監督:瀧本智行
出演:生田斗真
松雪泰子
江口洋介
染谷将太
なによりもまず、「脳男」っていうタイトル、なんとかならなかったのかね。字面といい、読み方の響きといい、あまりにもセンス悪過ぎだろ。
マネキンのような生田斗真の容姿は、感情も痛みも持たないこの役にぴったり。最後にちらっと見せる「微妙な」ほほえみが、実にいいね。
爆破犯人は、ちょっと現実離れし過ぎ。例えいくら頭が良くてお金があったとしても、体力的に絶対に無理でしょ? 外見からして、このスケールの作品の「悪役」としてはちゃち過ぎ。かなり気色は悪いけど。
松雪泰子は最初から最後までぼそぼそと何を言っているのか聞き取りずらい。そういうキャラなのは分かるけど、プロなんだから、ぼそぼそ感は残しつつも何をしゃべっているのかはちゃんと分かるという風にしてもらわないと。
あと、この手の映画でも現実世界でも必ずいる、建前やきれい事並べて「殺すな」「殺すな」と騒ぐヤツ、まったくウザい。世の中には更正不能な連中がゴマンといて、そういう連中は、とっとと殺さなかったらこっち側の人間が殺されちゃうんだよ。
松雪泰子の母親役はただひたすら強烈。特殊メイクなのかもしれないけど、それにしてもインパクト有り過ぎ。
とまあ、いろいろ書いたけれど、かなり面白かった。気持ちいいし。なにしろ、我らがヒーロー(?)は痛みを感じないため、苦しむことが決してないんだから。あの行動であの容姿だったら、「デスノート」の「キラ様」以上に崇拝者が続出してネットで祭りになってるハズだけど、そういう場面がいっさい出てこないのも気分いい。
エンディングは、いきなりクリムゾンでびっくり。確かに格好いいけど、エンディングだけ浮いてて、違う作品みたいだな。いっそのこと、あれをオープニングにしてシリーズ化してください。「先生を悲しませるやつは、俺が許さない」なんてなコピーで(???)。
鑑賞日:2017年10月27日
製作:2013年・日本