監督:SYLVESTER STALLONE
出演:SYLVESTER STALLONE
JULIE BENZ
MATTHEW MARSDEN
序盤、これは「HOTEL RWANDA」や「BLOOD DIAMOND」のような映画ではないかと錯覚させるような映像が多く出てくるが、これはあくまでも「ランボー」である。それでもランボーも20年の間にいい具合に歳を取り、最後にぐたぐたと余計なご託を並べなくなったし(聞いてくれるリチャード・クレンナも今はいないし?)、ビルマの軍事政権に対する純粋な義憤も多少はあったのだろう。特典映像の中でも、ビルマ情勢についてかなりの時間を取っている。ミャンマーとは一切言わず、すべてビルマで通しているのも、もしかするとこだわりがあってのことかもしれない。
アジアが舞台ということで、戦闘シーンはランボー2作目を彷彿させる。しかしランボーもお歳を召して、以前のようなゲリラ戦でネチネチと1人ずつ殺していくのはしんどくなったか、あるいは面倒になったか。戦闘シーンが大味になった分、肉体の吹っ飛び方がリアルになっていたりして、エンターテインメント度が減少して残虐度が増しているかも。以前は技術的に難しかったのかもしれないが、ランボーに限らず、最近の映画はやたらとリアルに頭の一部が吹っ飛んだりする。別にそこまでリアルに残虐性を追求してくれなくてもいいんだけど・・・(それが売りのスプラッター映画なら別だけど)
それにしても「It's a Long Road」を聴くと、シリーズ最初の作品のラストシーンの寂しげなスタローンの顔が浮かんで、今でも胸がキュンとなる。今作では演奏のみで、ダン・ヒルの哀愁のこもった歌声が聞けなくてて残念でした。
そしてランボーの長い旅路(Long Road)もようやく終わったかと思いきや。今作の興行成績が期待以上なのに気を良くしたスタローン、次作の構想を練っているとかいないとか・・・
ちなみに3つ☆評価は、愛するランボーシリーズということでちと甘めかな。
鑑賞日:2008年6月4日
製作:2008年・アメリカ/ドイツ