監督:小津安二郎
出演:三宅邦子
設楽幸嗣
島津雅彦
久我美子
子どもにお薦めの作品ということで借りたのだが、なかなか深くて面白かった。
小津安二郎の名前はもちろん知っているが、監督作品を見るのは実にこれが初めて。自分が生まれるより前に亡くなっている人なので、ある意味当然なのだが、いい映画を撮る監督だったんだなあ、と、しみじみ。
子どもの「大人だって無駄なことを言っている(後略)」というセリフには、自分が子どもの頃、近所の人に挨拶をしなければならないのがイヤでイヤで誰にも会わずに済むように家を出るタイミングをずらしたりしていたことを思い出して苦笑。
さすがにこの年になると、無駄に思える会話も必要な場合があると理解するし、無駄があるからいいんじゃないか、といった意味のセリフにも共感する。
といっても、こんな濃すぎる近所づきあいなどまっぴらごめんだし、この作品を見ても「この時代は良かったなあ」なんて懐古趣味には全く陥らない。しかし、「テレビ=1億総白痴化」とか「便利になり過ぎると良くない」とか、時代が変わっても人が言うことって同じなんだなあ、と、シミジミ。今ならさしずめ、「スマホ=60億総白痴化」といったところか。本当に、今じゃ便利になり過ぎて、世の中バカばっかりになっちゃいましたよ。いやまあ、もともと人間社会なんて大多数のバカと少数の利口から成り立っているんだけど、そのバカ平均のレベルが極端に低くなったし、お利口のハードルも随分と下がりましたよ・・・ハイ。
余談だが、昔の(男の)子役って、どうして皆、べらんめい調なのか・・・??? 昭和40年代までは、テレビドラマでも映画でもほとんどの少年が、べらんめい調でしゃべっている気がする。なんで昔はカメラの前では普通にしゃべらなかったのか? 監督の指示???
鑑賞日:2017年8月5日
製作:1959年・日本