監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン
金城武
チャン・フォンイー
パート1と2で5時間にも及ぶ超大作、のめり込んで一気に見てしまった(お陰で翌日は眠かった)。壮大という言葉がぴったりのものすごいスケールの作品。これは劇場の大画面で見たら、さぞや迫力があって、一層感動したことだろう。
戦闘場面の迫力や規模の大きさ、緻密さもすごいが、人間ドラマとしても素晴らしい。少なくない登場人物を、かなり丁寧に描いている。冷血非道な「曹操」ですら、人間味溢れる一面を描いてみせる。ちなみにアメリカ公開版は1本にまとめられているらしいから、人間ドラマの部分がかなりカットされてるんだろうな。
冒頭の時代背景などの説明部分を見た時は、登場人物が多いので訳が分からなくなるのではないかといきなり心配してしまったが、まったくの杞憂だった。個性豊かで魅力的な俳優陣は一目見たら忘れようもなく、無駄なところに神経を使わずに物語自体を存分に楽しめる。
それにしても中村獅童は、荒くれ者の武将役がよく似合うこと。金城武も時代がかった服装のほうが圧倒的に映える。名前を把握しきれていないが、主要登場人物は本当に誰もが個性的で魅力的で素晴らしい。チャン・チェンはうっとりするほど男前だし、フー・ジュンも二枚目じゃないけど格好いい〜、かなり好き(普通の格好してると、ただのおっさんなんだけどね・・・)。リン・チーリンは本当にきれいだし、ひどいヤツなのに憎みきれない曹操にぴったりの風貌のチャン・フォンイーの配役も見事だ。
最後の決着の仕方や、「尚香」の淡い恋物語など、全体の流れにそぐわぬ甘すぎる部分も多少見受けられる。「尚香」のやんちゃぶりに「周瑜」や「孔明」が顔を見合わせて苦笑する場面など、必要以上に長くてまどろっこしい部分もあるが、作品全体の「ものスゴさ」を損なうほどではない。
おいそれと気軽に見られる長さではないのだが、がんばって見て良かった!と心から思える作品。
鑑賞日:2010年5月26日
製作:2008/2009年・アメリカ/中国/日本/台湾/韓国