監督:BRIAN DE PALMA
出演:PATRICK CARROLL
ROB DEVANEY
IZZY DIAZ
こんなの本当に巨大な氷山のほんの一角に過ぎないし、良識ある人間なら改めて見せられなくても分かっていることだ。しかし、知識として知っているのと映像として見せられるのでは、インパクトが違う。もちろん、この映画を見て初めて米軍の実体を知ったというおめでたい人もいるだろう。こうした作品がメジャーな監督によって作られ、全世界に広く公開されることに意味がある。
よく「非人間的」とか、「ケダモノ」「野獣」とか、言うけど、ケダモノに失礼である。ケダモノは、食べる以外の目的で他の生物を殺さない。拷問もしないし、強姦もしない。正当な理由なく、あるいは楽しみとして、他の生き物を殺したり拷問したり強姦するのは、人間だけである。こうした行動は、実に「人間的」なのだ。そして戦争という状況では、人は何の疑問も抱かずに、こうした「人間的な行動」を取ることができる。
米軍はひどいけど、(内戦や侵略を含む)戦争になったら、古今東西、みんなこうした行動を取るのである。米軍に限らない。「戦争」というもの自体が悪なのである。第二次大戦後、平和憲法に守られてこうした「人間的な行動」を取らずに済んでいる、加害者にならずに済んでいる日本人は、平和憲法に心から感謝しなければならないはずなのに、昨今は勘違い野郎の実に多いことよ・・・
鑑賞日:2009年2月17日
製作:2007年・アメリカ/カナダ