監督:岩井澤健治
声の出演:坂本慎太郎
駒井蓮
平岩紙
竹中直人
ヤンキー高校生が思いつきでバンドを組んでロックフェスに出場する話、と聞いたら、普通は「一生懸命練習して、喧嘩して仲直りして、挫折して立ち直って、最後に難しい曲を演奏できるようになって・・・」なんてな青春物語を想像すると思う。自分もそうだった。
しかし・・・! ぜんっぜん違った。そんな貧困でありきたりな想像をしてしまった自分が恥ずかしい。
リコーダーが出てきた時にはもう、本当にやられたというか、負けたと思った。面白過ぎる、素晴らし過ぎる!
いや、これはすごい、本当に素晴らしい。さらっと見て普通に笑えて面白い上、真剣に見ていると魂を揺さぶられるというか、生物としての根源的な部分に訴えかけてくるものを感じる。原始人の頃から脈々と受け継がれてきた人類の遺伝子が反応する・・・みたいな。
リコーダーが登場してからライブまでのシーン、10回繰り返して見ても飽きずに楽しめそう。
この作品を一人で七年かけて手書きで作り上げたという監督に、心から敬意を表したい。
鑑賞日:2021年5月31日
製作:2019年・日本