監督：イ・チャンドン
出演：ソル・ギョング
　　　ムン・ソリ
　　　リュ・スンワン

　重度身体障害者の女と、前科３犯の男。社会から受け入れられない２人の、他の人には到底理解してもらえない、２人だけの究極の純愛の世界。不器用な男が彼女のために、（いろんな意味で）命懸けで木の枝を切るシーンには、涙が出てきた。

　だけど私も、実際にこんな人たちが身の回りにいたら、きっと鬱陶しく感じるんだと思う。とてつもなくいいヤツなのはわかるけど、とんでもなく非常識なこんな男が近くにいたら、おそらく私も義姉と同じことを言っている。こんな女性が近くにいたら、腫れ物を触るようにしか扱えず、とてもこの男のようにごく普通に自然に接したりはできない。映画だからこそ主人公の２人に肩入れし、周りの連中の無理解や社会の理不尽さに腹を立てたりもする。だけど現実には、やっぱり私もそんな連中の一人でしかないんだろうな・・・

　それにしても、ムン・ソリの演技は本当にすごい。あれは、役者なら誰でもできるというようなものではない。最初は、実際に障害を持つ人が演じているのかと思ったぐらい。

鑑賞日：2005年５月１日
製作：2002年・韓国