構えてしまって、今頃になってようやく鑑賞。

 シム・ウンギョンの、おっさんくさいような、オタクっぽいような感じが、リアル。これが、さっそうとしたすごい美人が大げさな表情を作りながらてきぱきと活躍していたら、なんだか嘘っぽくなっちゃってただろうな。

 最後のシーンの松坂桃李の、今にも死にそうな表情がすごい。冒頭のさわやかな青年がどんどん追い込まれてやつれていく。迫真の演技だ。

 ところで、「内調」って本当にあんな感じなのかね? 暗いというか何というか、優秀な(お勉強ができる)国家公務員をあんなに大量に集めて、黙々と「鬼女(きじょ)」かネトウヨみたいなこと、させてるわけ・・・??? 本当なら、かなりの衝撃である。

 これだけの内容を映画にして、ちゃんと公開できて、出演した役者が干されたわけでもなく、映画賞も受賞しているということは、日本はロシアや中国や北朝鮮や、その他もろもろの独裁国家より、まだ少しはマシということなんだろう。安倍政権の余裕というか、どんな「正しい」情報が流れようと、大多数の国民は安倍を支持するし検察も味方だし選挙すれば自民党が勝つ、という、ゆるぎない自信の現れでもあるかもしれない。要は日本国民がバカにされてるんだけどね。結局、何の説明もせず責任も果たさぬまま病気を理由に逃げ切るつもりのようだし。ここは(大統領経験者がかなりの確率で逮捕される)韓国を見習って、今からでもガンガン、疑惑を追及してほしいもんだ。

 楽しいお話ではないけれど、もちろんエンタテインメントとしてもきっちり成立している。終盤は特にハラハラドキドキする。そのまま、不安なまま終わってしまって拍子抜けしてしまったけれど・・・。あの後、彼らがどうなったか考えると、かなり怖い。

 余談だが、文字媒体でしか触れたことがなかった望月衣塑子記者が実際に話している様子を初めて見た。写真から勝手にイメージしていた声や話し方と大きく違っていて、少し驚いてしまった。本当にどうでもいい話ですが・・・。

鑑賞日:2020年9月4日
製作:2019年・日本


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